費用弁償は実費にー県議会の民主的運営を求める申し入れ

DSC_06715月25日、党県議団は県議会の宮崎栄治郎議長に対し、「県議会の民主的運営及び議会経費の適正化等に関する申し入れ」を行いました。

2015年度に大幅改変されて、知事の答弁の機会が減った予算特別委員会の検証や、費用弁償を実費とするなどの提案が盛り込まれています。また議会改革のために全会派で協議会をつくってほしいと提案する村岡県議に

宮崎議長は「全会派で議論をしてほしい」と答えました。

 

申し入れ全文は以下の通りです。

 

 

埼玉県議会議長 宮崎栄治郎様

2016年5月30日

日本共産党埼玉県議会議員団

団長 柳下 礼子

 

県議会の民主的運営及び議会経費の適正化等に関する申し入れ

 

議会の民主的運営と審議の充実、県民の多様な意見を議会での審議等を通じて県施策に反映させるため、今後の議会運営及び審議、議会経費のあり方等について以下の通り提案します。

 

1,議員の発言権の保障について

(1)代表質問と一般質問について

議会は言論の府であり、本会議における議員の発言を十分保障する議会運営が求められている。こうした点から、2月議会に限られている各会派による代表質問を全ての議会で行なうとともに、一般質問については、無所属議員を含め全ての議員が少なくとも年1回行えるよう改善を図る。代表質問は全ての会派に認める。

(2)文書質問の新設

会議規則を改め、本会議での口頭による質問の機会がない議員については、1会期につき一人1回の文書質問を行えるようにする。

(3)請願・陳情の審査について

請願の意見陳述について、「県政にかかわるもの」という要件を除くこと。また、「継続審査」の案件については、閉会中であっても調査・研究を進めるなど速やかに結論を得る。本会議での請願に対する各党討論を復活させる。

陳情については、議員配布に留めず、会議規則第23条を活用し、審査の対象とする。

2,議会の民主的運営について

(1)県議会の役職の公平な配分について

常任委員会や特別委員会、各種審議会等の役職は、民意の反映を保障する立場から、議席数に応じて各会派に公平に配分する。

(2)議会運営委員会の構成について

少数会派・無所属議員についても、オブザーバー出席を認め発言の機会を与える。

県選挙管理委員候補名簿は、議会運営委員会の場で配布と同時に承認するのではなく、会派で審議できるようにする。

(3)議員提出議案の取扱について

意見書・決議など「機関意思の決定」に係る議案の提出は、議員固有の権利であり、地方自治法の趣旨に則り全ての議員に保障する。また、本会議に議員提出議案が動議で提出された場合には、いったん休憩をとり、動議の内容について十分精査できるようにする。

 

3,委員会運営について

(1)常任委員会審査の充実について

常任委員会は、継続審査となった議案や緊急を要する議案・審査事項については、閉会中であっても委員会としての調査・研究・審査を積極的に行なうなど、審議の充実を図る。

(2)委員会の会議録作成について

予算特別委員会の審議については正規の会議録が作成されているが、常任委員会及び他の特別委員会については発言の要点をまとめた会議録の作成に留まっており、委員会審議についても正確な会議録を早急に作成し、県民がホームページで閲覧できるよう改善を図る。

(3)委員会傍聴者への制限について

委員会傍聴人数が事実上20人以下とされている要綱を改定し、原則として希望者全員が傍聴できるようにすること。傍聴者は本会議同様、委員長の許可を得て録音できるようにすること。

(4)予算特別委員会と決算特別委員会について

一人会派や無所属議員が、予算特別委員会か決算特別委員会のいずれかの委員会に所属できるよう、それぞれの委員定数を増やし、審議の充実をはかる。

昨年度、予算特別委員会改革が行われたが、この改変を検証する場を早急に設けること。

(5)公聴会や参考人の活用について

委員会の審査においては、県民の要望や専門家の意見を審査に反映させるため、公聴会の開催や参考人の招致を積極的に行なう。

 

4,議会経費の節減と透明性の確保について

(1)費用弁償の見直しについて

費用弁償については、実費とする。

(2)予算・決算をのぞく特別委員会について

特別委員会は常設とせず、緊急且つ特別な課題に限定して、設置する。

(3)県政活動費の透明性の確保と適正化について

県政活動費は出納簿などをホームページ上で公開し、より県民に対して説明責任を果たせるようにする。

(4)行政視察について

行政視察は視察の目的と調査課題をより明確にし、回数を減らす。国外の友好親善視察については、議長または副議長の代表派遣に限定し、海外行政視察は原則廃止する。

(5)議員の健康診断への公費支出について

議員の健康診断に対する公費による補助は取りやめる。

(6)議長・副議長専用の公用車の廃止について

議長及び副議長のそれぞれの専用車を廃止し、県議会公用車を使用する。

5、県議会基本条例の制定について

県民に開かれ、県民の声を反映できる県議会への改革を進めるために、全会派参加による協議会を設置し、検討を進める。「埼玉県議会基本条例」(仮称)を制定する。