あなたの願いを県政にとどけます 日本共産党埼玉県議会議員団

政策・提案

2013年度埼玉県の施策並びに予算編成に対する重点要望・提案

2013年度埼玉県の施策並びに
予算編成に対する重点要望・提案







2012年10月30日
埼玉県知事
上田 清司 様
日本共産党埼玉県委員会
 委員長 小松崎 久仁夫
日本共産党埼玉県議会議員団
 団 長  柳下  礼子


日頃の県政運営に対しまして敬意を表します。
昨年3月11日の東日本大震災と福島第1原発事故からすでに1年半以上が経過しました。ところが、被災者の生活再建も被災地の復興支援も緒に就いたばかりです。本県では秩父の鹿から高濃度のセシウムが検出されました。福島県での放射能汚染は深刻ですがその影響は本県にも及んでいます。
この国難とも言うべき事態を経て、今、社会のあり方そのものが根本から問われております。必要なことは、引き続き被災地の復興を支援すること。原子力発電から直ちに撤退すること。自然エネルギーの活用・省エネルギー政策の強力な推進を図ることです。それは県政においても同様ですが、震災の大きな教訓は災害に強い埼玉県をつくることであり、平常時からの福祉と医療など社会保障の充実こそが災害への最大の備えだと言うことでした。
民主党政権が強行した「税と社会保障の一体改革」の名のもとの、消費税増税をはじめとする庶民増税と社会保障の改悪は、この教訓に逆行し県民生活を一層苦境に追い込むものです。よって、国の悪政から県民のくらしを守る防波堤の役割がこれからの県政に強く求められています。こうした中、10月から西埼玉中央病院の周産期医療が休止しているように、各地の病院で周産期医療・小児科医療が休止に追い込まれたことは重大です。埼玉県の10万人あたりの医師数は全国最低であり医師不足解消対策は喫緊の課題です。
また、依然として多くの県内企業が厳しい経営を強いられ存亡の危機に直面しています。9月定例会で中小企業振興条例改正が行われましたが、条例に基づく実効ある措置が必要です。

よって、2013年度予算の編成にあたって右記の通り161項目の重点要望・提案を提出するものです。



T.東日本大震災の被災地・被災者支援、震災の教訓に学んで災害に強いまちづくり、原発依存から抜け出し自然エネルギーの開発普及促進を(7項目)
U.憲法と地方自治を守り、県民参加による民主的で効率的な行財政の確立を
(10項目)
V.県民のいのちと健康、暮らしを支える福祉・保健・医療の充実を
(30項目)
W.安定した雇用の確保と女性の地位向上を(13項目)
X.中小企業・地場産業の振興で地域経済の活性化を(16項目)
Y.農林業の再生で安全で安定した食料の供給を(16項目)
Z.緑と環境を守り、人にやさしい持続可能な社会の実現を (17項目)
[.不要不急の公共事業を見直し、地域密着型の公共事業の推進を(7項目)
\.確かな学力と豊かな人間性を育む教育・文化・スポーツの振興を
(29項目)
].安全で快適なまちづくりを(16項目)
                            以上161項目


重点要望・提案事項

T.東日本大震災の被災地・被災者支援 震災の教訓に学んで災害に強いまちづくり、原発依存から抜け出し自然エネルギーの開発普及促進を(7項目)

