第54回市町村議会議員研修会 第一講義 豪雨災害のメカニズムとこれからの備え

4月21日、4月22日に第54回市町村議員研修会がzoomを使って行われ、参加しました。

 

4月21日午前、第54回市町村議会議員研修会 第一講義「豪雨災害のメカニズムとこれからの備え―気候変動と極端現象 人と災害の間合いを考える」が行われ、香川大学教育学部で気象学が専門の寺尾徹教授がお話をしてくださいました。

講義は

「極端現象」とは何か

降水極端現象は増加しているか

地球温暖化と降水極端現象

地球温暖化の悪影響を防ぐために

の柱で行われました。

 

【極端現象とはなにか】

極端現象とはある観測点において過去に観測された最大値に近い特定のしきい値を超える観測値が得られるような現象とされているとのこと。

例えば、2011年8月か2日から4日にかけて紀伊半島で台風12号による豪雨があり、多くの犠牲者が出ました。このとき、奈良県吉野郡上北山村は72時間で1652.5㎜の雨を観測しました。過去最大は945㎜でしたので、2倍近い雨が降ったことになり、極端現象といえます。

 

【地球温暖化の進行で災害をもたらす極端現象が増加】

寺尾教授は降水量の大小と水害被害の多さとは直接対応しない。この極端現象が災害をもたらすと言います。

2010年8月6日ごろのインド北部・ラダック地区で24時間で19.2㎜の雨を観測し、数百名の死者行方不明者を出しました。一方インド北東部メガヤラ州では年平均で1万1000㎜、1日平均600㎜から800㎜の雨が降ります。

「その土地にそれまでになかったような雨が降るとき、大きな災害が発生しやすい」「たとえ1時間あたりでは大した量でなかったとしても3日間振り続けたり、時間が短くともこれまでになかった量の雨が降れば災害が発生しやすくなる」と寺尾教授は言います。

地球温暖化の進行で極端現象を大きく増加させる可能性が高いと言います。

気象庁のデータから1時間降水量が80㎜以上の年間発生回数を調べると1976年から1986年は年平均9.9回、1987年から1997年では平均11.5回、1998年から2008年では平均18.5と増えてきています。

CO2を削減し、地球温暖化を止めることが必要です。日本は2013年比で46%を削減することを目標にしています。

 

【CO2削減のための県としての取り組みのさらなる強化を】

二酸化炭素回収し貯留するという新技術が注目れていますが、寺尾教授は「CO2を減らさなくていい理由として使われるのではないか」と指摘していました。

最後に寺尾教授は未来のためのエネルギー転換研究グループが出している「レポート2030」を紹介しました。

レポート2030では省エネ・再エネの既存技術のみで2030年に対1990年比で55%減(2013年比で61%減)、2050年に1990年比で93%減。既存技術のみでは削減が難しい分野(船舶や航空燃料、鉄鋼などの素材産業高熱利用)でも現時点では実用化されていない新技術の実用化を想定すると100%減(ゼロエミッション)が可能との見解が示されています。

2021年5月地球温暖化対策推進法が改正されました。2050年に温室効果ガス排出を0にすることが明記され、これにともない、地球温暖化対策計画が10月に閣議決定されました。

県は2022年3月に「第3期埼玉県地球温暖化対策実行計画(事務事業編)」を改正し、削減目標の引き上げ等の見直しを行い、「2030年度における県の事務事業から排出される温室効果ガス排出量を、2013年度比46%以上削減し、さらに50%の高みに向けて挑戦します」としていますが、県全体としてどうしていくのか、また実効性ある取り組みが必要です。