1票の格差は必ず2倍未満にー埼玉県議選挙定数区割りについて提案

10月6日、埼玉県議会議員定数・選挙区等検討協議会が開かれ、日本共産党の村岡正嗣県議は1票の格差を必ず2倍未満とするなどの提案を行いました。2018年に行われた埼玉県議会議員選挙では3.401倍でした。格差を2倍未満と提案したのは、日本共産党だけです。

提案説明全文は以下のとおり

2022年10月6日

日本共産党埼玉県議会議員団

埼玉県議会議員の定数並びに選挙区等の改定についての提案

基本的な考え方をご説明します。

第1は、1票の格差をすべて2未満に抑えたことです。

また、人口の多い選挙区の定数が人口の少ない選挙区の定数より少ない「逆転現象」も解消しています。議員一人あたりの人口が2倍を超えるということは1票の価値が半分になるということです。憲法の平等原則に基づく「人口比例原則の緩和の程度は、1対2を超えることは許されない」(87年最高裁)という判例にも反するものです。前回2019年の県議会議員選挙では9千票台で当選、1万8千票台でも落選という選挙区がありました。

第2に、県民の多様な民意がより反映できるよう政令市を含め1人区をできる限り見直したことです。

1人区は議席に結び付かない死票を生み、立候補者の減少・無投票区の増加など民意の反映という点で重大な欠陥を持っております。前回の県議会議員選挙でも27の1人区で14選挙区が無投票となり、前々回より倍増しました。そこで政令市のさいたま市は衆議院小選挙区単位とするとともに、比企地域の町村を近隣市と合区し複数区を増やしました。

第3に秩父地域の特例措置終了に伴い、北1区と北2区を合区し、定数2としました。

広域かつ中山間地特有の課題が集中する秩父地域については、その民意が十分に反映できるよう配慮が必要と考えました。

第4に美里町は児玉郡市の地域的一体性を考慮して北3区と合区としました。

前回選挙時本庄市議会も同様の趣旨の意見書を全会一致で可決しています。

第5は、人口増に見合う見直しを行ったことです。

議員定数は1979年度(昭和54年度)に94とされて以来据え置かれ、8年前にさらに1議席削減されました。この間本県の人口は1979年の482万人から2019年の734万人へと252万人増加しています。増加分だけでも、人口258万人・定数60の京都府に匹敵します。選挙制度の根幹は多様な民意をできる限り正確に、議席に反映することです。その点において現行の93は極めて不十分です。

以上5つの観点を総合的に勘案した結果、総定数は105となりました。

 なお、県民の中には「議員が多すぎる」「選挙で何も変わらない」といった感情があるのも事実です。政務活動費をめぐる不祥事などから議員への不信感もあります。さらに、行政が職員を減らしているのだから、議員も自ら身を切る必要があるとの主張もあります。しかし、業務の効率化によって増減する職員の数と、住民意志を行政に反映する代議機関を構成する議員の定数を同列に語るには無理があります。わが党は、議員が自ら襟を正すのは当然ですが、議会の役割がますます重要になっている現状において、議員定数に関して単純な一律削減論は適当ではないと考えます。

 最後に報酬や政務活動費、費用弁償、議会視察の見直し、公用車見直しなど議会のあるべき姿の包括的な議会改革は当然必要と考えての本提案であることを強調して、提案説明とします。

以上