ひとり一人を大切に~小規模特認校・名栗小学校の取り組み

8月19日城下のり子県議、伊藤はつみ県議は小規模特認校である名栗小学校を視察するとともに、飯能市教育委員会からも小規模特認校制度について話を聞きました。



小規模特認校制度とは一定の条件のもと、通常の通学区域ではない区域からも通学できる制度で、特色ある教育活動を行っています。
飯能市内には名栗小学校のほかに飯能第二小学校、奥武蔵小学校、奥武蔵中学校があります。

名栗小学校の校舎を入ると木の香りがただよってきます。地元の方がつくった木彫りとステンドグラスのすてきなオブジェがお出迎えしてくれました。
名栗小学校の7月現在の在籍数は60名。2学期からは2名増えて62名になります。そのうち移住してきた児童は19名、学区外からの通学は30名です。

校長先生は「小規模特認校ではあるけれど、公立学校なので何か特別なカリキュラムがあるわけではありません。授業も普通ある。」といいます。でも話を聞いていくと少人数だからこそ一人ひとりに寄り添っていることを感じます。「子どもがこれをしたいと言ったら、できるだけそれをかなえる。流しそうめん、焼き芋大会、遠足や運動会などの決まった行事とは別に子どもたちの希望でやっています。ある子はダンスをやっていて、『運動会の出し物とは別に自分のダンスを披露する時間を作ってほしい』と言ってきました。『だったら運動会担当の先生にしっかりプレゼンして、相談してみな』と言いました。プログラムはすでにあるので、どこなら入れられるか、相談し、お昼の時間にやることに。しかし、それだと本人のお昼を食べる時間が少なくなる。そのことを率直に本人伝え、本人も保護者も納得の上実現しました。教職員も含めて子どもの希望はできるだけかなえようと思っています。そうじゃなと子どもたちはやりたいことを言ってくれなくなる」と言います。

また「子ども自身の選択を大事にしている」とも言います。不登校になっている子どもの保護者にもそれは伝えます。子ども自身がどうしたいのか。保護者は時に「子どもに聞いてもわからない」と言います。「『だったらそのままに。選択できないその子をそのまま受け入れるのだ』と伝えています。うちの学校への入学を検討していて見に来る児童とその保護者がいますが、そのときも子どもが「通いたい」と言うなら、すべて受け入れています」と話されていました。

また保護者にも丁寧に寄り添っていることも感じました。
不登校になり、移住してきたり、学区外から通っている子もいます。「不登校を経験している子どもの保護者は孤独です。そうした保護者には『何もなくても学校にお茶のみにおいで。話を聞くよ』と声をかけています。子どもが学校に来れていなくても話をしに保護者が来る。わーと校長室で泣いていく保護者もいる。特別な措置はしていないと先ほど話しましたが、そうした保護者に対し、意識してやっていることはあります。それは保護者同士をつなげること。『Aさんていう方がこの後、学校に来るから、つなげるから来ない?お茶のもうよ』など、つなげることを意識してやっています。教員はあくまで保護者にとっては教員で『先生はそう言うけど、それは先生だから言えることだよね』と言われる。保護者同士でつながると『いま、そこね。私も通ってきた道だよ。私はいまここだよ』と、孤独に陥らなくていい」と語っておられました。

子どもの意思を大事にし、子どもの希望を最大限かなえ、保護者にも寄り添う。それは学校教育目標「オンリーワン すべての人の権利が守られる学校づくり」に表れており、小規模学校だからできることだと感じました。

ごろごろするスペースがあり、子どもたちと先生による手作り装飾もあるあたたかみある図書室

午後は飯能市教育委員会の方から小規模特認校導入の経緯などについて説明を受けました。
「山間地の児童生徒数の減少に伴い複式学級が増加。教員は複数の学年の授業準備を行わなければならず、負担があるなどのことから、複式学級を解消したいと考えていた。当時、統廃合するという意見もあったようだが、統廃合ではなく、山間地という自然環境を生かした教育、小規模校ならでは一人ひとりを大切にした教育をすすめようと小規模特認校制度の導入を決めた」とのことでした。

「小規模特認校として国や県からの補助があるわけではないものの、県からは非常勤の加配を認めてもらっている。
市としては学区外から通う子どもたちのために公共交通機関を使った通学について補助を単独で行っている。予算の上限枠があるが、現在のところ全額補助できている」