「香害」への取り組みと今後〜香害のはなし②〜

前回「香害」とは何なのかを解説しましたが、ここでは香害に対する埼玉県や他の各県の取り組みについて見ていきましょう。

香害先進国と言われるアメリカでは、すでに成人の3人に1人が香害により何らかの支障をきたし被害者となっており、日本も近い将来そうなっていくのではないかと不安の声が上がっています。

現在、埼玉県庁では<香りのエチケット>として、香害自粛のポスターを制作しています。
そしてすでに香害に悩まされている人に対しては、<アレルギー電話相談室>を開設して相談を受け付けています。

ほかの都道府県ではこういった香害を周知するポスターさえ制作されていないところが多い中、埼玉県は一歩進んでいると言えそうですが各自治体に指導するまでは至っておらず、あくまでも呼びかけ程度にとどまっています。

また、昨年10月には全国でもいち早く埼玉県所沢市議会が「柔軟仕上げ剤など家庭用品に含まれる香料の成分表示等を求める意見書」を議決し、首相・文部科学相・厚生労働相・経済産業相・内閣府特命担当相(消費者・食品安全担当)に提出しています。
柔軟剤などに使用されている何千という香料の成分の中には、「喘息を発症・悪化させる成分」「皮膚アレルギーを発症・悪化させる成分」「発がん性のある成分」「ホルモン攪乱作用がある成分」など健康に害を与える成分が含まれている可能性があります。こういった成分をできるだけ避けるためにも、「香料」とだけ表示されていたものを細かく成分表示するように求める動きが出てきているのです。

香害は具体的に特定の成分を取り締まることが難しいためなかなか対策が進まず、現在は自粛の呼びかけや周知の徹底に力を入れています。

まだまだ十分とは言えない香害への対策。今後も引き続き香害についての認知度を高め、対策を強化していく必要がありそうです。

※各県の取り組みについてはこちらをご覧ください。