埼玉県の優秀な美術家ほりおこしたいー埼玉県立近代美術館視察

11月10日柳下礼子・村岡正嗣・前原かづえ県議は埼玉県立近代美術館(MOMAS)を視察しました。

初めに、中村幸太郎副館長と平野到学芸主幹よりご説明をいただきました。

同美術館は11月3日で創立40周年を迎えました。

内外の優れた美術作品を収集・展示するとともに、ユニークな企画展を開催してきました。

また、子どもたちの教育普及プログラムを開催したり、地域の美術に関わるみなさんの交流の場を提供したりしています。

収蔵品としては

モネのジヴェルニーの積みわらなどが、有名です。

ユニークな椅子が、そこここにおかれているのも、この美術館の特徴です。

コロナ禍前は来館者が自由に座って楽しんでいました。

今後美術館として力を入れたい方向はと、お尋ねすると

地域ゆかりの美術ー埼玉という軸を大切にしたいとのこと

埼玉県には優秀な美術家が多く、このような方たちを掘り起こし世界に発信させたい

バブル期は海外の名画を収集し集客する傾向が強かったが、

東京都と同じことをしても、人は集まらない

2月から企画する戸谷成雄氏のような埼玉県の芸術家を積極的にアピールしたいとのことでした。

先ごろ2億円あまりで購入したポールシニャック氏の絵は

もともと越谷市出身の斎藤豊作氏がフランスで点描技法を会得したきっかけとして購入したもの

なるほど、埼玉県に意外な種をまいてくれた方だったのですね。

その後、館外の北浦和公園の彫刻をご案内いただきました。

黒川紀章「埼玉県立美術館」

黒川氏が最初に設計した美術館だそうです。

近年の建築ブームで、大いに見直されています。

橋本真之「果実の中の木漏れ陽」

成長する彫刻として、すでに3回増殖しています。右上の方、木に絡みつき成長している部分

作者が、木の性質も調べて絡みつくように制作しているとのこと

コロナ禍で子どもたちがたくさん北浦和公園にくるようになり、

たいへん、親しまれたとのことでした。

田中米吉「ドッキング」

田中氏が、設計者の黒川氏の許可をえて、あとからドッキングさせたそうです。

自身の建築物にあとから「破片」を突っ込むことに許可をしてくださる、黒川さんの度量が大きい!

重村三雄「風景の外側」

これは誰がみても、木にしかみえませんよね!!

れっきとした彫刻だと、教えていただいて、気づきました。

黒川紀章 中銀カプセルタワー

室内にはテレビ、電話、ユニットバスが装備されています。

このカプセル140個を組み合わせた集合住宅「中銀カプセルタワー」

1つを同美術館がいただいたそうです。

美術館のなやみはなんですか?とお聞きすると

収蔵庫がひっ迫してきているとのこと

すでに4000点もの収蔵品があり、80年代以降あまり収集できなくなっている

2月に企画展を始める戸谷成雄氏などはもっと早く紹介すべき彫刻家だったが

収蔵のおくれが、紹介の滞りにつながっている

できれば、北浦和の敷地に収蔵庫を作りたいとのことでした。

現在の企画展は1月29日まで

「桃源郷通行許可証」という心惹かれるタイトルは

参加している松井智恵さんの作品名からつけられたそうです。