埼玉県民活動総合センターは存続をー山﨑県議一般質問

山﨑すなお県議は、12月8日12月定例会本会議一般質問をしました。

質問は以下のとおりです。(答弁は入っていません)

1、物価高騰に悲鳴を上げる県民に心を寄せて

(1)まだ間に合う!県水道用水料金4月から引上げは中止を

食料品をはじめ物価高騰がとまりません。高市政権の総合経済対策は無責任な大軍拡、バラマキ財政であり、その財源も国債頼み。これではインフレ・物価高騰を加速させかねません。埼玉県はその防波堤になるどころか、国民健康保険税の引き上げ、下水道負担金の引き上げによる下水道料金の引き上げによって、追い打ちをかけています。とりわけ、来年4月からの県水道用水料金の引き上げ決定前後から、川口市・所沢市・ふじみ野市など19市町の水道料金が続々と引きあがっています。

重大なのは滞納などで令和6年度給水を停止された件数が4万526件と、4年前の令和3年から4909件も激増していることです。水道給水停止は命にかかわるものです。知事、給水停止が激増していることをどのように受け止めておられますか。

昨年度、令和8年4月からの水道料金21%引き上げが決定されましたが、令和6年度の水道会計は黒字、内部留保は439億円あまりです。内部留保は工業用水121億円、地域整備545億円で、一般会計には100億円貸し出している状況です。

日本共産党県議団は、水道会計は黒字である、それでも県水道用水料金を引き上げることは県民は納得できないと指摘してまいりました。来年4月からの引き上げ撤回をもとめる署名は3万2千筆あまりに上っています。

政府は、不十分とはいえ物価高騰対策として地方創生臨時交付金重点交付金を増額するとしています。党県議団の一般質問における「水道会計になぜ重点交付金を水道用水供給事業に投入しないのか」という問いに知事は「交付金を活用した場合でも直ちに県民及び県内事業者にその恩恵が及ぶわけではありません。」と答えております。県が水道用水料金を引き上げたことが、市町村の水道料金の引き上げの理由となっております。ぜひ、この度、増額を予想される重点交付金を今度こそ投入して、4月からの水道用水料金引き上げを撤回すべきと考えますが、知事の答弁を求めます。

(2)赤字に苦しむ病院・医療型障害児入所施設への支援を

物価高騰は医療・障害者・介護施設にも影響を及ぼしています。

一般病院の7割あまりが令和6年度の決算で赤字であったことが、厚労省の報告で明らかになりました。令和6年度の診療報酬改定が物価高騰・人件費高騰においつかず、令和7年度はさらに経営が悪化しております。

医療機関の要望は、診療報酬の期中改定もしくは国と県の緊急支援です。厚労省は来年度の診療報酬改定を表明していますが、それでは遅すぎます。知事に伺いますが、期中改定・国の医療機関への支援を強力に知事から求めていただきたいのですが、いかがですか?また、県として病院への緊急支援をすべきと考えますが、いかがですか?

とりわけ東部地域の5市1町で運営する、医療型障害児入所施設中川の郷療育センターの経営難は切実です。医療的ケアをかかえる障害児者77人が入所できる同施設は、ショートステイやリハビリ、在宅者のための外来まで行っています。ショートステイの新規は1か月まち、リハビリは3か月待ちと地域にとって貴重な施設です。しかし、報酬増が物価・人件費高騰に追い付かず、このままでは1億円もの赤字になりかねないとのこと。

 

中川の郷に対して埼玉県は、県心身障害児(者)の特別療育費補助金、在宅重症心身障害児の家族のためのレスパイトケア事業など約700万円程度の補助を行っていますが、700万円では2人分の人件費にもなりません。福祉部長、仮に中川の郷が休所などという事態になった場合、77人の入所者は行先はあるのでしょうか?お答えください。

党県議団は、他の医療型障害児入所施設にも問い合わせましたが、同様に報酬増が物価高騰に追い付いていないという訴えを聞いています。全県の施設に経営状況調査を行うべきと考えますが、いかがですか?また、県として緊急支援を検討すべきと考えますが、知事の答弁を求めます。

2,県有施設の在り方は県民が決めるべき!県民活動総合センター等の存続を求めて

(1)県民活動総合センターは存続を

「埼玉県指定出資法人あり方検討委員会」と「県公の施設の在り方有識者会議」は県民活動総合センターの廃止を提言しました。

党県議団は6月定例会の委員会で、両委員会の委員は対象施設の視察や利用者等のヒアリングを行っていないとして、関係自治体や利用者、団体の声を早急に聞くよう強く求め、県も声を聞くと応えています。

県民生活部長に伺いますが、その後各施設について関係者や利用者の声はききましたか?

