2018年度当初予算案に反対討論

3月27日の2月定例会閉会日、本会議で秋山県議が2018年度当初予算案に対する反対討論を行いました。

 

以下全文です。

当初予算についての本会議反対討論

2018年3月27日 秋山文和

 

日本共産党の秋山文和です。党県議団を代表して、第1号議案「平成30年度埼玉県一般会計予算」、第7号議案「平成30年度埼玉県国民健康保険事業特別会計予算」、第18号議案「平成30年度埼玉県水道用水供給事業会計予算」にたいする反対討論を行います。

初めに第1号議案一般会計予算です。反対の主な理由は次のとおりです。

思川開発など不要不急のダム事業に93億円あまり

第1は、不要不急の水資源開発事業に93億円余りの予算が計上されているからです。埼玉県は、群馬県の八ッ場ダムに900億円あまり、茨城県の霞ケ浦導水に58億円あまりの費用を負担してきましたが、これに加え平成28年度には栃木県の思川開発事業が再開されました。思川開発は、南摩川にダムをつくり、延長3キロメートルの黒川導水路と6キロメートルの大芦川導水路でつなぐ、総額1850億円もの大規模公共事業です。昭和39年の構想発表から、地元の大反対により、計画は変更され、工期は延長され、現在は平成36年までの予定工期となっています。再三申し上げてきましたが南摩川は小川のような川です。大谷(だいや)川導水計画が当時の今市市挙げての反対により導水中止になったことから、貯水計画が大幅に変更をよぎなくされました。国土交通省の貯水池運用計算でもたびたび貯水量が底をつくことが予想されるダムです。下流に巨大な渡良瀬遊水地があり、その洪水調整作用が働くので、利根川に対する治水機能は不必要です。人口減少、水あまり社会を前に、利水上も、治水上も不要不急なダム計画は、中止すべきです。

重度心身障害者医療費助成制度に所得制限導入

第2は、重度心身障害者医療費助成制度に所得制限を導入するからです。重度障害者の医療費の本人負担分を、県と市町村で補助するこの制度に対して、県は2015年1月から65歳以上で重度障害者となった人たちを制度から締め出す、年齢制限を導入しました。さらに、所得制限を、来年1月から所得360万円の新規受給資格登録者から導入し、2022年にはすべての受給者に適用をします。所得360万円は高額所得者ではありません。腎臓病など難病を患いながら懸命に働く方々の負担増となる措置は認められません。

競争教育助長する学力学習状況調査2億円あまりに反対

第3は、競争教育を助長し、教員の長時間勤務をまねく学力学習状況調査2億1560万円が計上されているからです。全国一斉学力テストに加え、埼玉県は独自の学力学習状況調査を実施しています。一斉学力テスト導入いらい、学校間や自治体間の競争は過熱するばかりです。問題集型のテスト対策が学校教育をゆがめ、教員の負担を過重にしています。学力の向上のためには、少人数学級など教育環境整備を推進すべきです。学力把握のためであれば、抽出調査で十分です。

所沢県税事務所内に徴税プロジェクトチームづくり

第4に、個人県民税対策強化支援事業費の個人住民税重点市集中支援について、市町村の自主的な徴税方針をゆがめ、無理な滞納処分が広がりかねないからです。県は、納税率が全県最下位だとして、所沢県税事務所の中に県職員3人市職員2名のプロジェクトチームを作り、短期的に集中的に滞納整理を進めるとしています。県が主導してプロジェクトチームを作り、滞納整理を目的に短期集中型で取り組むことは、たとえ一時的に納税率が向上しても、根本的な解決にはつながりません。そのほか、防災ヘリに手数料を導入したこと、マイナンバー制度推進費用に対して反対です。

国保への十分な公費負担なしには、広域化認めない

続いて、第7号議案 国民健康保険事業特別会計予算についてです。党県議団は、低所得者・高齢者が大半である国保財政への十分な国費の投入もなく、運営を広域化することは、保険税の引き上げや、無理な徴収強化につながりかねないと反対してきました。事実4月1日の市町村・県の共同運営を前に、県内29市町が保険税の引き上げを決定しました。党県議団の懸念が早くも現実になっています。国保の根本的矛盾は、国をはじめとした県・市町村の公費負担の増でしか解決しません。したがって、市町村・県の共同運営のための特別会計新設に反対するものです。

 

第18号議案平成30年度埼玉県水道用水供給事業会計予算については、水資源開発の利水部分であり、反対です。

以上で反対討論を終わります。