埼玉の農業のために農業技術研究センターの充実を

4月27日、村岡正嗣県議、秋山文和県議、前原かづえ県議、秋山もえ県議は、米の開発研究とイチゴの開発研究の取り組みについて話をお聞きするために農業技術研究センターを視察しました。

 

【米の開発研究】

米は1900年代から品種改良の研究が行われてきたもので、近年埼玉県では高温に強い品種をつくる研究が行われてきました。

それは2010年、お盆過ぎから連日30℃以上の高温が続く中で、米が白く濁ってしまう高温障害がおきました。味に問題はなくとも売ることはできず、農家が大打撃を受けました。県の試算では2億ほどの損害になったとのこと。そうした被害を受けて高温被害をどう防ぐのかの対策が研究されるようになりました。

高温被害を軽減するためには稲が健全であること。肥料や水を適切に与えることで、元気な稲ができる。そこで、葉の色で判断して、この色であれば追肥をしてくださいとか、という目安をつくり、研修会を開き、彩のきずなのつくり方カレンダーをつくるなどの取り組みを行ってきたとのことでした。

米の研究開発では交配から3世代目までは増殖をただ繰り返すだけ。5世代目から収穫した米を見た目で選別する。6世代から7世代で収穫量、食味、病害虫や高温への強さなどで選別。8世代で適地など評価を行うとのこと。また途中、農家の方に実際につくってきただき、これを今後つくりたいか聞くということも行うそうです。新品種として名前がつけられるのは早くて10年。しかし農家の方に実際つくっていただき、つくりたくないと言われらすべてやり直しになるとのこと。お金と時間のかかることだけれど絶対に必要なことだと感じました。

 

【いちごの開発研究】

いちごのハウスで説明を聞く

続いていちごの開発研究について話を聞きました。

埼玉では観光農園(いちご狩りを行っている)がかなりあり、近年企業が参入してきている。いちごの研究開発はまず味のよりよいものを目指して行うとのこと。味となると、研究者の好み、酸味甘味のバランスから出発するのだそうです。あとはいつから収穫できるのか、どれだけとれるのか、病気に強いか軸折れしやすくないかなどを目指していく。さらに観光農園用か直売所に卸すのか、それとも市場に出荷するのかによっても目指す方向性があるとのこと。

観光農園はもっともよい味でいつでも摘み取れる摘み取りやすい位置に実が付く、軸折れすると甘味が出ないので、軸折れしにくいものを開発していく。

直売は贈答用として買う人が多いので、これももっとも味がいいもの、そして外観がいいものを。

市場出荷は味がよいものにしつつ収穫量の多いもの、そして形がそろうように(形がそろっていると箱に詰めやすいので)を求めていく。あとはいちご需要のピークはクリスマス前。その時期に収穫できるようにするなども重要とのこと。

かおりん、あまりんをつくったが、この2つはクリスマス前に収穫できない。そこで、べにたまを開発した。

 

いちごの品種改良は種ごと皮をむいてそれをろ紙につけて一週間乾かすと種だけぽっろとれる。それを植える。いちごはとにかく味なので、研究者は時期になると1日200粒から300粒を食べることになる。その時期はいちごの酸によって胃が荒れて大変との話もありました。

秋山文和県議は「栃木のとちおとめが有名ですが、栃木県と埼玉県を比較し、農地の規模や研究している人数はどうですか」と聞くと「栃木県は本県の土地も研究者の人数も20倍」との回答がありました。

村岡県議は「埼玉ではいちごの開発研究が一時中断したことがありましたよね。それは本県にとって本当に痛手だったと思います。農業に携わるの職員を増やしていることが求められていると思います。この農業技術研究センターもとても重要ですね。県議としても応援していきたい」と話しました。