12月定例会が閉会しました。

本日12月定例会は閉会し、城下団長が談話を公表しました。

 

記者発表

2023年12月22日

日本共産党埼玉県議会議員団 団長 城下のり子

12月定例会を振り返って

一、12月22日埼玉県議会は、3件の令和5年度一般会計補正予算はじめ33件の知事提出議案と、意見書・決議案など14件の議員提出議案を可決、同意、認定して閉会しました。

一、埼玉県一般会計補正予算(第3号)は、補正額9688万1千円で、主な内容は高温などによる水稲及び大豆の被害について、次期作の種苗・肥料の購入費用への支援を行う市町村に対して補助を行うものです。規格外となった水稲のみへの支援であり、等級低下や収量減に対応していませんが、前進面を評価し賛成しました。第4号は人事委員会意見に基づき職員給与・手当を増額するもので、賛成しました。第5号は国の経済対策に基づく114億9700万円の補正ですが、物価高騰の影響を受ける生活者・事業者に対する緊急支援などで、賛成しました。

一、令和4年度一般会計・公営企業会計決算について、党県議団は、令和4年度予算に対し、児童相談所・一時保護所の整備や特別支援学校の新設や増築などを評価し、賛成をしていましたが、決算特別委員会における審査の結果、看過できない問題点が明らかとなり、あえて不認定としました。

第1は、県民の厳しい暮らしに心を寄せるどころか、もっとも困窮を極めている方々への冷たい対応が明らかとなったことです。まず、第2期埼玉県国民健康保険運営方針のもと、市町村の一般会計繰り入れ解消をすすめるとともに、一人当たりの保険税必要額を6134円ひき上げたことによって、22自治体の保険税が引き上げとなりました。また、県営住宅の平均応募倍率が2.8倍であるのに、5069戸もの空き室を出しています。

第2は、市町村の意見に全く耳を傾けず、結論を押し付ける県立高校統廃合の手法が地方自治の主旨に反しているからです。県教委は鳩山町議会の反対の意見書に対して、なんらの対応もせず、鳩山町は現在にいたっても新校準備委員会に参加しておりません。

第3は、「パートナーシップ・ファミリーシップ制度」について検討着手すらされておらず、性の多様性尊重条例が円滑に執行されていないからです。

第4は、令和3年度に月200時間以上の時間外勤務を行った職員は14人、令和4年度は13人というように、民間企業には許されていない過酷な職員の長時間勤務が野放しにされ、一向に改善の兆しもないからです。

公営企業会計決算について。第1に下水道料金の引き上げに連動しかねない下水道維持管理負担金の引き上げが古利根川流域で行われたこと、第2に企業局経営5か年計画の水道用水の財政シュミレーションの中で示しているイメージが、水道料金引き上げへの世論を誘導するものだとして、党県議団は撤回を求めてきましたが、撤回されていないことから不認定としました。

一、「埼玉県手数料条例の一部を改正する条例」について、今現在も石油コンビナートや化学工場について事業者任せとなっている自主保安を、さらに推し進める法改定に基づく条例整備であり、直近10年間の法令違反が400件以上もあり、爆発による死亡事故も発生していることから賛成できませんでした。

荒川左岸北部流域下水道の維持管理負担金と利根川右岸流域下水道の維持管理負担金について、県民の生活が苦しい中、この値上げが各自治体の料金の引き上げに繋がること、今回の改定で単価が高い利根川右岸と単価が低い荒川右岸負担金格差が3 倍にもなり、流域間格差がさらに増大していることから反対しました

一、山﨑すなお県議が初の一般質問を行いました。県立高校のエアコン設置・更新・維持管理費が保護者負担となっていることから、県負担とするよう求めました。教育長ははじめ「検討する」と答弁しましたが、山﨑県議の再度、再再度の追求によって「必要な財源の見通しが立ち次第、速やかに公費負担に着手できるよう、検討してまいります。」と答弁しました。

保育士不足も深刻です。保育士がいないために定員通り子どもを受け入れられない保育所が多数生まれています。山﨑県議は、県内、県外の保育士養成学校に部長も足を運び保育士を確保することをもとめ、部長は検討を約束しました。

国民健康保険税について、保険税率統一のために市町村の一般会計からの支援を全廃する方針によって、国保税の引き上げが53自治体で行われています。山﨑県議は「高い保険税で統一されるなら被保険者にメリットはない」と指摘しました。これに対して、知事が「統一により、被保険者の負担が増減することはある」と下がる自治体があるかの答弁をしました。城下のり子県議がその後の福祉保健医療委員会で確認したところ「令和12年度の統一の際に、保険税減はありうるが、現在からみれば医療費の増と一般会計繰り入れの廃止によって保険税はあがる」と保険税が引きがっていく見通しを答弁しました。

一、32208人から提出された「2023年度ゆきとどいた教育をすすめるための請願」は、自民・公明・県民、民主・維新らの反対によって不採択とされました。27447人から提出された「教育費負担の公私間格差をなくし,こどもたちにゆきとどいた教育をもとめる私学助成についての請願」も同じく不採択とされました。「特別支援学校を新設する際の国庫補助の大幅な増額について」は自民・公明・維新らの反対によって不採択となりました。31団体2873人から提出された「女性など家族従事者の働きを認めない所得税法第56条の廃止を求める請願」は自民・公明・県民・維新によって不採択となりました。党県議団は、本会議で請願に対する討論を行うよう求めましたが、自民党によって討論は認められませんでした。                        

以上