伊奈町にある県民活動総合センターは令和2年度22万人余りから令和6年度は76万人あまりと利用者は激増しており、小・中・高等学校・特別支援学校の宿泊研修、手話の試験、ボランティア活動などに全県から利用されています。

そのため廃止を聞いた県民、とりわけ伊奈町の住民は衝撃を受けています。10月28日には伊奈町町長が知事に「熟議」と「改めて検討を」求める要望書を手渡しております。春日部、上尾市議会からは存続を求める意見書が届いていると思います。

同センターは地域に根差し、県民生活になくてはならないかけがえのない宝です。一方的な廃止ありきの検討ではなく、存続を求める声に応えるべきです。知事の見解を伺います。

同センター大規模改修には、令和2年度から6年度までにすでに18億9千万円が投入されております。知事に伺いますが、18億9千万円も投じて改修している施設を廃止するというのは、不合理ではないですか?

(2)長瀞射撃場廃止は時代逆行

「県指定出資法人あり方検討委員会」は長瀞射撃場について「事業の廃止または再構築を検討」と提言しました。

シカやサルはもちろん、近年はクマの被害が広がっています。本県においても、秩父地域はじめ、東松山市や飯能市の住宅でも目撃情報が報告されています。一方で埼玉県の狩猟者登録数は平成から令和にかけ減少の一途です。この時期にクマ対策の一つの柱であるハンター育成施設を廃止するというのは、時代逆行といわなければなりません。

党県議団は長瀞射撃場を視察しました。射撃訓練をされていたハンターからは、「本州で唯一の300m射撃コースのあるここは本当にありがたい」と、ぜひ存続してほしいと話しておられました。 

長瀞射撃場は存続し、むしろエアコン設置や電子標的改善を早急に行うべきと考えますが、知事いかがですか?

(3)おおぞら号、伊豆潮風館の在り方は当事者の声をきいて

あり方検討会、有識者会議は伊豆潮風館の廃止を提言し、また県はリフト付きバス「おおぞら号」の廃止を決定しています。

移動の権利、外出権の保障をと求めてきた障害者団体からは怒りの声が上がっています。福祉部長、このような障害者の権利に直結する施策を実施する際に当事者の意見聴取は欠かせないと考えますが、廃止についてそれぞれ何人の障害者の声を聴取したのですか?

当事者からどのような要望が寄せられていますか

おおぞら号、伊豆潮風館は存続すべきと考えますが知事の見解を伺います。

3,未配置・未補充が174人、県職員の欠員が135人、教職員・県職員を増やそう

(1)臨時免許状の授与ではなく正規教員を増やそう

 今年の1月全日本教職員組合が教職員の未配置の状況についてアンケート等の調査を行い、その結果を公表しました。

 そこには「担任がくるくるかわり不安定」「生徒に目が行き届かず、トラブルに対応できない。」など、未配置未補充が子どもたちに深刻な影響を与えていることがよくわかります。教員からは「未配置の学校では、ドミノ式に病休者が出てくる状態」という記述もありました。

 本県においても今年度も9月1日時点で小・中・高・特別支援学校の未配置が22件、未補充が152件です。 教育長、「重く受け止めている」と毎回同じ答弁ではなく、解決のための方策をお示しください。

教員不足に対応するため、県教委は臨時免許状を授与しています。令和5年度の授与件数は757件、福岡県に次いで全国2番目の多さです。この臨時免許は小学校での授与数がもっとも多く、大半は中学校等の免許をもつ教員に臨時免許を授与し、小学校で教員をやってもらっているとのことでした。県立高等学校では令和6年度に免許を持っていない8名の学生にも授与しています。

 臨時免許状の多発は、大学で苦労して取得する免許制度の形骸化を引き起こしかねません。そもそも臨時免許は例外的に授与するものです。教育長、長期的に大量の臨時免許状を授与するのは許されないと考えますが、答弁を求めます。

 場当たり的に臨時免許状を授与して未配置・未補充を解決するのではなく、正規教員を増やすことが必要です。決算特別委員会では教育局で約94億円の不用額が発生していることが明らかになっています。これほどの不用額を使い残すなら、正規教員採用を増やすべきです、教育長の答弁を求めます。

