児童相談所一時保護所内での人権尊重を 校則に子どもの声をとりいれて

12月9日秋山もえ県議は一般質問を行い、県立高等学校の校則問題や一時保護所内での人権問題、手話通訳者養成について取り上げました。

「髪型でこころが見えるのか!」高校生の声を聴け

もえ県議は、高校生や保護者との対話の中で印象的だったのは「髪型で人のこころが見えるのか」という県立高校生の言葉だと語りました。この生徒の学校では「髪の長さは、耳にかからない、前髪は眉毛の上にかからない」「ツーブロックは、ダメ」「傷んで茶髪になってもダメ」「女子のスカート丈は膝頭の上部とする」など髪型や服装について細かな規定が決められています。もえ県議は「子どもの権利条約の精神を生かし、校則に生徒の意見を積極的に取り入れるべきと考える」と教育長に求めました。

教育長は、「県立高校の中には、身だしなみなどの校則の見直しにあたって、生徒会等に参画させる取組を行っている学校がある。校則に対する生徒の意見を、学校の教育目的を達成するために、必要かつ合理的な範囲で取り入れることは、校則に対する理解を深め、生徒が主体的に校則を守っていこうとする態度を養う良い機会になると考えている」と答弁しました。

「一時保護所は刑務所みたい」女子高生の言葉受け止め

コロナ禍で子どもたちへの虐待件数も増えています。虐待を受けた子どもたちは児童相談所で保護され、一時保護所などで過ごすことになりますが、県内には一時保護所が4ヶ所しかなく、つねに満杯です。

先日、一時保護所の改善が必要だと、関東地方の若手の専門職の方たちが「いちほの会」という「会」を立ち上げ、交流と勉強会を重ねていることが東京新聞で報じられました。秋山もえ県議は、自身が相談を受けた女子高校生の例を紹介。女子高生は埼玉県の一時保護所に保護されるにあたり、全裸での検査が行われショックをうけ「もう二度と一時保護所には入りたくない。刑務所みたい」ともえ県議に訴えました。

児童に必要性説明し、同意を得る

もえ県議は、「保護されるべき子どもたちの人権が無視されるような場であってはならない。県一時保護所内のルールを改定すべきだ」と質問しました。山崎達也福祉部長は「身体検査については、傷やあざがないかの確認や危険物の持ち込み防止のため、児童に必要性を説明し、同意を得た上で最小限の範囲で行っている。今後も、一時保護所の運営に当たっては、児童の権利が尊重され、安心して生活できるよう努める」と答弁しました。

また、もえ県議は、県一時保護所が4カ所では少ないと、建設予定の熊谷児相の一時保護所をはじめ7ヶ所すべての児童相談所に対応する一時保護所を設置すべきと求めました。福祉部長は「今後も、新たな一時保護所の設置について検討する」と答えました。

 

手話通訳者が足りない、埼玉聴覚障害者情報センターの体制強化を

もえ県議は、聴覚障害者情報センターを視察したことから、手話通訳者の養成について取り上げました。

手話通訳者の派遣事業は、各市町村の義務となっていますが、自前で手話通訳派遣事業を実施できない市町村が27市町村あり、市町村が自前で通訳者を派遣できない場合、情報センターが通訳者を派遣しています。通訳者が足りず、協力できないこともしばしばあります。情報センターの専任通訳者8人という体制について、若手育成の観点からも、市町村の通訳者育成のためにも、さらなる増員・強化を求めました。福祉部長は「手話通訳者の養成と派遣を円滑に進めていくため、センターには専任手話通訳者の計画的な配置・育成を図っていただく必要がある。県としても委託業務を遂行していただく上での課題や問題点を丁寧に聞き、検討する」と答弁しました。