技術を身につけた人材を育てることで日本のものづくりを支える―中央高等技術専門校を視察

高等技術専門校は職業能力開発促進法に基づき、県が設置している職業能力開発施設です。高等学校などを卒業して新たに就職しようとする方や、仕事を探している方などに、就職に必要な知識や技能を習得してもらうために実技を中心に職業訓練を実施しています。

県内には中央校(上尾市)、春日部校、川口校、川越校、熊谷校そして熊谷校の分校である秩父校、さいたま市には職業能力開発センターがあります。

1月28日、村岡正嗣県議、秋山文和県議、前原かづえ県議、秋山もえ県議が中央高等技術専門校を視察しました。

中央高等技術専門校には、機械制御システム科、情報制御システム科、空調システム科があり、総定員数は150人です。

機械制御システム科では図面を読んで機械を操作し加工を行う知識と技術を身につけます。

機械制御システム科ではこのようなものも作ります。

情報制御システム科は電子回路の設計作成やプログラミングなどを学びます。

情報制御システム科では卒業制作作業中。プログラミングをしていました。

空調システム科は冷凍・空調機設備の工事・点検・修理の技術を身につけます。

地中熱を利用しての空調システムについても学んでいます。その説明を受けました。

中央高等技術専門校では就職率100%(9年連続)、正社員としての就職率も100%(4年連続)を誇っているとのこと。

しかし、そうした実績があるにもかかわらず、高等技術専門校の倍率は下がっています。「お金に余裕のある人は大学へ進学する。高校生の大学への進学率があがれば上がるほど高等技術専門校への入学希望者が減っていっているのが現状」とのことでした。

背景には若い人の中で、つきたい職業として思い浮かばないということがあります。現場でも人材不足が深刻です。そのまま放置すれば、日本のものづくりがだめになってしまいます。

高等技術専門校は現場で必要な技術を身につけた人材を育てることで日本のものづくりを支えるという意義を持っているのだと感じました。

また「生徒からは『ここに入れて本当によかった』と言ってもらったこともある。非常にうれしかった。ここに入ってくる子は劣等感をもって入ってくる。しかし国家資格を取る中で目つきが変わってくる」との話も聞きました。

民間の専門学校等もありますが、公的だからこそ、日本のものづくりを支えるという目的を貫くことができるのだと感じました。懇談の中では希望者を増やすためにはもっと魅力を打ち出していく、認知してもらうことが必要ではないかとの話にもなりました。