重度障害者を受け入れるグループホームに支援を―県政要求共同行動②

11月4日、県政要求共同行動が取り組まれ、午後の部社会保障関連団体の分散会には、新日本婦人の会、埼玉県商工団体連合会、埼玉県社会保障推進協議会、障埼連、生活と健康を守る会、保育問題協議会などの団体が集まり、柳下礼子県議が同席しました。

事前に提出されていた、県政要望に対し担当の県職員が回答を寄せており、その内容に対して各団体から切実な発言がありました。

新日本婦人の会  子ども医療費助成制度の対象年齢引き上げをについて、「子どもを育てている親たちが本当に苦しい」として県としての実施とともに、国に対して強く要望してほしいと発言しました。

県 中学生まで無料にすると27億円が恒常的に必要。県単独事業はとても不安定。国の制度とするよう、強く要望している

埼玉県商工団体連合会 コロナの中顧客は減り、仕事は激減、物価高騰で原材料は上がる一方だとして中小業者の状況の悪化から、国民健康保険税の負担軽減を求めました。特に、国保の税水準の統一を令和9年までに行うという県国保運営方針に対し、「多くの自治体が法定外繰り入れ(法律によらず一般会計から国保会計に財政支援すること)を増額してコロナ禍の中で国保の負担軽減を行っている。統一化の目標は撤回して、法定外繰り入れを認めるべきだ」と発言しました。

県 保険税納付が苦しい場合、まずは窓口に相談に来てほしい。統一化は市長会・町村会からも強い要望となっている。引き続き取り組む

埼玉県医療介護労働組合連合会 「10月から診療報酬で看護師の処遇改善が始まったが、月12000円相当の賃上げといわれるのは看護師の4割程度。看護師以外は対象とならない。その結果、老健施設のある医療機関では、病院看護師に対しても、対象とならない老健の看護師にも12000円を上乗せしたが、介護士には6000円しか上乗せできなかった。全県でベースアップにまわったところはほとんどない。看護師の賃金は35才から59才で全産業平均を下回る」と発言。「処遇を改善して、看護師確保に努めてほしい」と求めました。

県 平成22年から10年間の看護職員の増加数は17991人と全国3位

医療生協さいたま・埼玉県民医連 「昨年8月より低所得者を対象とした補足給付(施設・短期入所利用者の居住費、食費に対する負担軽減制度)の見直しが行われ、貯金が500万円あるからと食事代の負担が増えてしまった利用者がいる。県独自の助成をしてほしい」と発言

県 補足給付の見直しは、在宅で介護を受ける方との公平性の観点から見直された。改正により補足給付の対象から外れてしまった場合、社会福祉法人等による利用者負担額軽減制度の活用が考えられる。

見沼福祉会 ・日高市日和田会 「障害者グループホームが広がっている。多くは中古の一軒家やアパートでの運営で、個室は保証されても共有スペースのトイレや食堂、お風呂は狭い。コロナ禍で大きなクラスターが発生した。狭い空間に陽性者と濃厚接触者・陰性者が混在して療養する状況が何週間も続いた。それでなくとも人で不足で、職員の8割が60歳以上。コロナで休職する高齢職員も多く、夜勤シフトに入る職員がいなくなると、昼間の職員が24時間勤務せざるをえなくなった。通所施設で感染者がでると、通所が閉所になり、そうなると入所施設が24時間体制となった。本当に職員不足を何とか支援してほしい」と、住環境改善の補助と職員配置のための加算を求めました。

ともに福祉会 「こだわりの強い利用者や支援が困難な利用者を差別なく受け入れてきた。ある利用者は心臓の病気で手術が必要だが、暴言や暴力で退院させられそうになり、特例でその人の病院日中付き添いを行った。術後もリハビリ拒否で暴言もあり、さらに付き添いをした。入院期間の5か月のうち一部を除き報酬はなかった。区分6より難しい支援が必要な人がいる。」と重度加算を求めました。

「障害が重い、支援が難しい利用者も、グループホームに入らざるを得ない状態。県も現場を見に来てほしい」という声もありました。

県 重く受け止めたい。グループホーム職員の研修を開始した。

埼玉生活と健康を守る会「生活保護の扶養照会は、本人が同意以外は行わないことを徹底すること」「生活保護のしおりや県のホームページにこのことを明記すること」と要望

県 5月に厚労省から事務連絡 「福祉事務所から扶養義務者への直接の照会については、保護を要する方等から聞き取り等により、扶養義務の履行が期待できないと判断した場合は行わないこと」として判断基準がしめされた。生活保護を要する人が扶養照会を拒んでいる場合、その理由について丁寧に聞き取りを行い、検討を行う。

厚労省の事務連絡に基づき、県のしおりは今年度中に新しいしおりをつくる。HPはできるだけ早く改定する。

医療生協さいたま「40代自営業の男性が小腸大腸腫瘤で手術。同居の妹は対人関係が難しく収入は月15万円。父は80代で無年金者。同居の妹が生活保護窓口に行ったが、ケースワーカーからもっと働くよう言われて生活保護を申請できなかった。知的精神的問題を抱える人は増えていく。もっとケースワーカーを増やし、研修・育成をしてほしい。」

県 申請先延ばしは、決して行われないようにしたい。監査、指導、研修に努める。ケースワーカーの標準を満たしていない自治体には監査で指導している。

生活と健康を守る会 ケースワーカーは基準である受け持ち世帯数80に一人では足りない。60人に一人にしてほしい。