県もスフィア基準に基づく避難所の充実、市町村水道の技術者確保に力をつくすべき―五か年特別委員会

10月29日、五か年計画特別委員会が開かれ、政策1「災害や危機に強い体制を構築する」と政策2「暮らしの安全・安心を確保する」について審議が行われ、伊藤はつみ県議が質疑を行いました。

政策1では避難所の整備の拡充、感染症病床の基準についてなどを取り上げました。

熊本地震では一時避難所に多数の被災者が集中し、その環境の過酷さが報道されました。そこで伊藤県議は「スフィア基準では一人あたりの面積を3.5平米としている。県として各市町村が一人あたりのスペースをどれくらいとして避難所の定員を定めているのか」と質問。危機管理防災部の担当者は「最大避難者から想定してスフィア基準を満たしている市町村は27ある」と答えました。さらに伊藤県議は「県としてトイレカー保有や段ボールベッドのさらなる備蓄が必要。進める考えはあるか」と質問。担当者は「トイレカーは維持費が高い。段ボールベッドは1万1000台は備蓄しているが、しっけに弱いことからさらなる備蓄は難しい。民間と協定を結び、発災時には届けてもらうようにしている」と答えました。
災害関連死を防ぐために避難所の整備をさらに進めていく必要があります。

感染症病床の確保について県は85床の整備を進めています。現在79床を確保しており、伊藤県議は今後の見通しについて聞きました。保健医療部の担当者は「今年度(2026年度)に2床、来年年度に1床、残り3床も医療機関から前向きな回答をもらっています」と回答。

そもそも85床の目標とさている感染症病床については1999年の感染症法創設時に厚労省が感染症指定医療機関の指定基準を示したもので、今年7月厚労省が「新型コロナウイルス感染症対応の経験等を踏まえて見直しを行う必要がある」と述べています。そこで伊藤県議は見直す考えについて聞きました。担当者は「厚労省が見直しを検討していることは承知しています。厚労省から示されたら検討します」と答えました。
新型コロナ感染症の蔓延時は医療機関にコロナ病床の確保を要請し、病床はどんどん確保されました。しかしそれでも入院できず、自宅で亡くなる方も出ました。感染症がまた流行する可能性はあります。見直しを行い、備えが必要です。

政策2「暮らしの安全・安心を確保する」では消費者被害の防止のため、相談体制について、安全な水の安定供給について求めました。
県は2020年、消費生活センターの4カ所のうち川越センターと春日部センターを廃止しました。その理由が「市町村の相談体制が整ったから」というものでした。しかし、県内各地で相談員が確保できず、広域化・共同化が進んでおり、伊藤県議は「これで体制の充実といえるのか」と県の担当者に迫りました。県の担当者は「県と市町村は役割を分担しています。市町村が近隣市町村と連携を取っており、体制が弱まっているとの指摘は当たらない」と言いました。

県の相談窓口には2025年度は1万1789件の相談が寄せられました。前年度と比較し、1015件も増加しています。相談体制の充実が必要です。

安全な水の安定供給と良好な水環境の確保に関わって、民間委託の問題について聞きました。
五か年計画では「多様な官民連携による組織体制の強化」が盛り込まれています。宮城県では全国に先がけて2022年上水、工業用水、下水の水道3分野の20年間の運営権を民間企業に一括で売却しました。民間企業は民営化以前に県が設置した機械装置類を使って利益を上げています。宮城県の党県議は「老朽化した機械装置類などの更新はしなければしないほど企業がもうかる。安全軽視が構造的に組み込まれた仕組み」と指摘していることを紹介し、「官民連携はやめるべき」と求めました。

企業局の担当者「民間は高度な技術を持っています。官民連携には点検のみ委託するなど個別事業の委託もあります。検討していきます」と答えました。

さらに伊藤県議は「市町村の水道事業において56事業所・組合のうち技術職員がいないところが6事業所ある。空白は大問題。県として支援すべきではないですか」と求めました。県は「国庫補助を案内して活用するよう促したり、研修会を行っています。広域化も有効な手段」と答えるのみでした。

これで安全な水を安定供給することは本当にできるのか疑問です。