まだまだ認知度が低い『香害』とは?〜香害のはなし①〜

香害』という言葉を聞いたことはありますか?

香害とは、芳香剤・柔軟剤・香水など人工的に合成された香料で気分が悪くなったりアレルギー症状を起こすことを言います。自分ではいい香りだと思っていたり、エチケットとしてつけているつもりでも、職場や学校など周囲の人に不快な思いをさせていることがあるのです。

また、香害と同じような言葉に「スメルハラスメント」がありますが、こちらは香害に加えて体臭や口臭、加齢臭なども含みます。どちらも加害者としての意識がなく、知らず知らずのうちに人を不快にさせてしまっているケースがほとんどのようです。

今、これらの人工的な香料に含まれる微量の化学物質によって、化学物質過敏症が引き起こされて会社や学校に行けなくなる人が増えてきています。
一般の人が有害な影響を受ける量よりもはるかに少ない量の化学物質によって、頭痛・発熱・鼻炎・ 動悸・倦怠感など様々な症状が起こり、さらに具体的な治療法も確立されていないので、深刻な社会問題となってきているのです。

主に香害が発生しやすい場所としては、学校や職場、病院、そして電車やバス、飛行機などの乗り物などが人が多く集まるところが挙げられますが、家の中にいても近所からの匂いに悩まされることもあります。

柔軟剤や香水は普段ずっと使っていることによりだんだんとその匂いに慣れてしまい、徐々に使用量が増えてしまっているという方も多いようです。

化学物質過敏症は食物によるアレルギーなどと比べるとあまり認知されていないので、「気にしすぎ」「神経質」などと思われてしまうことも多々あるようですが、健康を害する重要な問題です。

海外では、香水の使用を禁止したりする対策が行われているところもありますが、現在日本ではまだ特別な規制はありません。
まずは「香害」というものがあること、それによって健康被害を被っている人がいることを広く認識してもらうことが必要ですね。