「若者労働ほっとライン」をSNSで拡散を 知事「とてもいい提案だ。さっそくやりたい」

DSC_1120予算特別委員会は22日に総括質疑を行い、村岡正嗣県議がブラックバイト問題や給付型奨学金の創設について知事に質問しました。

 

ブラックバイトについての知事の認識は?

従業員に劣悪な環境での労働を強いるブラック企業とともに、高校生や学生にもブラックバイトが広がっています。村岡県議は「コンビニバイトの大学生。38度の熱が出て『帰らせてほしい』というと、『代わりを見つけろ』と、バイト名簿の一覧を渡され、自分で電話をかけさせられた」「飲食店でバイトの高校生。仕事用として履く靴の代金を給料から差っ引かれた。制服のクリーニング代を請求された」など深刻な実態を紹介。賃金の未払い、や長時間労働など、ブラックバイトに苦しむ高校生や学生の現状について知事の認識を質しました。

知事は「委員が言われたようなことがあるという報告はうけている」と答えました。

「ワークルール」講座を県立高校で進めよ

続いて村岡県議は、高校生・学生に「労働」について、学ぶ機会をしっかりつくってほしいと要求。さいたま市内の高校へ出前講座として「ワークルール」講座に力を入れている埼玉弁護士会の取り組みを紹介し、関係機関とも協力して「働き方のルール」=「ワークルール」講座を、まず県立高校から進めるよう提案しました。

教育長は「高校では、雇用や労働のルールについて考察させるさまざまな授業をしている」と述べました。

「若者労働ほっとライン」をSNSで拡散を

村岡県議は被害を受けた若者の救済のために、県が実施している若者向け相談窓口「若者労働ほっとライン」をもっともっと高校生や学生の中に広げてほしいと強調。例えば、「いやだブラックバイト@さいたま」などのアカウントをつくって「ほっとライン」の情報を流すことを提案しました。

知事は「とてもいい提案だと思う。情報の管理等で課題がなければ、さっそくやりたい」と答えました。

県内事業者への指導・助言が大事

さらに、事業者が加害者になることを防ぐため、事業者向けの助言も行う「京都ブラックバイト対策協議会」の取り組みにふれ、県内事業者への指導・助言にも対応できるよう「若者労働連携会議」の発展・拡充を知事に求めました。

知事は「ブラックバイトに関する議論がもしされていないならば、さっそくその部分をいれて具体的な成果が出せる提案をしていただきたい」と述べました。

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知事 給付型奨学金は財政的に困難

学生支援機構の奨学生の約7割は有利子で、延滞金は年5%。滞納が3ヵ月超えると債券回収業者へ回され、過酷な取り立てが始まります。村岡県議は卒業時の返済額が240万円、長時間労働で病気になり退職、返済できず自己破産に追い込まれた県内の女性の事例を紹介し、問題の根本に家計収入の低下と学費の高騰があると指摘。来年度、文系で年15万円、理系年25万円の給付型奨学金を実施する長野県の取り組みにふれ、埼玉県として学生向けの給付型奨学金を創設するよう強く求めました。

知事は「人口の多い県で制度化されると財政的に困難」と答えました。

無料相談の周知徹底を 知事「いい提案」

さらに、村岡県議は、奨学金に関する様々な疑問や悩みをどこに相談してよいか分からず抱え込む若者の現状を指摘。弁護士や司法書士などがつくる「埼玉奨学金問題ネットワーク」の無料電話相談を紹介し、このような相談窓口を県としても周知徹底するよう求めました。知事は「いいご提案なので、さっそく受け止めたい」と答えました。

総括質疑議事録(県議団作成)平成28年2月予算村岡 0322総括