県内総合リハビリの中核施設、リハビリテーションセンターを視察

挨拶をする太田晴彦事務局長

11月27日、日本共産党埼玉県議団は上尾市にある埼玉県総合リハビリテーションセンターを訪問、視察しました。柳下礼子、金子正江、村岡正嗣、前原かづえ、秋山文和の各県議、県議候補の秋山もえ上尾市議が参加しました。

 

高次脳機能障害者への専門的支援センターとして

木工作業を行う作業室

バレーボールと卓球を組み合わせた競技をしていた患者とスポーツ指導員

 

リハビリテーションセンターは県の障害者総合リハビリの中核施設として、「相談」、「医療活動」、「職業訓練・社会復帰訓練」という3つの分野の活動をおこなっています。2011年より同センター内に高次脳機能障害者支援センターを開設し、「総合相談窓口」を通じ当事者や家族らに専門的支援を行っています。相談件数は昨年度でのべ4145件にのぼります。高次脳機能障害とは事故や病気などで脳に損傷を受けた後、記憶力や注意力の低下等の症状が現れ、日常生活に支障をきたしてしまう障害をいいます。

しかし、現在、相談員の体制は、他の業務を兼務した常勤4名、非常勤2名の計6名に過ぎません。

訓練の内容に応じた多種多様な訓練設備

概要の説明を受けた後、太田晴彦同センター事務局長の案内で施設内を見学しました。

センター玄関前で丸山徹センター長と県議団、秋山もえ市議

最初に訪れたのは機能回復訓練を行う理学療法室でした。様々な器具や運動方法による訓練を見学しました。その後、自動車運転の機能訓練のためのシュミレーター室、医療相談室、歯科診療室など、センター内の様々な施設を見学しました。リハビリの一環として木工作業を行う部屋やパッチワークなど彩り豊かな絵を作成している部屋にも訪問し、製作の手順を説明してもらいました。

案内してくれた職員の方は「このセンターでは脳血管障害や脊髄損傷などによって障害を負った方が、どうしたら社会に復帰し、自らの生活環境に適応できるかを考えている」「ただ、患者の年齢や各々の住み慣れた生活環境、さらに仕事に復帰するか否かによっても訓練のメニューは変わっていく」「機能回復から社会復帰まで幅広い訓練やカウンセリングを行うので患者は入所した方が効果は大きい」と話してくれました。

頭の中に地図を描く訓練

視覚障害を負った方の訓練施設にも行き、廊下を白い杖を頼りに歩行する視覚障害者への訓練を行っていた指導員の方にもお話をお聞きしました。訓練を受ける人はおおよそ3ヶ月間、センター内で歩行のための技術を身につけた後、センター周辺の一般歩道を歩いて頭の中に地図を描いていく特訓をしていくそうです。実際には街中の段差や様々な雑音などにも対応していかなくてはいけないため開始してから1年以上かけて訓練を終了します。

包括的な治療、訓練をおこなう同センターのかけがえのない重要性を痛感した視察でした。