 

(2)勧奨退職の募集を停止することは、処方箋の誤り

県と教育委員会は、県職員・教職員確保のため勧奨退職実施をやめるという通知を一方的に出しました。

勧奨退職を選ぶことができなくなれば、退職金に最大約650万円の差額が生じます。県職員組合も教職員の組合も「勧奨退職募集停止することは、処方箋の誤りであるばかりでなく、懸命に働く職員のモチベーションを低下させる」と批判しています。

今の40代から50代の氷河期世代は、教員の採用がほとんどなかった世代です。県職員も定数を減らしていた時期があります。いまになって教員が足りない、県職員が足りないというのは人事政策の失敗であり、そのつけを職員に負わせるべきではないと考えますがいかがですか。知事と教育長のご答弁をお願いします。

あくまで、募集を停止するというのであれば、経過措置を設ける、柔軟に対応することが必要です。理由によっては、勧奨退職について柔軟に認めるべきと考えますが、知事・教育長いかがでしょうか?

令和6年度、県職員の一般退職234人に対して勧奨退職者は41人にすぎません。教職員も同様で、満45歳以下の若手の退職が圧倒的に多いのが現状です。勧奨退職停止より、若手職員の離職防止対策こそが必要です。長時間勤務の縮減など処遇改善が求められます。それに加えて、不登校児童を持つ親の休暇制度の創設などを行うべきと考えますが、知事いかがですか?

(3)あらゆる手段で県職員の欠員補充を

県職員の欠員は今年度4月1日130人となりました。欠員の最多は、福祉職で54名の欠員で、その多くが児童相談所です。続いて総合土木が11名の欠員となっています。

まず、知事、医師・歯科医師のみの初任給調整手当を、福祉職と土木職に広げるべきと考えますが、いかがですか?

京都府京丹後市では令和5年度、土木の技術職の採用につなげるために独自の就学資金貸付制度を創設しました。本県においても土木職はもちろん、欠員の多い福祉職などの職種に対し、就学資金貸付制度を創設してはいかがでしょうか?知事の答弁を求めます。

埼玉県立大学は社会福祉士を多数輩出している大学です。知事、直接県立大学に足を運び埼玉県職員獲得のために努力していただきたいのですが、いかがですか?

4、猛暑の時代にこどもたちのための施設整備を

(1)夏でも、思い切り遊べる!埼玉県に「こどもの城」を

今年8月鳩山町で国内観測史上2位の最高気温41.4度を記録しました。地球沸騰化の時代を迎え、夏の暑い時期に子ども達が屋外で遊ぶことが難しくなりました。子ども達が季節や天候に関わりなく安全に遊べる屋内施設、特に、体を思い切り動かせる施設の整備は喫緊の課題です。わたしにも小学校1年生の子どもがいますが、夏の休日にどこに連れていくかとても悩みました。周りの子育て・孫育て中の方たちに聞いても、「広くて、遊具がいっぱいある屋内施設がほしいよね」とみな話しています。

浜松市立の浜松こども館は、駅前商業ビルを利用した施設で、地元木材も利用し、高さと広さを活かしたダイナミックに遊べる遊具が多くあり、登ったり跳んだり滑ったりして全身を使うことができます。

群馬県立児童館ぐんまこどもの国は、プラネタリウムや科学館、子ども図書館、ホール等を有しています。平成2年に開園したため、来年度リニューアルされるそうです。

私は、川口市内の廃校を利用して、埼玉県立の大型モデル児童館を設置することを提案します。

児童館ガイドラインには、災害時の子どもの居場所としての機能、いじめや不適切な養育等への適切な対応も記載されています。夏場に体を動かすだけではなく、子育ての悩みを相談する相談機能や、さまざまな事情を抱える子どもの居場所機能など、県の子育て支援のセンターオブセンターズ「仮称 SAITAMAこどもの城」を整備していくのはいかがでしょうか?知事の答弁を求めます。

 県内の児童館・児童センターの設置状況は、児童数や距離などの規定がないため市町村により差があり、さいたま市18館、所沢市11館、熊谷市と鴻巣市が9館と多い一方、児童館がない市町村が休止も含めて20自治体あります。県立大型児童館には移動型児童館用車両を必要に応じて保有することになっています。大型児童館が車両を保有して、児童館が少ない地域の公民館などへ県がプレイリーダーや遊具を届けてはいかがでしょうか。知事の答弁を求めます。

