育ちすぎたスギやヒノキの大木、大災害につながりかねない

今年7月の豪雨によって、福岡県や大分県では、大量の土砂と流木で大変な被害となりました。2ヶ月たった今でも、復旧もままならない状態が続いていると言います。

党県議団は、こうした災害は埼玉県でも起こりかねない、と、県内でも山林が豊富な旧吉田町(現・秩父市)へ、9月13日、視察に行きました。

左から新井健二郎さん、息子の新井康一さんと

国策による弊害

「戦後、国策で山にスギやヒノキが大規模に植えられた。植え付けについて、山林地主は、自費を投ずることなく、植林出来るだけの高額な補助金が出され、雑木林を植林するための伐採にも補助金も出た。つまり、今、全国の山を覆っている膨大な針葉樹は、国費で作られたものである。農林産物の中で、木材の自由化が一番早かったために、莫大な国費を投入したにも関わらず、大量の樹木が放置されてきた」――こう語るのは、共産党の元吉田町議・新井健二郎さん(91)。

新井さんは、「杉の伐採に適した時期は40年と言われているが、伐採時期を過ぎた樹木が増えすぎてしまった。山の傾斜地を覆っている木々が、何トンにもなり、大雨が降れば当然地盤は緩む。それに雨の重みが加わり、さらに風でも吹けば、山ごと動いてしまい、大災害になりかねない。マスコミでも、流木の怖さと量の多さは強調されているが、その予備軍が膨大な量で、しかも毎日増え続けている。危険な場所は、早急に伐採が必要!」と警鐘を鳴らします。

新井さんは、一昨年、自費で業者に委託して、高さ1メートルほど残して伐採しています。月日の経過で、雑草が生い茂っていますが、地面には、伐採して倒してある木の姿も見えました。

 

 

 

 

流木になる前に、木材として活用する手立ては?

ここ数年、山が樹木ごと大崩落をして、巨木が流木となる大規模災害が、全国的に起こっています。こうした中、各県にある森林組合や農林業者の力、学者など専門家の力と、行政の力を結集して、データを集め、緊急性の高いところから必要な手立てを講じていくこと、また、せっかくある県産の木材を生かし、市場に回るような手立ても考えて行く必要があるのではないでしょうか。

党県議団は、流木対策も含めた森林政策について、今後も議会で取り上げていきたいと考えています。