子どもを置いてゴミ出しも禁止ー自提案「虐待禁止条例」

 

10月4日、埼玉県議会自由民主党議員団により、「埼玉県虐待禁止条例の一部を改正する条例(案)が県議会に提出されました。保護者のいない住居や自家用車の車内等に児童が放置されて死亡する等、児童の放置による深刻な事案が全国的相次いでいることが、提出の理由です。

しかし、自民党県議の説明によると、「自宅に9歳の子を残して、回覧板を届けたり、ゴミ出しをする」「高校生の兄弟に9歳の子を預ける」「9歳の子どもだけで公園で遊ばせる」などの行為が禁止事項であると明らかになりました。条例案が禁止する内容が、あまりに広すぎることから、特に「ワンオペ育児」で苦しんでいる養護者などに過度な負担を強いる結果となりかねないと危惧をしております。

罰則規定がないとのことですが、近隣住民に通報義務を課していることから、養護者のささいな行為を隣人が監視する事態が引き起こされかねません。養護者への批判や、警察・児童相談所への通報の殺到による混乱も予想されます。

 

児童虐待の根絶は、党県議団も一貫して取り組んできた重要課題です。しかし虐待は、児童を養護する者と児童を、社会的に支援し地域の連帯の中で育んでこそ、解消の道に踏み出せます。現状の条例案では、養護者を追い詰め、近隣への疑心暗鬼を広げ、むしろ虐待を助長しかねないと深く憂慮します。

 

 

06_議第25号埼玉県虐待禁止条例の一部を改正する条例案