(2)酷暑被害は甚大、県立高等学校のエアコン設置は喫緊の課題

今年の記録的な猛暑の中救急搬送は5月から9月で6141件に上っていますが、県立高等学校では、この猛暑は生徒と教員に深刻な影響を及ぼしています。

今年9月時点の県立高等学校の特別教室のエアコン設置率は67%で、体育館は6%です。県立大宮中央高等学校通信制は、夏場にエアコンのない体育館でのスクーリングを行っています。またある県立学校は、理科室にエアコンがなく火気を伴う実験器具が使用できず、6月から10月は実験ができません。音楽室にもエアコンがなく生徒は授業に集中できず、2回音楽教師が熱中症による救急搬送をされています。

熱中症による5人以上の救急搬送が小中学校は令和5年度2件、令和6年度1件発生しております。県立高校における集団搬送数は報告されていませんが、4人以下の搬送数や、教員の救急搬送は含まれておりません。教育長、これだけの深刻な猛暑であり、すべての県立高等学校における生徒、教職員の熱中症搬送数を調査していただきたいのですが、いかがですか?

公益財団法人日本スポーツ協会はガイドラインで35度以上暑さ指数31以上の環境では「運動は原則中止」としています。しかし、バドミントンや卓球など、練習中に風通しを良くすることが難しい競技もあります。夏休み中の練習は、秋の新人戦に向けたチームづくりに欠かせません。また県立高等学校のうち133校が避難所に指定されています。教育長、県立高等学校の特別教室と体育館にエアコンを早期に設置すべきと考えますが、いかがですか?

5、応募倍率激増の県営住宅の空き室対策を

県営住宅の応募倍率が増えています。特に私の住んでおります県南・県央地域は令和4年度と比べて申し込み件数は1499件増え、逆に募集戸数は585戸減り、応募倍率が3.4倍から5.8倍に激増しています。大人気の浦和高層住宅は160倍で、大宮植竹住宅は107倍です。物価高騰による暮らしの厳しさを反映しているものと考えます。

この県営住宅には、かねてより大量の空き室が発生しています。令和2年度に3500戸あまりだった空室は6年度5000戸を突破し、空室率は19%=約2割に達しようとしています。

都市整備部長、県営住宅の約2割が空き室という状況をどのように考えますか?

例えばさきほどの大人気の浦和高層では64戸の空き室が、大宮植竹には30戸の空き室があります。私の自宅付近の川口柳崎住宅は23戸、川口安行原住宅は35戸 、草加花栗住宅は20戸の募集停止等による空き室ができています。県はそれぞれの住宅の建て替え時期を公表していません。

私は近隣の県営住宅の住民に募集停止についてのアンケートを行いました。第1に困っていることは、世帯数が減ることにより自治会費の中の共益費があがってしまうということでした。ある100戸の団地は現在70戸余りとなっており、1500円だった自治会費が2200円になったとのこと。

第2に多かったのは、草取りや落ち葉拾いなどにでてくる人が減ったまたは回数が増えたということです。県営住宅の住民は、条例に基づいて共益費の支払いや、団地内の維持を行う義務があります。共益費が引きあがるから払わないということは許されません。

そのほか、さまざまなご不自由があることがわかりました。

そこで知事、時期不明な建て替え等を理由に、県営住宅全体で274戸もの空き室をつくるべきではないと考えますが、いかがですか?

知事、募集停止をしている団地にさまざまな不利益を及ぼす以上、各団地に募集停止についてご説明をするべきと考えます。また住民が責めを負うべきでない空き室部分の共益費は県が負担すべきと考えますが、答弁をもとめます。

6,外国人は共に生きる「地域の生活者」、共生社会の実現を

(1)包括的な人権擁護条例=ヘイトスピーチ禁止条例制定を

平成28年にヘイトスピーチ解消法が施行されました。

しかし、ヘイトスピーチ解消法にはヘイトスピーチの禁止や罰則が盛り込まれておらず、県内でも依然としてヘイトスピーチが行われています。川口、蕨、戸田など県南地域の駅前等で、排外主義をあおる言動が公然と、頻繁に行われ、県内外から排外主義者が集まり、近隣に住む外国人や外国にルーツのある人々が不安を感じています

昨年11月にはさいたま地裁が川口市にある外国人団体へのヘイトスピーチを繰り返し行う団体に対してデモ禁止の仮処分を決定しています。今年の8月には埼玉県弁護士会がヘイトスピーチの根絶を求める会長声明を出しています。

