入所施設・グループホーム支援で県と団体が懇談

1月25日、県内の障害者団体でつくる「障害者の暮らしの場を考える会」約30名が、埼玉県障害者支援課と懇談しました。党県議団からは村岡正嗣・秋山文和・前原かづえ県議が同席しました。

 

 

 

 

「がんばっている保護者がいることを受け止めてほしい」入所施設建設を要望

知的障害34歳男性の母親は、「青年期から暴力が増え、精神科の薬を常用するようになりました。生活が乱れ作業所にも行けなくなり、強制隔離などもあった。人に迷惑をかけないか心配でたまらない。暴力は父親が全力で止めるしかない。子どものことを相談できる施設、ショートステイ、ロングステイできる施設がほしい。こんなに頑張っている親がいることを県もうけとめてほしい」と入所施設建設を要望しました。

国は、「障害者の地域移行」を促すとして、入所施設の定員数の削減を全都道府県に要求し、入所施設建設は原則認めていません。一方で埼玉県は、第4期障害者計画で定員削減目標を出さなかった4県の1つです。入所施設建設も必要な施設は建設する方針です。

末柄障害者支援課長は、このことについて「第5期についてはまだ言えないが、待機者が増加していることを踏まえて計画する」と今後も同様の方針であると語りました。

緊急度の高い人が入れる仕組みづくり???

一方で、「待機者の中に真に必要な人とそうでない人とがいる。緊急度の高い人が入れる仕組みづくりをしたい」と語りました。これに対して保護者たちからは「緊急度というと親がそろっていると緊急度が低くなってしまうのか」「施設に入ると自宅にいた時より、仲間がいて、絆ができて自立が促される。」「現状のように施設が整備されていない中、緊急度というと心配だ。親から自立することを目標にしてほしい」など、懸念が表明されました。

 

施設・体制劣悪なグループホーム、県として助成を

県内で12か所グループホームを運営している団体からは「来年度も入所希望が8人あり3か所ぐらい建設したいと思っているが、スプリンクラー設置やバリアフリーへの改修など法人任せではやりきれない。入所者は加須や寄居、志木からもきている。県として助成をしてほしい。」また「グループホームの中にはひどいところもある。夜間はだれも支援者がいない。なにかあればすぐに契約を打ち切る。行動障害の人は受け入れない」という声もありました。これに対して課長は「グループホームの実態調査も検討している」と答えました。

職員確保のために県独自の対策を

職員の確保の難しさが、施設からも保護者からも口々に語られました。ある男性は「特別支援学校を定年退職した70歳の女性の友人が、週3日グループホームの泊りにはいっている。」「保護者も高齢化していて、グループホームから週末に自宅に帰ることができないため、土日も運営せざるをえず、職員が足りない」と職員の処遇改善を訴えました。

課長は障害者施設の職員の処遇改善を国が検討している、県としては新規採用職員の研修など新設すると答えました。

障害者の生活と権利を守る連絡協議会の新井たかね副会長は「障害児の小学校入学を埼玉県は全国に先駆けてやった。デイケア制度も生活ホームも県単独でやった。職員の確保のために県単でとりくんでほしい」と語りました。