私立保育園連盟のみなさんと懇談ー9保育所の生の姿から

 日本共産党の伊藤はつみ県議、伊藤岳参院議員は1月15日、埼玉県三郷市内の保育園で埼玉県私立保育園連盟の人たちと懇談しました。深川智加・三郷市議らも出席しました。

公定価格の引き下げが? 

保育の公定価格の基準となる、国家公務員の地域手当の級地区分を市町村単位から原則都道府単位にする「大くくり化」で、埼玉県では級地引き下げとなる自治体が多くあります。

 来年度の級地区分見直しは見送られたものの、実施されれば東京都との格差が一層大きくなり、保育士確保が困難になると、保育関係者から批判の声があがっています。

20年働いた保育士が東京に転職

 懇談では、私立保育園連盟に加盟する県内の保育園の園長らが、「保育士は給料が低いからと、ほかの業種に転職してしまう職員がいる」「東京の保育園の方が月10万円近く給料が高いからと、約20年働いた職員が辞めてしまった」と実態を告発。「地域間で格差があるのは、子どもたちにとっても不平等だ」「もっと保育に予算を使ってほしい」と訴えました。

そのほか、「実習生が8人きても、就職はしてくれない。保育士になることを親が反対する時代」「紹介事業者に紹介してもらったら大変な金額がかかって、大赤字となった」「母子家庭の保育士が『ごめんなさい』と言いながら東京に転職」「男性の保育士が家族のためと東京に転職」「看護師になるとやめていった」「新卒は3年ぐらいとれていない。保育士養成校にそもそもこない」どの先生からもせつせつと訴えがありました。

 伊藤岳氏は、「保育の現場を崩壊させかねない大問題だ」と指摘。「国の保育予算を思い切って増やす必要がある。聞いた話を国会論戦に反映したい」と応じました。
この日参加した保育所は、寄居町、小川町、所沢市、戸田市 鴻巣市、加須市、三郷市、朝霞市などから9園。遠くから駆けつけていただきました。ありがとうございます。

   北部では大幅な定員割れが

寄居町など北部地域では、少子化により定員割れがひどく定員減も行われています。配置基準の見直しなどが求められます。それに加え公定価格が県内でもっとも低くいわゆる「その他地域」(地域手当がゼロ)です。今回公定価格見直しが見送られたことは、重要ですが、一方でこのような地域の公定価格が大きく抑えられている状況の改善は求められます。

   1歳児の配置基準見直しに条件をつけるな

保育士の配置基準については、厚労省は1歳児の、児童6人に対し保育士1人という配置基準を見直し児童5人に1人とします。ところが、ここに「業務においてICTの活用を進めている」「職員の平均経験年数が10年以上」などの条件を新たに付しています。私保連の皆さんによると「配置基準にこのような条件をつけたのは初めてだ」とのこと。どのような保育所でも1歳児の配置基準見直しは切実です。条件は付けるべきではありません。