「力の支配を排除することで施設内虐待を乗り越えてきた」ー児童養護施設を視察

5月19日守屋裕子県議、秋山もえ県議と川越の川口知子市議、今野英子市議が埼玉育児院を訪問し、施設長と懇談しました。

埼玉育児院は1912年(大正元年)に開設。埼玉県内での最古の児童養護施設です。

埼玉育児院は2004年に施設長・職員による日常的な体罰が行われていたことが発覚し、県より改善勧告を受けました。現院長が組織改革のために、埼玉育児院にやってきました。

「施設内の暴力の根底は力の支配がはびこっているから。職員から子どもに対してはもちろん、子ども同士、職員同士であっても力によって支配するというやり方は認めない。許さない。何があっても話しあいで解決するということが大事。力で言うことを聞かせるというのは管理的であり、大人の都合でしかない。入所してくる子どもたちは力の支配の中で育ってきていて、それしか知らない。他の子に対して暴力に訴えたりすることもある。そうした子どもたちが係わりの中で力の支配ではないことを学んでいくのです」と話しておられました。

児童養護施設にいられるのは18歳まで。児童福祉法には児童養護施設を退所した子どもたちの支援も児童養護施設が行うとありますが、実際にはそこまで手がまわっていないのが現状。自立支援担当職員等が配置できるような財政的支援があればというお話も聞きました。

また「国連からの勧告等もあり厚生労働省は児童養護施設の小規模化を進めていますが、グループホームを新たに作るとき、グループホームを引っ張るリーダーが必要で、人材育成が課題。厚労省はグループホーム化を進めるために、グループホームの職員は6人の子どもに対して6人の職員をつけてよいという措置を取っていますが、児童養護施設は子ども4人に対して職員1人と整合性が取れていない。一時保護所に入所した子どもたちの学習権をどう保障するのか」などの問題点についてもお話をお聞きしました。