県立高校統廃合計画を見直し、生徒が減少しているからこそ少人数学級の実現を

県教育委員会は7月、和光高校を和光国際高校に、岩槻北陵高校を岩槻高校に、皆野高校を秩父高校に、鳩山高校を越生高校に、八潮高校を八潮南高校に、浦和工業高校を大宮工業高校に統合するという計画を発表しました。

これを受け、8月12日、関係市町の党議員と埼玉県高等学校教職員組合、埼玉県教職員組合が集まり懇談を行いました。

秋山文和県議、前原かづえ県議、秋山もえ県議が参加しました。

財政面からではなく、子どもたちの学びの保障を—生徒が減少しているからこそ少人数学級を

埼高教の書記長は「県有施設の約5割を占めている県立学校施設の老朽化が深刻化しています。県教委はこの高校統廃合を『県立学校の活性化・特色化を図るための再編整備』と言っていますが、財政的理由で進めようとしているのではないか。高校統廃合は憲法で保障された子どもたちの学習権を侵害するものです。さらに県教委は公立中学校卒業者数の減少を理由に挙げていますが、減少期こそ、少人数学級の絶好のチャンスです。コロナを受け、去年、県立学校でも分散登校を行いました。教員からは『一人ひとりがよく見える』と好評でした。少人数学級でこそ、生徒一人ひとりが持っている願いや課題に寄り添いながら、きめ細かで温かい教育が実現できます」と話しました。

埼教組の委員長は「格差と貧困の中で1校しか受験できないという子が広がっていて、高校統廃合が進むと進学先が絞られてしまいます。また地域の高校は大事な進路学習の相手です。地域に学校がなくなれば、進路学習が机の上だけのものになってしまいます。高校は地域の核です。高校がなくなれば、地域が衰退してしまいます」と語りました。

 

統廃合は困る

八潮市からは鹿野泰司、池谷正、小宮弘子市議の3名が参加し、「八潮市はあと数年先まで人口が増える見通しで、小学校を新設する計画。そんな中の八潮高校と八潮南高校の統廃合。八潮南高校は4割が市内から進学しており、大事な進路先なのに、ありえないです」と発言しました。

和光市からは熊谷二郎、鳥飼雅司市議が参加し、「和光市も人口が増えています。中学校も増設するという計画があります。和光高校は学習に困難を抱える子が多い学校ですが、生徒さんたちは学校でのびのびと学んでいるという印象を受けます。和光国際高校と統合されると言っても、今の和光高校に通うような学習に困難を抱える生徒を受け入れるという話ではないですよね。そうなるとそうした生徒たちの受け入れ先がさらになくなるということですよね。なくなったら困ります」と発言しました。

鳩山町からは根岸富一郎町議が参加し、「鳩山町には駅が存在しない。鳩山高校行きのバスを町民も使っていて、大事な町民の足となっています。鳩山高校がなくなるとバスが減便になるのではないかと町民は不安がっています」と発言しました。

さいたま市からは鳥羽恵市議が参加し、「さいたま市内に私立の通信制・単位制の高校がどんどん増えています。その多くがビルの中に入っていて、eスポーツを学べたり、プログラミングを学べたり、公立の学校では学べないことができるのが魅力なのか、中学生たちの進路希望がどんどん増えているようです。そうした学校に生徒が流れてしまい、公立学校に生徒が来ない、という状況をこうした学校が作っている面があるのではないか。教育とは何か、どうあるべきか根本的なことが問われています」と発言しました。

 

秋山文和県議は「地元で運動を起こすことが大事です。市民の方や教育関係者などに働きかけ大きな運動をつくり、議会で請願をあげる、市長と懇談するなどぜひ行ってもらいたいです。私も今年度、文教委員となりましたので、みなさんと力をあわせていきたいと思っています」と話しました。