1.東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手、宮城、福島各県の真の復興のため、ひき続き3県からの支援要請に対しては誠意を持って全力でこたえる。(危機管理防災部)
2.放射能汚染対策について
@県実施の空間放射線量測定を来年度も継続する。東部や秩父地域の市町村の実施する放射能検査や空間放射線量測定に対し財政的・技術的に支援する。(危機管理防災部)
A狭山茶の振興のため、引き続き県としてイベントなどで宣伝につとめ支援を行うこと。(農林部)
B市場流通している全ての農畜産物について検査体制を強化し情報を公開する。そのためにも、農林部はじめ担当部局の職員体制を抜本的に強化する。(農林部、保健医療部)
C市町村学校給食の食材の産地公開と放射能調査を支援する。(教育局)
D浄水発生土や下水処理汚泥焼却灰の受け入れ先をできるだけ早く決定する。浄水場や水循環センター内に保管する場合は、建屋で囲うことを基本に飛散・流出防止に万全を期す。周辺自治体・住民への説明を十分に行う。(企業局、下水道局)
E東京電力に対して、風評被害に対する賠償を完全実施するよう強く申し入れる。観光業はじめ県内事業への被害実態を把握し、補償交渉を支援する。(産業労働部)
F東京電力の値上げについて県内事業者の被害実態を調査し、支援を強化する。(産業労働部)
3.県内被災地の支援について
@久喜市南栗橋地域や加須市大利根地域のように、被災者生活再建支援法の適用を受けた地域に対し、県独自に支援金を支給する。(危機管理防災部)
A被災者生活再建支援法の適用を受けられない建物被害についても、県独自の支援制度を検討する。また、被災者生活再建支援法の改善を国に求める。(危機管理防災部)
4.東北3県など被災地からの県内避難者への支援について。
@民間賃貸住宅借上制度の延長、基準額の拡大を国に求め、住宅借り換えができるように改める(危機管理防災部)
A県営住宅を避難者に提供する場合は立地条件に配慮するとともに、高齢者や障害者に対してはできるだけ低層階やエレベーターのついた住宅を用意する。(都市整備部)
BUR都市機構の住宅に入居している避難者に対し、冷暖房施設の提供など生活環境改善をはかる。(危機管理防災部)
C高速料金の免除制度の再延長を国に求める。(危機管理)
5.震災の教訓を生かした地域防災計画の見直しについて(危機管理防災部)
@見直し作業では地域住民、特に子ども、高齢者、障害者などの「災害弱者」や女性の声を取り入れる。障害者団体や女性団体など関係団体と懇談の上で見直しを行う。
A被害想定の見直しを急ぎ、それを踏まえて災害発生時の被害をどれだけ減らすか(減災)の目標を設定し計画を早急に見直すこと。
Bハザードマップを土地利用の安全管理や災害危険地域の改善など減災対策に活用する。
6.災害に強いまちづくりについて
@首都圏直下の大地震などの被害想定に基づいて全市町村がハザードマップを作成するよう技術的・財政的に支援する。(危機管理防災部)
A住宅の耐震補強を促進するため、市町村と協力して簡易補強工法による耐震補強工事に対する県独自の助成制度をつくる。(都市整備部)
B住宅密集市街地の防災対策を推進するため、市町村の防災街区整備方針の策定を強力に支援するとともに、地区の防災計画の策定を推進する。(都市整備部)
C倉庫や化学工場、石油類貯蔵所などの総点検を実施し、改善の必要な事業所については耐震強化や安全対策を強力に指導する。(危機管理防災部)
D民間建築物に対する耐震診断・耐震改修補助については、延べ面積が500平方b以下の施設も対象にするよう規模要件を緩和すること。(都市整備部)
E病院や保育所等の医療・福祉施設については、期限を設定して耐震化を進めるための計画を持つとともに、支援制度の創設を検討する。(福祉部、保健医療部、都市整備部)
F大規模地震により倒壊等の危険性の高い公立小・中学校施設の耐震化を促進し、2015年までの耐震化目標を前倒しで完了させる。また、Is値0.3以上で耐震基準を満たしていない学校施設についても、国庫補助率を2分の1から3分の2に引き上げるよう国に求める。(教育局)
G私立学校の耐震診断・耐震改修のための補助制度をさらに充実する。(総務部)
H消防力の強化を図るため、市町村への財政支援を強化するとともに、消防団や自主防災組織との連携推進を支援するための施策を推進する。県主導による消防本部の広域化をやめる。(危機管理防災部)
7.原発依存から脱却し、自然エネルギーの開発普及促進と生活スタイルの転換を
@原子力発電からの早期撤退を国に要望する。自然エネルギーの開発促進のため、発送電分離や固定買い取り価格の増額など、国の制度充実を要望する。(環境部)
A自然エネルギーの開発普及促進計画を、環境基本計画から独立させる。県民の自然エネルギー活用に関する相談にワンストップで対応できるよう、部局横断組織を確立し体制を強化する。(環境部)
B県の施設を活用したメガソーラー事業者選定においては、地元地域への貢献・利益還元を重視する。(環境部)
C太陽光発電とともに、多様な自然エネルギーを開発普及促進するために、太陽光発電で実施されている支援事業を、他のエネルギー開発促進にも拡充する。(環境部)
D自然エネルギーの開発にチャレンジする県民や団体にインキュベーション施設など県有施設を提供すること。(環境部 産業労働部)
E自然エネルギー開発促進のための融資制度や市民ファンド創設支援を研究すること。
F下水処理施設において下水汚泥固形燃料化・消化ガス発電の研究をすすめること。
Gエネルギーの大量消費から脱却するために、エコタウン事業や啓発活動とともに、ヒートアイランド現象対策や緑化対策を強化すること。
H自動販売機やコンビニエンスストアの24時間営業、深夜の過剰なライトアップ、深夜労働や生産施設の24時間稼動などに対する指導と規制を強める。


