水耕ハウス栽培による大規模トマト生産を視察 

8月2日、農林業と食糧・健康を守る埼玉連絡会(埼玉食健連)と党県議団は、埼玉県とイオンアグリ創造㈱が大型ハウス内でトマトを次世代技術で生産・実証する埼玉次世代施設園芸拠点を視察しました。

同施設は、国の次世代施設園芸導入加速化支援事業を活用し、イオンアグリの8億7千万円と国の補助金10億円で、埼玉県農業技術センター久喜試験場の敷地内に整備されました。イオンアグリは今後、10年間で投資を回収する計画です。
現地には、5.3haの敷地に一棟3000㎡の大型ハウスが11棟も立ち並び、低段密植栽培技術(水耕栽培)で10aあたり6000株のトマトが植えられ、年3回、大型トマトが収穫されます。
社員10人と100人のパート社員が日々生産に励み、一回の収穫で30t/10aを目指しています。

 

視察には、村岡正嗣県議、前原かづえ県議、金子正江県議が参加。まず久喜試験場の会議室で埼玉次世代施設園芸拠点のビデオを見たうえで、イオンアグリと県の担当者から説明をうけました。
埼玉県農業技術研究センターの松本龍衛副所長は、併設した次世代技術実証普及センターでこれまで月1回の研修を計8回、414人が参加するなど、トマトの土耕栽培と水耕栽培の研究成果を県内農家へ広げる取り組みを紹介しました。
イオンアグリ創造㈱の川口雅明生産本部本部長は、しっかり赤くなってから収穫していること、収穫したトマトは敷地内の集出荷場に集めて商品化して関東近郊のお店にただちに出荷していることなどを説明しました。

参加者からは、トマト生産の採算性、トマトの成分機能への不安、大きな民間トマト工場建設と県農政の役割への疑問などさまざまな意見や疑問が出されました。
イオンアグリの川口本部長は、10年で投資を回収する計画であり、一回目の収穫期にあたる今年は計画を上回る実績をあげていると述べました。
松本副所長は、これまでの研究は熊谷試験場に分散し、引き続き行っていること、ナシの研究もしっかり行っていることを強調しました。

その後、トマトの大型ハウスや集出荷場、ナシの試験場を見学し、施設でとれたトマトやナシの試食を行いました。