川崎市では令和元年に罰則を盛り込んだヘイトスピーチ禁止条例を制定し、効果を発揮しています。埼玉県にもヘイトスピーチの禁止と罰則を含む、包括的な人権擁護条例の制定が必要と考えますが、知事の答弁を求めます。

(2)日本語教育の出番の時代、県国際交流協会の体制強化を

全国知事会は、外国人を日本人と同様に「生活者」であり「地域住民」と位置づけ、「排外主義を強く否定」し、多文化共生社会の実現を訴えております。多文化共生社会を実現するためには、日本語学習の支援が不可欠です。

 令和6年末の埼玉県の在留外国人数は26万人を超え、県民の約28人に1人が外国人となり、埼玉県でも日本語教育の抜本的強化が求められています。その要となるのが埼玉県国際交流協会です。

同協会は「多文化共生社会の実現と県内在留外国人への総合的な支援の推進」として、外国人総合相談窓口、日本語教室の支援、中学生オンライン日本語教室、通訳・翻訳ボランティアの登録・紹介等が実施されています。

埼玉県は、埼玉県国際交流協会の人的体制強化を図り、常駐相談員の拡充、日本語教室支援拡充、通訳・翻訳者の育成の実施など事業の発展を求めますが、知事いかがでしょうか?

県出資法人の在り方検討委員会は、シニアの支援を行う「いきいき埼玉」とこの国際交流協会の統合を提言しています。しかし外国人の増加は必至であり、本県も本格的な共生社会に向けた取り組みの抜本的強化が求められる時代です。必要なのは法人統合ではなく、組織強化です。いきいき埼玉と国際交流協会の統合はすべきではないと考えますが、知事の答弁を求めます。

(3)日本語教育で模索し、試行錯誤する学校現場を支援しよう

川口市内の小中学校を視察し、日本語指導担当の方々にお話を伺いました。小学校では4,5人の子どもたちが、週1~3回在籍クラスとは別のクラスで先生と日本語を学んでいました。

法を踏まえ、県は18人から35人に対して教員1人を配置しており、同校には日本語教員が2人しかおりません。日本語の指導を受けられるのは週に1~3回程度であり、児童は基本的に在籍学級で過ごします。学校によってはクラスに日本語の指導が必要な児童が5人以上いる場合もあり、授業をするにも生活指導をするにも、担任の負担は大きくなります。教育長、在籍学級に支援員を配置している市町村の支援が必要ではないでしょうか、答弁を求めます。

また、同校では、日本語用教室が一つしかなく、2つの学習グループが同時に使用するので双方の声が聞こえてしまい、子どもたちの元気な発言で、先生や子ども達の声が聞き取りにくくなっていました。きちんとしたパーテーションの必要性を感じました。

そのほか、先生たちからはポケトークがほしい、子どもの母語の教材を整備してほしいなどの要望をいただきました。学校ごとに状況が異なるため、施設の改修や教具の確保など、学校事務費とは別枠の日本語支援事務費補助などを創設すべきと考えますが、教育長の答弁を求めます。

(4)共生社会に向けてこどものための横断連携チームを

小中学校からは、外国籍の子どもの転入時期はバラバラで、その都度、保護者面談や説明会に通訳を派遣してほしいと要望もいただきました。デジタル教材も切実に求められています。

私は、昨年度から「日本語」の授業が開講した県立戸田翔陽高校を視察させていただきましたが、担当できる教員が少なく、一部の教員が試行錯誤をかさね、手探りをしながら授業実践をされています。課題は山積みです。また学校だけでは解決できない課題も見えてきました。

私は、このような状況にある外国籍の子どもを支援するために、まず県として部局横断的体制を確立すべきと考えます。東京都は子ども政策連携室「日本語を母語としない子供を支援」推進チームが、国際交流協会・自治体と連携して外国籍の子どもの支援にあたっています。知事、共生社会に向けて子どものための横断連携チームなどを確立してはいかがでしょうか?

先ほど、県の国際交流協会の体制強化を求めました。

東京都中野区では、国際交流協会の中に、子ども・保護者・学校・自治体・NPOなどの橋渡し役である多文化キッズコーディネーターが配置され、外国籍の子どもの困りごとの相談に応じています。

東京都は多文化キッズコーディネーター設置支援事業で、自治体を支援していますが、本県も市町村などに独自に多文化キッズコーディネーターを配置できるよう、財政支援をすべきです。以上、知事ご答弁を求めます。