国民の財産“たね”を守ろうー秋山県議「多国籍企業に種子市場が支配される懸念」

3月14日、埼玉県議会・予算特別委員会(農林部審査)で日本共産党の秋山文和県議は、国が種子の安定的な生産・普及を都道府県に義務付けていた主要農産物種子法(種子法)廃止後の県の対応について質問しました。

日本の種子の技術や市場を民間企業に明け渡す可能性が

秋山県議は「自公政権によって突如として種子法が廃止させられた(廃止は今月末)」「種子法の廃止によって、農業団体などから低価格で優れた公共の種子が安定的に供給されなくなるとの不安の声が広がっている」と述べました。

さらに「都道府県が積み上げた技術やノウハウを民間企業に明け渡し、日本の種子市場が遺伝子組み換え作物の種子で有名な多国籍企業に支配される懸念がある」「民間企業の種子の価格は、都道府県の開発品種の5~10倍の価格、公共の品種がなくなれば、採算があわず、撤退する農家もうまれるのではないか」と指摘し「公共の種子は県民の財産であり、今後も県が責任もって種子の安定的な供給を行うためには条例制定が不可欠ではないか」と県の認識を質しました。

県は「県内の生産者のために種子の生産・供給はしっかりしていく。今まで通りの価格を守っていく」「要綱を作って、今まで通りに取り組むが、条例化も一つの案だ」と答弁しました。

農業の生産力・品質向上のために人材の確保は必須

次に秋山県議は農業研究機関の人員問題を取り上げました。

「平成19年には、県の農業研究機関は1センターと6研究所だったものが、現在は農業技術研究センター、茶業研究所、水産研究所、森林研究室の1センターの2研究所、1研究室に縮小されている」「研究員定数も平成19年に130人だったが、研究機関の整理統合のなかで不補充が進み、来年度は86人となり、44人もの大幅な減少となっている」と深刻な現状を述べました。

その上で県産イチゴの研究を20年前に休止してしまい、現在は他県のイチゴに市場が奪われている事実を挙げ、「研究員を減らすということは品種改良やオリジナル品種の開発に悪い影響を及ぼす」「もし研究を続けていれば県産イチゴの『あまりん』はもっと全国に流通していた」として定員増による研究体制の拡充を県に求めました。

これに対し、県は「品種改良や生産性の向上と競争力も確保しながら進めるために、体制を整えていきたい」と答弁しました。【議事録】農林部・予特180314

民間老朽マンション再生に県支援を

3月16日、予算特別委員会(都市整備部審査)で、秋山県議は老朽マンション問題について質問しました。

「築年数の古い分譲マンションでは建物の老朽化と居住者の高齢化が同時進行している」「こうしたマンションの老朽対策とバリアフリー化は地域ケアシステム構築の上でも、また障害を持っても高齢になっても安心して住み続けるためには避けて通れない課題」と強調しました。

さらに「国は、分譲マンションに後付エレベーター設置と耐震化工事への支援施策として、優良建築物等整備事業を実施している」「国、地方自治体、マンション管理組合が各々1/3費用負担する仕組みで県、市町が補助事業として導入する事が必要」と質しました。

県は「分譲マンションは私有財産で、自助努力が基本」として事業化は難しいと答弁しました。

【議事録】都市整備部・予特180316