U.憲法と地方自治を守り、県民参加による民主的で効率的な行財政の確立を(10項目)

1.県から市町村への権限移譲にあたっては、すでに実施した事務についての検証を行うこと
権限移譲の事務の実態に十分見合う分権推進交付金を手当てする。また、市町村にとって過度の負担となるような事務は移譲しない。補助金の整理合理化にあたっては市町村の財政に与える影響を十分考慮し、市町村との事前の協議を行う。(企画財政部)
2.行政需要の増大や雇用確保に逆行する県職員の定数削減計画を中止し、県民サービスの向上と県職員、教職員の労働条件を改善するため、定数条例を改正し大幅な人員増をおこなう。大震災やホルムアルデヒド事件の教訓として安心安全な給水・技術継承・緊急時の体制保障のためにも水道関係職員の削減は行わないこと。技術職員の養成を図ること。(企画財政部、教育局、企業局 )
3.政策立案や法令にもとづく県固有の業務については、民間委託を行わず、公務・公共サービスを守り充実する。(企画財政部)
4.県出資法人の整理合理化や事業の見直しにあたっては、プロパー職員の雇用確保に責任を負い、失業者をつくらない。特に奥武蔵あじさい館で働く労働者の希望者雇用継続は県の責任で実現する(企画財政部 福祉部)
5.保育所や学童保育クラブ、図書館など福祉や教育・文化施設等には営利を目的とする指定管理者制度の導入はなじまないので、導入しないよう市町村に対する指導・助言を行う。(企画財政部、福祉部、教育局)
6.県有地の未利用地については、大企業への払い下げや土地信託を行わず、公営住宅や福祉施設の建設用地など公共利用を優先する。(総務部)
7.介護施設や保育施設の用地確保をはかるため、公有地を積極的に活用できるようにするとともに、国有地の提供を国に働きかける。(総務部、福祉部)
8.税金の滞納処分にあたっては、機械的に財産調査や差押えを行わない。居住生活や生産活動のための土地建物や生活必需品や用具、生業用の自動車や生産用品、生活存続・事業継続用の預金及び給料は基本的人権や生存権を保障するものであり、差し押さえはしない方針を明確にすること。生活の実態や戸別の事情を十分把握した上で、きめ細やかな納税相談に応じる。取り立てに偏重した徴税業務に陥ることがないよう、個人住民税市町村表彰は取り止める。(総務部)
9.県平和資料館の指定管理者制度導入は撤回する。わが国の戦争被害の実相だけでなく、わが国がアジア諸国民に与えた加害の実相も含めて、県民に戦争と平和に関する客観的で科学的な情報を提供するためにも、今後も運営協議会の協議結果を尊重する。運営協議会と協力し、教育局と連携して、来館者数の増をはかる。(県民生活部)
10.県主催の憲法記念行事を復活するとともに、学校教育などあらゆる機会をとらえて日本国憲法の普及・啓発に努める。(県民生活部)


