県議は6月25日一般質問し、医療的ケア児の保護者支援や訪問介護事業所の支援を取り上げました。
保護者の心の支え=ショートステイ拡充を
多くの医療的ケア児の保護者の介護負担は重く、特に人工呼吸器の子や歩きまわることのできる子は、預かる施設がいまだになく、保護者は病気になっても入院すらできない状態です。在宅の保護者にとって、突然の出来事に対応する短期入所=ショートステイは欠かせない施設です。
県立施設嵐山郷でこそ、先頭にたってショートステイを
城下県議は「県内ではゼロ歳から3歳までのショートステイは、カルガモの家とカリヨンの杜しかない」として「ゼロ歳からあずかる医療型短期入所施設を増やしていただきたい」と要求。大野元裕知事は「今後3歳未満児の受け入れ実績のある施設から、ノウハウや知識、経験を会議や研修などの場を通じて他の施設に提供していただき」受け入れが進むよう働きかけると答弁しました。城下県議は、「県立施設である嵐山郷のショートステイではゼロ歳から3歳までの受け入れを進めるべきでは」と再質問し、知事は「嵐山郷は民間で困難な障害児を受け入れるという県立施設の役割を積極的に果たす必要がある」として「今後3歳未満児の受け入れ体制を整える」と答弁しました。
医ケア児コーディネーター研修 希望者全員受け入れる
2021年医療的ケア児と家族のための法律が施行され、県支援センターと4か所の地域支援センターが設置され、市町村では医療的ケア児等の支援を総合
調整する「医療的ケア児等コーディネーター」を配置していくことになります。城下県議は「所沢市はコーディネーターをさらに積極的に育成し、各方面に配置し連携を強めたいと考えているが、コーディネーター研修には定員があり、昨年度は1人断られた」と指摘。昨年度、県の研修定員は50名に対し、応募者は76人でした。城下県議は「コーディネーター研修は応募者全員を受け入れていただきたい」と質問しました。これに対し福祉部長は「今年度は研修回数を増やすなどにより、希望する方が受講できるよう対応する」と答弁しました。
訪問介護報酬削減で407万円強の減収
訪問介護報酬が削減となり、県内に4事業所をもつ法人の場合、あわせて月34万円の減収で、このまま減収が続けば年間407万9千円の減収となります。
城下県議は「介護報酬引き下げが、県内訪問介護事業所にどのような影響を与えているのか把握すべき」と迫り、知事は「介護事業所数は3月末時点で1487事業所であったものが4月末1484、5月末1487となっている」と3事業所が撤退していることを明らかにしました。しかし、5年間では事業所数は77増加しているとして現時点ではこの傾向に変化はないと楽観視。一方で「県内の事業者からは今後小規模事業者の撤退や交通不便地でのサービス縮小など懸念があると聞いている」として、今後も声を聴いていくと答弁しました。城下県議は「事業所閉鎖などいち早くつかむべきだ」と指摘しました。
介護職員確保のため処遇改善費を
訪問介護事業所はどこでも職員不足で悩んでいます。東京都と千葉県流山市と三郷市八潮市に事業所をもつ法人の場合、東京都では1万円の処遇改善費が支給され、流山市では月額9000円の独自補助が行われており、同じ法人の事業所でも給与が違うという事態が起こっています。城下県議は、再質問も含めて、県として介護職員給与への処遇改善費上乗せを強く求めました。大野知事は「(東京都の独自処遇改善は)豊富な財政力を背景にしたもの、このような自治体の財政事情により処遇の差が生じることは好ましいことではなく、国において適切な処置が図られるべき」とあくまで県としての処遇改善に背を向けました。