12月定例会を振り返って

12月定例会の閉会後大野知事があいさつにきました。

柳下礼子団長は、12月定例会閉会にあたって、以下の談話を公表しました。

本定例会は、2本の埼玉県一般会計補正予算、埼玉県5か年計画、令和2年度一般会計決算をはじめとする知事提出議案35件と9件の意見書・決議など議員提出議案が可決・同意・認定され、本日閉会した。

約105億円あまりの一般会計補正予算など新型コロナ感染症対策予算

一、定例会冒頭に約105億円あまりの一般会計・特別会計補正予算が提出され、その後約383億円の一般会計補正予算が提出された。主な内容は介護・障害者施設における新型コロナウイルス感染症対策の継続や、観光応援キャンペーンや農産物販売促進キャンペーンを通じた観光業者や農業生産事業者支援、「ワクチン・検査パッケージ」等のため必要な無料PCR検査・抗原定性検査の実施、生活福祉資金特例貸付の受付期間を年度末まで延長することに伴う助成などである。全会一致で可決した。

令和2年度決算を認定

一、令和2年度埼玉県の一般会計、特別会計、県公営企業会計決算の認定について、党県議団は賛成とした。守屋裕子県議は、決算特別委員会の場で賛成討論を行い「非常事態の連続の中で知事と職員ともに全力で対処してきたこと」や「特別支援学校の教室不足・過密解消を進めるために、特別支援学校の建設工事や校舎増築の実施設計など行い、児童虐待に対応するために一時保護所の新設準備など行ったことを評価する」一方で、「職員の待遇悪化やサービス切り捨てにつながりかねない県立4病院の地方独立行政法人化の準備予算や、個人情報が集約され、流出する危険のあるマイナンバーによる情報連携など懸念するものもある」と指摘し「今回の我が党の一般質問で病院局の地方独立行政法人化に伴い全体で医師87名、看護師84名の増員となったことが明らかとなった。マイナンバーは国が推し進めていることであり、国に対し見直しを今後も要望していく」と述べた。

下水道負担金の引き上げに反対

一、議案「古利根川流域下水道の維持管理に要する経費の関係2市の負担額について」は下水道負担金の引き上げとなることから党県議団は反対とした。審議された県土・都市整備委員会で守屋裕子県議は、「加須市・久喜市の下水道負担金を㎥当たり4円引き上げるものであり、久喜市からは反対の声もある。現在の下水道負担金のしくみでは、維持管理費の引き上げに対応するには下水道普及率を引き上げるしかない。運営費の上昇分を流域2市に求めるやり方では、流域間格差解消につながらない。流域間格差をなくし全県統一料金を実現するための県の積極的な取り組みを求めたい」と討論した。

県5か年計画・自民修正案に賛成

一、知事提出議案「埼玉県5か年計画の策定及び埼玉県防犯のまちづくり推進計画等の変更について」と自民党提出の修正案について、党県議団は賛成した。知事提出の「5か年計画修正案を除く部分」に対し、秋山もえ県議は「今回提案された5か年計画案は、埼玉版SDGsを掲げ、性的マイノリティーLGBTQに関する理解増進や多様性について重視していることや気候危機に立ち向かうため、2050カーボンニュートラルの方向性や再生可能エネルギーの普及拡大を位置付けている」と評価。一方「教育分野には、全国学力学習状況調査・埼玉県学力学習状況調査の指標など児童・生徒を単一的な物差しで競争させ、多様性を失わせる数値目標が散見されること、また国の直轄事業に従い、巨額の負担金を支出し続ける施策もあり」「全体に対する評価により議案には賛成とするが、私たちは教育の分野に対し、教員体制の強化や少人数学級、特別支援学校の整備など教育環境の整備を求めていく。国の直轄事業負担金について見直しを国に対し求めていく」と討論した。自民党修正案については、多様性重視をより進める内容であったことから討論なしの賛成とした。

意見書・決議案で粘り強い修正協議

一、7本の意見書・決議案が議会運営委員会から共同提案された。「北朝鮮による拉致問題に対する理解を深めるための取り組みのさらなる推進等を求める決議」について、学校での取り組みの推進を決議することは、教育への介入となりかねない一方で、拉致問題の解決は重要であることから、粘りづよい修正の努力が行われ、最終的に全会派一致となったことは評価できる。

秋山文和・前原かづえ県議2人が一般質問

一、党県議団から、秋山文和県議と前原かづえ県議が一般質問を行った。

秋山県議は、コロナ禍第5波の反省をもとに、国に従って埼玉県がすすめている急性期病床削減計画や公立公的統廃合計画の撤回を強く求めた。県は撤回は認めないながら、病床削減については「制度上の課題について国に継続して働き掛ける」、公立公的病院の「統廃合さきにありきではない」などの答弁を引き出した。また、児童養護施設などの施設内虐待を防ぐために大分県視察も行い「児童アドボケイト(代弁者)」制度の導入を強くもとめ、福祉部長は検討を約束した。

前原県議は、コロナ禍で深刻な影響を受けている医療労働者、コメ農家、芸術・文化関係者への支援を求めた。特に米価が暴落し、農業離れが加速しかねない事態に加須市や春日部市など県内7市2町が助成を決定していることを紹介し、県としての助成制度実施を迫った。また小中学校・特別支援学校の教員未配置・未補充(退職や産育休・病休の代員が決まっていないこと)が昨年より激増したことを取り上げ、早急な解決を求めた。教育長は前年に引き続き「重大な問題であると受け止めており、今年度新たに、市町村支援部副部長をトップとして、局内関係職員をメンバーとする対策検討チームを立ち上げ、教育局を挙げて横断的に対策を 検討している」と決意表明した。

県民の多数の署名付き請願、不採択に

一、県民より、私学助成運営費助成の増額などを求める請願が3万2千筆余りの署名とともに、また少人数学級や教員の増員を求める請願が3万6千筆余りの署名とともに、家族専従者の働き分を認めない所得税法第56条の廃止を求める請願が38団体1613筆の署名とともに提出された。いずれも不採択となり、党県議団は本会議討論を求めたが認められなかった。

一、予算特別委員会が召集され、党県議団からは村岡正嗣県議と秋山もえ県議が参加した。