V.県民のいのちと健康、暮らしを支える福祉・保健・医療の充実を(30 項目)

1.乳幼児医療費公費負担制度については、子ども医療費公費負担制度として中学校卒業までの対象拡大を図るとともに、所得制限や自己負担を撤廃する。(保健医療部)
2.保育施策の充実について(福祉部)
@児童福祉施設の最低基準を定める条例は、現行の国の基準を上回るものにする。
A待機児童の解消を図るため、国に安心こども基金の延長・拡大を求める。延長されなかった場合は県が支援する。土地賃借料に対する県費補助も創設して認可保育施設の整備促進を図る。
B現在は6月までとなっている乳児途中入所促進事業のゼロ歳児対象月を9月まで延長するとともに、1、2歳児に対する補助を復活する。
C障害児保育対策費補助金を増額する。
D調理員担当者の人員増のための補助制度の創設とアレルギー等対応特別給食提供事業費の増額をはかる。
E社会福祉施設利用者サービス推進事業の維持・拡充を図るとともに、一時保育に対する県単独補助を創設する。また、延長保育やゼロ歳児保育、障害児保育などを安定的に行えるよう国に財政措置を求める。
F病児・病後児保育児事業の制度改変による補助減額分に対する補填措置を拡充する。また、国に対して補助金の算定方式を出来高払いから体制に応じたものに戻すよう求める。
G補助対象となっている認可外保育施設や家庭保育室に対する運営費補助を大幅に増額する。保護者に対する保育料補助制度を創設する。
H認可外保育施設が認可施設に移行するための施設整備事業費の増額をはかる。
I保育所の増設をはかるため一般財源化された公立保育所の運営費と建設費への国庫負担を復活させるよう国に求めること。
3.学童保育施策の充実について
@子ども子育て関連法に基づいて、市町村が条例で運営基準を定める際、県の先進的な基準を維持するよう強く働きかける。(福祉部)
A県の「放課後児童クラブ運営基準」に基づいて常勤指導員が複数配置できるよう、学童保育クラブ1施設当たりの補助基準額を増額する。(福祉部)
B大規模学童保育クラブの分離・増設を図るため、施設整備のための補助を拡充すること。(福祉部)
C特別支援学校放課後児童対策事業の指導員の人件費基準単価を増額する。(福祉部)
D障害児学童数に対する指導員の配置基準を「児童3人に指導員1人」に改善する。(福祉部)
E特別支援学校の敷地内に障害児学童保育施設の整備を推進する。(福祉部、教育局)
4.児童虐待防止対策の強化について(福祉部)
@引き続き児童相談所の増設を図るとともに、川越・熊谷相談所にも一時保護所の併設をすすめる。
A児童相談所の正規職員の増員、とりわけ、児童福祉司や臨床心理士の大幅な増員を図る。
B児童養護施設の職員配置基準を実態に合わせて見直しを図るとともに、施設の措置費を引き上げるよう国に求める。県単独事業として実施している児童養護施設等人材確保対策事業の充実をはかる。
C小規模児童養護施設や乳児院の整備を促進する。
5.児童自立支援施設「埼玉学園」の拡充を図ること。
6.高齢者介護の充実について(福祉部)
@特別養護老人ホームは、既存施設も含めて、介護支援センター、デイサービスなどをかねそなえた在宅福祉の拠点施設として、ほぼ中学校区ごとに整備を図る。
A療養病床の廃止を取りやめるよう国に求める。
B市町村が独自に行う低所得者に対する居宅介護サービス利用に係る利用者負担及び介護保険料の減免等に対する県独自の助成制度を創設する。
C介護保険財政にたいする国庫負担割合を5%引き上げるとともに、介護保険に係る保険料及び利用料の減免制度を国の制度として確立するよう国に求める。
D地域の高齢者の生活を総合的に支える地域包括支援センターをほぼ中学校区ごとに整備を図ることを基本にしながら、地域の実情に合った施設運営に対する財政支援や人材養成などの支援策を講じる。
