仮想通貨は減税ではなく、規制強化をー意見書案に反対討論

7月2日、城下のり子県議は、意見書案などの議員提出議案に対する反対討論をおこないました。

討論は以下の通りです。

日本共産党を代表して、議員提出議案の議第36号議案「暗号資産取引に係る課税の見直しに向けた検討の推進を求める意見書(案)」、議第37号議案「新たな障害者就労支援制度の導入を求める意見書(案)」に対する反対の討論を行います。

初めに議第36号議案についてです。同案は、暗号資産の投資対象化が進んでいる状況において、強い海外競争力を確保するために、暗号資産の損益について申告分離課税の対象とするなど課税軽減を求めるものです。

 反対の理由は、暗号資産が価値の裏付けのないきわめて危険な決済手段であり、課税軽減より、むしろ規制を強化すべきものだからです。

例えばビットコインは誕生した2009年には1ビットコイン1円であったものが、昨年11月には1500万円に達しました。これはトランプ大統領の暗号資産政策への期待値と言われ、いつ暴落してもおかしくないと指摘されています。価値の裏付けのない暗号資産は保有している間にも、価値が変動し、リスクが高すぎます。

一方で、ハッキングによる巨額の盗難事件が相次いでいます。今年2月にドバイに本社を置く「バイビット」の口座から約2200億円の暗号資産が盗まれる事件がおきました。日本でも昨年5月にDMMグループの取引事業で482億円相当の不正流出が発覚しています。

マネーロンダリング(資金洗浄)への利用など、そのほかにも課題があります。

「1円から売買できる」など宣伝されていますが、一般人が被害に巻き込まれないよう規制が求められます。したがって、暗号資産は国民の投資対象となるべき金融対象として取り扱うべきではないと考え、同意見書案に反対するものです。

続いて、議第37号議案は、障害者就労施設への物品およびサービス等の発注実績に基づき障害者の法定雇用率引き下げや納付金の減額を求めるものです。

同意見書案に反対する理由は、障害者就労支援施設への発注などの実績によって法定雇用率引き下げを認めることは、障害者が職場に定着できる適切な配慮や措置を職場に広げていく取り組みにつながらないからです。障害者雇用促進法は、障害者差別の禁止と、障害者が働く際に個々の障害に応じて措置を取る「合理的配慮の提供」を義務付けています。事業者が、法定雇用率に基づいて障害者を受け入れることによってこそ、障害の特性に配慮した職場環境の改善がすすむと考えます。そのために国や自治体は障害者の職場への定着を促進する支援を強化すべきです。

したがって、雇用する障害者の数を減らすのではなく、障害者とともに働く環境を改善してこそ、多様性のある共助社会に進んでいけると考え、同意見書案に反対します。                    以上