(1)企業撤退と地域経済への影響について
守屋ひろ子委員
特別委員会でも報告がありましたが、企業誘致大作戦でこの14ヶ月の間に2400件を超える企業訪問があり、98件の企業立地に成功したということで、職員の努力には敬意を表するものです。
しかしその一方で、企業の県外流出も問題になっています。なかでも、音響メーカーのパイオニア所沢事業所が閉鎖されることが明らかになって、地元では大きな問題となっています。
そこで知事にお聞きしますが、パイオニア所沢事業所の閉鎖による雇用や下請中小企業などへの影響について、県は把握しているのでしょうか。把握しているのなら、その内容について明らかにしてください。また、移転後の跡地利用について県は何か情報を得ているのか、併せてお伺いいたします。知事お願い致します。
上田清司知事
まずパイオニア所沢事業所の閉鎖がございましたので、企業誘致推進室の職員が東京・目黒のパイオニアも含めてですね、事情把握に行ったところでございます。ただあの、十分把握したかどうかということについて言えば、検討を進めておられますので、こうなったという話にはなっておりません。約2千人の再配置の対応については、まだつまびらかにしていただいておりません。県内の中小企業下請取引についてもですね、埼玉県中小企業振興公社で様々な相談に応じているところですが、パイオニア所沢事業所の閉鎖に係わった形での相談はないと伺っております。これからも、産業労働センターもございますので、そちらを通じて必要に応じて地域における状況を把握したい、このように思っております。
守屋委員
私どもが得ている情報では、所沢事業所の従業員は正社員が約1400人、派遣・請負社員が約600人で、所沢、川越の事業所の関連企業は約400社だと聞いています。
これだけの従業員と関連企業をもつ事業所が閉鎖となれば、地域の雇用と経済に及ぼす影響は計り知れません。第1に、退職を余儀なくされる従業員が相当数にのぼるとみられること。第2に、県内の下請関連企業への影響が大きいこと。第3に、周辺の商店街や地域経済に与える影響が考えられることです。
そこで、知事にお聞き致しますが、 所沢市では助役が1月24日にパイオニアの本社を訪れて、事業の継続を働きかけるとともに工場跡地については市のまちづくりの発展につながるような配慮を求めたと聞いていますが、県としても、パイオニアに対して所沢事業所の事業活動の継続を働きかけるべきではないですか。
また、事業所が撤退した跡地については、大型商業施設の進出が予定されているようだという情報を聞いております。もし、そうなると周辺の商店街など地域経済に与える影響が大きくなります。
事業所は準工業地域なのですから、跡地については、県が工場誘致を斡旋するなどの対策が必要ではないでしょうか。 知事、お伺い致します。
上田知事
確かに、移転の跡地利用についてですね、何らかの形で県が先導的にですね、いろんな形で引っ張っていける部分があるといいんですが、まだ現実にはパイオニアの方から現在検討中であるという回答しか得ておりませんので、そこまで引っ張っていってない現状がございますので、もう少しですね、概要が見えたらその時点で、いまご指摘頂いた方向でですね、どれだけ出来るかはともかく、ひっぱっていければいいなと思っております。
もちろん、基本的にはもう少し所沢市の方の動きと合わせていければいいなと思っております。
守屋委員
いまの知事の答弁ですと、最終的にはね、企業の経営判断ということになるわですけど、やはり企業が事業所をたたむとか、縮小するといった場合には、関係する自治体にはきちんと情報を開示するという、これが企業、とりわけ大企業の社会的責任ではないかと思うんです。
事業所の事業活動の継続を知事自らパイオニアに対して働きかける考えはないのですか。また、パイオニアに対して情報の開示を求めるべきと考えますが、知事の答弁をお伺いいたします。
上田知事
基本的には所沢市がそのような対応をしておりますので、それと合わせる形でですね、例えば斉籐市長の方から知事も乗り出せとかですね、そういう話しになれば、ご指摘のような対応をしたいと思っておりますが、現在のところはそこまで準備をしておりません。
守屋議員
私は関係する自治体に情報を開示するというのは大企業の社会的な責任であるということを申し添えて、次に移らせて頂きたいと思います。