埼玉・小鹿野町で大規模な土砂崩れー大きな損害に途方にくれる住民

崩落現場を背に、防災服が村岡正嗣県議、ヘルメット姿は出浦正夫小鹿野町議

台風21号によって埼玉県では川の氾濫や浸水、土砂崩れ等、各地で被害が相次ぎました。10月26日、日本共産党県議団は22日未明に小鹿野町般若で起きた土砂崩れ現場を地元町議らと調査しました。

水につかり被害を受けた作業場を視察

土砂が川をせき止めてしまって

現場は開発業者が川沿いの岸に土砂をたい積して太陽光発電事業を行っている造成地で、幅約70m、最大高さ約20mにわたって斜面の土砂が崩れ落ちました。土砂は対岸の畑まで埋め尽くし真下の長留川をせき止め、溢れ出た川の水で周辺一帯が水没する事態となりました。

住人の甚大な被害

秩父県土整備事務所と秩父環境管理事務所に申し入れ

すぐ近くで建設業を営む男性は、「加工作業場及び材料置き場は、床より2m以上も水没した。新築用の加工済み材料や長年備蓄してきた材料、加工機械や道具類すべてが水につかり使い物にならない。損害は甚大で今後の仕事の目途もたたない。自宅の建替えのため運び込んだ家財道具も一式水没してしまった」と途方に暮れていました。

同じく現場近くの兼業農家の方は「23日午前2時過ぎにカミナリのような音を聞き異変を感じた。慌てて真っ暗闇の中を集会所まで家族で避難した。もう怖くて住めない」と証言、農作物は水に浸かり売り物にならないそうです。住民のみなさんは異口同音に、あの斜面はいつ崩れてもおかしくなかった、と言います。

造成後、行政指導がなされなかった結果

当初の造成は事業面積が3000㎡を超え、県の許可をとって行われました。平成25年6月に県の工事完了検査を受けていますが、住民の話では「1年もたたないうちに土砂のたい積が再開され、下から見上げると垂直に見えるほどになった、怖かった」と言います。今回、まさにそのたい積部分が崩落しました。再開し、追加されたその造成事業面積は1000㎡程度で県の許可対象外として、行政側からの指導はなされませんでした。さらに住民からは産業廃棄物が持ち込まれていた疑いもあるとの指摘もありました。

党県議団はただちに、秩父県土整備事務所および秩父環境管理事務所へ出向き、土砂たい積を行った事業者に対して流出土砂の搬出、二次被害の防止、被災者に誠意を持って対応するよう指導する事を申し入れました。同時に、県として被害の実態把握と再発防止、被災者支援に取組むよう求めました。