「ここがなくなれば家族が崩れる」医療的ケア児の施設を守ってと3473筆署名提出

1月21日、所沢市の医療的ケア児の保護者でつくるガーベラの会のみなさんが、「医療的ケア児に対する支援拡充に関する要望書」を3473筆の署名とともに埼玉県に提出しました。

2024年、埼玉県が日中一時支援事業の医療的ケア児のための支援補助金を改変しました。そのため現在会のみなさんのお子さんが通っている日中一時支援施設が、療育時間を8時間から4時間に短縮すると保護者に通達しています。この施設は土曜日・日曜日・祝日も8時間の療育を行っていることから、県の補助制度を継続してほしいと保護者たちは要望しています。

8時間見てくれるこの施設ができてはじめて「ひとになれた」と思った

保護者達は

「土日・祝日預かってくれるこの施設が本当に貴重。医療的ケアのあるこの子の兄弟が具合悪くなった時、この子をほっておくことはできない。兄弟児に負担がかかってる。この施設のおかげで兄弟と向き合う時間つくれている」

「人工呼吸器がついているから受け入れられないと、いろいろな施設に言われ続けた。兄弟がいるけれど、この子も発達障害児。こちらにも力を注がなければならない。ここがなくなると生活が崩れる。家族が崩れる」

「この施設のおかげで、兄弟の運動会に出られるようになった。どうして補助を削減するのか。障害児が生まれると、どうして親だけの責任にするのか 上の子に手をかけてあげられないのが悲しい」

「次男が医療的ケア児。長男が知的障害児。放課後デイでは6時間しかみてくれない。これでは仕事ができない。普通に生きていて医療的ケア児が生まれたら普通の生活ができなくなる。ある通所施設では2年間母子分離ができなかった。朝から子どもと療育で、夜ねていないため眠くて眠くてたまらなかったし、食事も食べられない。8時間見てくれるこの施設ができて初めて『人になれた』」

このように切々と訴えました。

県福祉部障害児支援課長は「医療的ケア児への支援について、アンケート調査をしたうえで、短時間しか療育していない施設がほとんどだったので、8時間の場合は削減せず、4時間の場合は半額にするなどとした。8時間ならかわらないはず」と説明しました。

保護者の声を持って聞いてほしいー城下県議

城下県議は

「8時間以上の療育をもとめている保護者の気持ちを受け止めてほしい。そういう長時間の施設を応援してほしい。施設のアンケートは必要だが、保護者の声をもっときいてほしい」と語りました。

署名を受け取った岸田正寿福祉部副部長は

「医療的ケア児にはさまざまな症状、家族もさまざまであり、フレキシブルな支援制度を作っていきたいが、まだまだ不十分がある。当事者の声を聴いていきたい」と語りました。