まち・ひと・しごと創生総合戦略策定ー子育て支援と正規雇用を

まち・ひと・しごと創生総合戦略素案の公表、特別委員会の設置

2015年10月にまち・ひと・しごと創生法に基づき、県の「まち・ひと・しごと創生総合戦略素案」が公表された。県議会は、まち・ひと・しごと創生総合戦略特別委員会を設置し閉会中から審査を始めた。党県議団からは柳下県議が特別委員として審議に参加した。

党県議団は、11月にこの素案に対する修正提案を特別委員会に提出した。(全文は下)

12月定例会では、この素案をもとに、修正が行われた「埼玉県まち・ひと・しごと創生総合戦略」が提出されたが、「今定例会の日程では、議案の審査に必要な時間が十分にとれないことから継続審査とすべき」との動議が自民党から提出され、自公の賛成で可決された。閉会中に特別委員会で5回も審査が行われており、この戦略は、保育所整備や特別養護老人ホームの整備目標などに不十分さはあるが、交付金の執行などにもかかわることから党県議団は直ちに可決すべきだとして、継続審査に反対した。

自民党が修正案提出

2016年2月定例会に、県の「まち・ひと・しごと創生総合戦略の策定」について、自民党県議団から修正案が提出された。

提出された修正案は、圏央道など高速道路インターチェンジ周辺の開発や企業誘致について、農業遺産の保存や環境への配慮について確認したうえで「県内大学新規卒業者に占める不安定雇用者の割合の減少」などわが党の修正提案を取り入れていることを評価し賛成した。(3月18日自民・公明・共産の賛成で修正案可決)

 

「埼玉県まち・ひと・しごと創生総合戦略(素案)」に対する修正案

2015年11月16日日本共産党埼玉県議会議員団

団長 柳下礼子

本素案は、「基本的な考え方」(P15)によると「今後10年さらには50年後の人口の構造的な変化の見通しを」しめし、「今後5年間(2015年から2019年まで)で推進すべき取り組みについて」、体系化して示すものである。

現状での転入超過のもと、1.31という出生率が続いた場合、2060年の本県の人口は550万人台となるなどの見通しが示され、課題提起がなされている。

 

以下の修正提案を行うものである。

基本目標1「県内における安定した雇用を創出する」

①素案P21保育所受け入れ枠 110152人(平成31年末)を「少なくとも13万人とする」

厚労省の「少子化社会対策白書」平成27年版調査によると、若者が結婚できない理由の第1は「低所得」であり、出産・子育てに感じる困難の第1は「経済的負担」第2位「仕事との両立」である。日本の若年層の低所得、子育てしづらい現状が、少子化を進行させている中心要因である。埼玉県としては、この問題の深刻さを正面から受け止め、対策を講ずるべきである。保育所受け入れ枠 110152人という目標は、平成25年に比較して1万7千人分の枠をつくるというものである。 27年度埼玉県の認可保育所を希望して入所できなかったのは6200人強である。また埼玉県の対象児童の、保育所入所率は26%であるが、これを仮に30%にするなら、14000人分を作る必要がある。合計すると2万人分以上の保育所受け入れ枠を拡大する必要がある。

 

基本目標1「県内における安定した雇用を創出する」

P21の重要業績評価指標に①②を加える。

①公契約条例を制定する

②住宅リフォーム助成制度を県として創設

誘致型の産業振興策が優先され、県内産業とくに中小企業の振興に対する目標が不十分である

県内中小企業を応援育成するために、適切な公共発注を行い、小規模事業者むけの仕事を作る。

③「農業法人数 類型1125法人」を「農業従事者数の維持」とする。

地域産業振興の上で最大の問題点は農業の衰退である。さらにそれを加速するのがTPPによる関税撤廃である。おおむね合意を撤回するよう国に対して強く申し入れるべきである。また県内農業について、法人に限定せず農業をやりたい人すべてを視野に入れて支援する目標とする。

 

基本目標3「県民の結婚・出産・子育ての希望をかなえる」

①P25の重要業績評価指標の中に「県の乳幼児医療費助成の対象年齢を拡大」「給付型奨学金制度創設」「幼稚園父母負担軽減金(一般)の復活」を加える。

厚労省の「少子化社会対策白書」平成27年版調査によると、若者が結婚できない理由の第1は「低所得」であり、出産・子育てに感じる困難の第1は「経済的負担」第2位「仕事との両立」である。日本の若年層の低所得、子育てしづらい現状が、少子化を進行させている中心要因である。埼玉県としては、子育ての経済的負担を改善するために、思い切った施策拡充や創設を行うべきである。

②P25の重要業績評価指標の中に、「県内産科医・小児科医の増加。閉鎖している周産期医療機関の復活」を加える。

 

基本目標3「県民の結婚・出産・子育ての希望をかなえる」

P25重要業績評価指標に以下の①②を加える

①県内の非正規雇用の割合を低減させる。

②県職員と県教職員の臨時的任用率を半減させる。

③ブラック企業、ブラックバイトをなくす。

若年層の低所得の最大の要因である非正規雇用の正規化への取り組みが不十分である

きちんと給与を支払わないなど、若年層の低所得の原因でもあるブラック企業などを調査し、県として厳しく指導する。教育の場でも生徒たちに対応策を周知徹底する。

 

 

基本目標4「時代に合った地域をつくり安心なくらしを守る」、

①P27基本指標「要介護認定率(75歳から79歳)の低減」を削除

②P27 重要業績評価「特別養護老人ホームの整備促進」39799人を少なくとも5万人にする

特養39799人分というのは、約1万人分を整備するという数にすぎない。27年度の特養待機者が約1万2千人であることから、高齢化の進展からも少なくとも2万人分は整備する必要がある。

介護基盤の整備が不十分な中で、要介護認定の低減目標が追求されると、無理やり認定を引き下げるなどの、介護からの無理やり卒業や介護難民が生み出されかねない。