JA埼玉県中央会とTTP問題、農協改革で懇談

6月1日、日本共産党埼玉県議団(団長・柳下礼子)は、梅村さえ子衆議院議員、紙智子参議院議員秘書、埼玉農民連の立石昌義会長らとともにJA埼玉県中央会と懇談しました。JA埼玉の矢作俊信専務理事、永島朗常務理事、柳沢隆総務部長が応対し、農協改革や環太平洋連携協定(TPP)問題について意見交換しました。

歯に衣着せず国民、農家の声をズバッと言う共産党に感謝
梅村衆院議員はTPP反対に全力を尽くしてきた党の取り組みを紹介するとともに、農協改革については農民が主人公の立場で行われるべきだとし、農協の意見や農家の現状を見ずにトップダウンで農協「改革」を進める安倍政権を批判しました。
柳下県議は、大雪など農業被害が頻繁に起こるなか農協の果たす役割は大きいと述べ、「埼玉、日本の農業を守る立場で引き続きがんばりたい」と表明しました。
JAの矢作専務は「歯に衣着せず、農民の声、国民の声をズバッと主張していることにお礼申し上げる」とあいさつしました。

TPP反対へ、米国世論も大きく変化
TPPについて、JA役員から「TPPが喫緊の課題。アメリカ議会も山場であり、いまがたたかいの正念場」「TPP交渉への怒りをどこにぶつけたらいいのか」などの声がよせられました。
紙参院議員秘書の田井氏は、しんぶん赤旗5月12日付の記事を紹介。アメリカの地方自治体でTPP交渉や交渉妥結の前提となる権限法案に反対する決議がひろがり、アメリカ国内の世論も大きく変化しているとして、「TPP交渉を漂流させるチャンスだ」と語りました。

直売所を足がかりに農家の売り上げ増めざす
農家の所得増を名目にJA全中の指導・監査権能をなくそうとする安倍政権の農協「改革」については、JA役員から「農協『改革』がJAの現状から出発して議論されていないのではないか」「うがった見方をすればTPP反対でがんばるJA中央会の権限を弱くしようという意図が感じられる」「準組合員の規制が実施されれば、県内のほとんどの農協が赤字となり、つぶれてしまう」など厳しい意見が相次ぎました。
JA埼玉の自己改革の努力にかかわり、柳下県議が県内に広がる農作物直売所がJAと地域の人たちをすごく密着したものにしていると話すと、矢作専務も、県と一緒に全県に約100か所ある直売所を足がかりに農家の売り上げ増につなげていると応じました。
農民連の立石会長は、「雪害のときお金を貸してくれたのはJAだけ。農協がなかったらどうなっていたか」との農家の声を紹介。それを受け、矢作専務は「つなぎ資金としてJAが農家に貸し出した無利子融資の残高は50億円。利子分の財源は農協事業による利益などであり、政府の「改革」はそれを制限しようとしている」と批判しました。

「協調できるところはいっしょにやりたい」
最後に永島常務があいさつし、「なかなか共産党との懇談の機会はなかったが、紙議員の国会論戦は私たちJAの主張とすごく近い。協調してできるところは一緒にやっていきたい」と述べました。