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知事提出議案に対する山岸あき子議員の反対討論

 第157号議案「埼玉県学校設置条例の一部を改正する条例」並びに第167号議案「市の廃置分合について」に対する反対討論

 最初に、第157号議案についてです。
 この議案は、県立浦和第一女子高等学校と県立鴻巣女子高等学校の附属幼稚園を廃止するための条例改正でありますが、わが党は以下の理由により反対するものです。
 浦和一女付属幼稚園は昭和18年の設立と長い歴史をもち、かつ、文部省や県教育委員会の研究指定園や幼稚園教育研究の委嘱を受けるなど本県の幼児教育の中核として、また研究面でのリーダー的な存在として、本県の幼児教育の振興のうえで大きな役割を担ってきた施設であります。
 また、鴻巣女子高の付属幼稚園も、昭和47年以来、時代の要請に応じた保育活動を行うとともに、高等学校の保育実習を通じた人材育成や県内公立・私立幼稚園教員等の研修を行うなど、公的機関でなくてはできない特色ある教育・研修活動を行い、本県の幼児教育の振興にやはり大きな役割を担ってきました。
 県教委は、本県の幼児教育の振興に先進的な役割を果たしてきた両園の存在意義を十分評価しながらも、急激な少子化の進行や高等学校卒業時点での保育士の資格が取得出来なくなったことなど社会情勢の変化、あるいは、県全体の幼稚園児数に占める割合がごくわずかであるといった理由で、「今後引き続いて県が幼稚園を設置し、運営する明確な意義を見いだしがたい」と、両園の廃止を合理化しています。
 しかし、核家族化の進行や母子・父子家庭の増加など子どもを取り巻く状況がますます厳しさを増し、子育てに悩みを抱える親が増えてきている中で、幼児教育に係る県民や保護者からの相談に対応できる地域の幼児教育センターとしての機能や、幼児教育の中核的な研究・研修施設としての役割がますます大きくなっているように思います。
 また、県教委は特色ある学校づくりを目指して様々な改革に取り組んでおりますが、付属幼稚園の廃止はこうした本県の方針とも矛盾するものではないでしょうか。
 鴻巣女子高では、県内で唯一保育科がおかれ附属幼稚園での実習が行われていますが、こういう貴重な学科をもつ学校の特色を生かし、魅力ある学校づくりの実践例として、その教育実践をむしろ支援すべきであります。
 以上が、第157号議案に対する反対理由であります。
 次に、第167号議案「市の廃置分合について」です。
 この議案は、平成17年4月1日をもって岩槻市を廃し、その区域をさいたま市に編入することについて議決を求めるものですが、わが党は反対です。
 もとより、わが党は市町村合併そのものを否定するものではありません。しかしながら、合併を行うにあたっては、その地域に住む住民の意向が反映されなくてはいけません。
 ところが、さいたま市が行った意向調査は、市内の医師会や商工会議所といった各種団体の代表など400人余にアンケートを発送し、回答者356人のうち276人が「合併に向けて協議を進めるべき」との回答だったというものです。これで106万市民の意向を反映したというのでは、余りも乱暴なやり方ではないでしょうか。
 岩槻市でも、昨年行った住民投票では約9万人の有権者のうち、合併先にさいたま市を選んだ市民は2万3千人と少数で、しかも、さいたま市との合併について再度の住民投票を求める住民の声を無視して合併が進められました。
 将来に禍根を残さないためにも、合併については慎重を期し、住民の意思確認を十分行った上で実施すべきであります。
 以上の理由から、第167号議案には反対です。


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