来年度予算、1475億円の財源不足 セーフティネットに必要な財源は確保

12月7日村岡正嗣県議は一般質問を行い、新型コロナウイルス感染症対策や、事業者・学生支援、文化芸術支援などを取り上げました。

福祉関係者「真っ先に切り捨てられるのではないか」危惧

新型コロナウイルス感染は全世界で爆発的に拡大し、県は11月30日、フェーズⅣへの移行を決定し、感染病床1400床確保への努力が続けられています。しかし、2日時点で感染者は1282人、入院患者数も過去最多の579人となっています。村岡県議はフェーズⅣ対策と決意を知事に質したうえで、県の来年度予算の見通しについて取り上げました。

2021年度の予算編成に関わり新聞各紙が、来年度は歳入不足に陥る見通しと伝えこの記事に接した多くの社会福祉関係者からは、真っ先に県単独事業から切り捨てられるのではないか、との危惧の声があっています。村岡県議は「コロナ禍だからこそ、徹底して不要不急の事業見直しを行い、県民の最後のセーフティーネットである、医療や介護、福祉に関わる県単独事業については、絶対に削減してはならない」と知事に迫り、知事は「来年度予算編成において、現時点で1475億円の財源不足が見込まれているが、ゼロベースで事業を見直し、選択と集中を徹底することでセーフティネットに必要な財源を確保する」と答弁しました。

医療機関への県独自支援「必要な場面で検討」

また、「命がけでたたかっている医療従事者と医療機関に対しては、県独自の財政出動により支援の拡充こそすべき」との村岡県議の指摘について、知事は「本来国が必要な財源を確保すべきと考える」としながらも「コロナ受け入れ医療機関に対する協力金や看護職員手当など県独自支援を行っている」が「今後必要な場面においては県独自の支援も検討する」と答弁しました。

知事「公衆衛生は、重要なインフラ」

村岡県議は「世界中が、新型コロナウイルス感染症とのたたかいを通して、公衆衛生の重要性を再認識した」として、改めて公衆衛生の意義を知事に問いつつ、衛生研究所の設置根拠が、厚生省事務次官通達のみであり、県としての設置根拠は、「埼玉県行政組織規則第51条」に規定されているのみだとして、地方衛生研究所を条例に位置付けるべきだと質問しました。知事は「新型コロナまん延防止、収束のために公衆衛生活動は社会経済を支える重要なインフラであると認識している」と答弁。

また知事は「今後にむけ保健師を増員し保健所の更なる体制強化に取り組むとともに、関係団体や医療機関、市町村と協力し、新たな感染症の発生に備えた公衆衛生の一層の充実に努める」と答弁。衛生研究所については、「11月25日には、九都県市首脳会議として、地方衛生研究所の法律上の位置付けの明確化を菅総理に要望をした」と答えました。

「大切な指摘いただいた、勉強させてもらった」知事

一般質問後の傍聴者集会には、知事も駆け付け「今日、大切な指摘をいただきました。全体として大きな県の課題に取り組んでいると最も困窮し苦しんでいる人たちの声を忘れがちです。こういう時、気が付かせていただいている。勉強させていただいています。」など、ごあいさつをいただきました。

青年団体からは「初めて県議会を傍聴した。学生の声を届けてくれてよかった」

農民団体からは「見沼田圃は日本の宝。取り上げてくれてよかった」など感想が述べられました。