公明党の発言通告修正要求通らず  翌27日に金子県議一般質問

議会本会議が自然散会となり、実施できずにいた金子正江県議の一般質問が27日午後4時過ぎに行われました。

「共謀罪法という法律はない」と難癖

前日26日の同県議の一般質問開始直前に、公明党の石渡豊県議によって「金子県議の発言通告には不穏当な記載があり、修正を求める」との休憩動議が提出され、続く議会運営委員会の場で、公明党権守幸男委員は「『共謀罪法』という法律はない」「『共謀罪法』はまやかし・不穏当な呼称であり議事録に残すべきではない」として、「共謀罪法」の文言修正を求めました。

日本共産党秋山委員は、「共謀罪」は新聞各紙、日弁連、知事の記者会見発言でも使用されており、「共謀罪法」は国民に広く浸透している文言だとして、修正を拒否しました。

委員長提案で発言通告修正は行わず

そのまま、本会議は自然散会となり、党柳下礼子県議は、4日も前の22日に通告し、議長によって受理された通告文言を、発言直前に修正要求することは、議員の表現の自由に対する侵害であり、議会制民主主義を揺るがしかねない事態であり、党県議団は、この点から公明党に強く抗議し、修正の撤回を求めるとする談話を発表しました。

27日の議会運営委員会で、金子県議の一般質問を同日行うこと、金子県議の発言通告は修正しないことが委員長から提案され、了承されました。公明党からは、今後発言通告には正式な法律名か適切・常識的な略称を使用するべきだとの発言がありましたが、民進党の発言で一会派の「意見」であることが確認されました。

「共謀罪法」について「審議尽くされていない」と知事答弁

午後4時15分から始まった一般質問で、金子県議は「内心を処罰する意見立法=共謀罪法は廃止すべき」との通告に基づき、堂々と質問しました。

「地方では、同法法制化反対や慎重審議を求める声が広がっています。三重県議会、宮崎県議会では意見書が可決され、本県でも宮代町・小鹿野町・鳩山町・滑川町で可決成立しています。6月19日の読売新聞アンケートでは、同法について『国民に十分説明した』と考えた方はわずか12%、『そうは思わない』方が80%となりました。国会のルールも無視し、国民を嘘で欺き、国内外からの批判にも耳もかさず強行された、違憲立法共謀罪は、今からでも直ちに廃止すべきです。

この問題は730万人埼玉県民にかかわる重大問題です。共謀罪の審議の過程や、共謀罪の本質について、知事の見解をお示しください。」との金子県議の追及に、知事は、組織犯罪を食い止めるという趣旨の法律であると認識しているとしながらも、「審議が尽くされていないと認識している。」「それが世論調査にも表れている」「与野党の合意のないままの採決は、残念」と答弁しました。

議長・公明党の質問妨害に抗議

今回の問題は、第1にすでに届け出し公開された発言通告の文言に対し発言直前に修正要求するという、議会のルール破りです。また第2は、「法律の正式名称を書くべきだ」などとあくまで修正にこだわり、金子県議が質問できないまま自然散会させ、傍聴者などに著しい迷惑をかけたことです。これらから公明党につよく抗議します。また、議長が発言直前に、通告文言修正のための休憩を認めたことも重大な問題です。