知事提出議案に対する反対討論

3月27日、2月定例会閉会日の本会議で、柳下礼子県議が、知事提出議案に対する反対討論を行いました。

 

以下、全文です。

 

知事提出議案反対討論

日本共産党の柳下礼子です。

党議員団を代表して、知事提出の23号議案、第34号議案 第50号議案と第50号議案の修正案、第52号議案、第63号議案 に対する反対討論をおこないます。

マイナンバー制度の問題点をより拡大する

まず、第23号議案「埼玉県個人番号の利用に関する条例及び埼玉県本人確認情報の利用及び提供に関する条例の一部を改正する条例」についてです。

本条例案は、県民の利便性向上を図るとして、県が独自にマイナンバーを利用することのできる13の事務を定めるものです。

今回の条例改定は、プライバシー権の侵害などマイナンバー制度の根本的な問題を解決するものではなく、より拡大するものであることから賛成できません。

党県議団は、マイナンバー制度について、個人のプライバシー権を著しく侵害すること、個人情報の漏えいの危険性が高いこと、制度導入・運用に莫大な税金が投入されることなどから一貫して反対してきました。県民の不安もいまだ大きく、本県のマイナンバーカードの交付率も10.5%にとどまります。マイナンバー制度はいまからでも廃止すべきです。

民間事業者が、都市公園を自由に開発しかねない

次に、第34号議案「埼玉県都市公園条例の一部を改正する条例」についてです。

本条例案は、都市公園法等の一部改正に伴い、公募により選定された民間事業者が都市公園内で飲食店や売店などの収益施設を設置・管理する場合に、施設の建ぺい率を2%から12%に拡大するものです。

この規制緩和によって、都市開発事業を実施する民間事業者が都市公園を都市開発の一部をして自由に使用することが懸念されるとともに、災害時の避難場所としての都市公園の機能を損なう恐れがあることから認められません。

圏央道周辺・以北の優良農地開発にストップを!

第50号議案「まちづくり埼玉プラン(案)」についてです。

同プランは、圏央道周辺や圏央道以北地域の産業基盤づくりの推進など、県内の優良農地のさらなる開発を進めるものとなっていることから、賛成できません。

この10年あまり、埼玉県は「まちづくり埼玉プラン」にもとづき「埼玉県田園都市産業ゾーン構想」など産業基盤づくりを推進し、圏央道周辺の優良農地を転換し、山林を造成し、企業や物流倉庫や大型店誘致を進めてきました。優良農地は県内農業の発展からも、国土の保全からもしっかり守られるべきです。

また、自民党の修正案は、「地域経済牽引事業の促進による地域の成長発展の基盤強化に関する法律」に基づく取り組みを計画的に進めるとの規定を追加するものです。これは、圧倒的な数の中小企業のうち、全国で約2,000、埼玉県で34の地域牽引事業者を絞り込み優遇をすすめること、優良農地の転換をさらに加速させることなどから、わが党は反対してきました。よって、修正部分についても反対です。

埼玉県の財産といえる豊かな山林をつぶし、農地をつぶし、誘致型の産業集積をすすめるのではなく、東大阪市や大田区のように持続的・内発的な地域経済発展につとめるべきです。とりわけ埼玉県の地域経済をささえる農業つぶしは認められません。

県職員・教職員の退職手当減額は認められない

第52号議案は、平成29年度当初予算について主に減額補正するものですが、県職員や教職員の退職手当について、1人あたり平均80万円の支給額引き下げに反対であることから認められません。

第63号議案は、八ッ場ダムと思川開発の県負担金6億5千万円余を減額する補正が盛り込まれていますが、利水上も治水上も不要である二つのダム事業そのものに反対していることから認められません。

以上です。