医療型障害児入所施設カリヨンの杜視察

城下のり子・伊藤はつみ両県議は、8月8日、さいたま市の*医療型障害児入所施設カリヨンの杜の視察を行いました。諸根善昭・榎本菜保蓮田市議、大野とし子春日部市議が同行しました。

県立小児医療センターの機能の一部として設立

   カリヨンの杜は、現在地にあった旧県立小児医療センターのさいたま新都心への移転計画に伴い、2018年設立されました。

埼玉県内におけるNICU(新生児集中治療床)などの整備により見込まれる医療的ケアが必要な重症児を受け入れる施設として整備されました。

*入所施設50床(空床利用型ショートステイも実施)*デイサービス1日あたり4人 *外来診療週2日

*6月から、埼玉県医療的ケア児支援センター・地域支援センターも受託しています。

旧県立小児医療センターには、近隣から多数の医療が必要な障害児が通院していました。このセンター移転に対して保護者たちの反対運動が広がり、当時の上田知事は、保護者達に「一部機能を残します」と約束し、カリヨンの杜の誕生となりました。

厳しかった経営も軌道にのりつつ

石田義明理事と江森光芳事務長に施設内をご案内いただきました。

その後、施設長でもある鍵本聖一理事長からご挨拶をいただきました。

発足当時視察に伺った際は、運営も厳しく、法人の皆さんの表情も厳しかったものですが、今回は経営が軌道に乗りつつあるとのことで、安心しました。もちろんコロナ禍、物価高騰とまだまだ、困難は続いています。

職員の確保はとても困難で、特に夜勤体制の整備が課題だとのこと。処遇をもっと引き上げたいが、難しいとのことです。

発足から、埼玉県の職員であるドクターとナースが派遣されていましたが、この4月からついに派遣は終わったとのこと。しかしドクターもナースもカリヨンの杜に移籍してくださったとのことです。

党県議団として、カリヨンの杜の設立経過を、しっかりと受け継ぎ、そのほかの県の支援が継続されるよう見守っていきます。

障害児が障害者に・・・・

この施設は、経過からもまだ障害児の入所が大半ですが、年月とともに入所者は18歳を超えていきます。障害児から障害者となり、特別支援学校を卒業すると、受け入れ施設も少なくなります。ショートステイなどでできる限り支援をしています。

要望としては、重症児の加算である医療的ケア児レスパイトケア事業(県と市半分ずつ支援)を18歳以上になると実施しない市町があり、すべての自治体で実施してほしいとのことでした。

地域センター事業を開始して

県医療的ケア児支援センターの地域センター事業の報告もいただきました。

6月8日から始めたばかりで17件程度の相談を受けたそうです。相談者はさいたま市からが多く、内容はショートステイ利用についてが多いようです。

要望としては、就学相談について、市町村から保護者に連絡がなく、保護者はいつ誰に相談していいのかわからない、就学期の前年には、通知を出してほしいとのことでした。調査が必要です。