E高齢者の「自立支援・介護予防事業」への予算を増額し、サービスの拡充を図る。
F介護施設職員の処遇改善のため実態調査を実施すること。また実効ある処遇改善の施策を国に求める。
7.高齢者虐待の防止に関する法整備を急ぐよう国に求めるとともに、被虐待高齢者の緊急避難受け入れ先の確保などの対策を進める。(福祉部)
8.障害者施策の充実について
@障害者総合支援法を障害者の立場に立って見直すよう国に働きかける。(福祉部)
A障害者自立支援法の廃止以前でも住民税非課税世帯からの利用料負担、施設利用者からの食費、水光熱費、医療費、個室利用料全額自己負担をやめるよう国に働きかける。障害者・家族の負担を軽減するために、県として住民税非課税世帯の利用料負担に対する補助を創設するなど県独自の負担軽減対策を講じる。(福祉部)
B福祉タクシー利用料金助成や自動車燃料費助成、施設入浴事業等を地域生活支援事業に追加するよう国に求める。(福祉部)
C1200人を超える待機児者数を重く受け止め、身体障害者療護施設や重症心身障害児施設、知的障害入所更生施設などの入所・通所施設の建設を年次計画を立て推進し、待機者の解消を早期に図る。特に、待機者の集中する県南地域の整備を重点的に図る。(福祉部)
D県単独事業の生活ホーム事業を継続するとともに、補助単価の引き上げや月額制の復活を図る。(福祉部)
Eグループホーム、ケアホームだけでなく、生活ホームへの自動火災報知器やスプリンクラー等に対しても補助金を創設し消防設備の整備をはかる。(福祉部)
F障害児・者生活サポート事業に係る補助限度額を引き上げる。(福祉部)
G在宅重度心身障害者手当の支給については所得制限や年齢制限(65歳以上の新規取得)を撤廃するとともに4級心臓障害者や精神障害者も対象に加える。(福祉部)
H精神障害者の社会復帰施設や地域生活支援センターの整備を推進する。また、ホームヘルプやグループホームなどの在宅福祉サービスの充実を図り、社会的入院の解消に努める。(福祉部)I全身性障害者介助人派遣事業をより利用しやすいものに拡充する。(福祉部)
J精神障害者手帳所持者の運賃割引が確実に実施されるよう県内バス会社に強く働きかける。鉄道会社にも働きかけ、とりわけ県出資事業団体であるニューシャトルや埼玉高速鉄道については早急に割引制度を適用する。(企画財政部、福祉部)
K障害者医療助成制度について精神障害者に対象を拡大する。(保健医療部)
9.国民健康保険について(保健医療部)
@市町村国保の広域化方針を撤回し、国保に対する国庫負担の割合を1984年の水準に計画的に戻し市町村国保の財政基盤を強化するよう国に求める。また、調整交付金とは別に市町村国保に対する県費単独補助を復活し、国保税の軽減をはかる。
A国民健康保険の「特定健診」「特定保健指導」に係る助成を大幅に増額するとともに、「特定健診」の健診項目の充実をはかる。
B低所得者等医療対策補助金の拡充と併せ市町村に制度の積極的活用を促す。
C国保税滞納者に対して短期被保険者証や資格証明書を発行しないよう市町村に働きかける。
10.高齢者医療の充実について(保健医療部)
@際限のない負担増と差別医療を押しつける後期高齢者医療制度を早期に廃止するとともに、75歳以上の高齢者の医療費を無料化するよう国に求める。
A後期高齢者医療の保険料滞納者に対する短期証の発行をやめ、すべての被保険者に保険証を交付するよう広域連合を指導・助言する。
B後期高齢者医療保険料を低く抑える観点から、広域連合に対して県独自に財政支援する。
11.福祉医療制度の充実について(保健医療部)
@乳幼児・ひとり親家庭・重度障害者の福祉医療助成制度については、現行の償還払いから現物給付に改善する。また、国に対し統一した公費負担制度の創設を求める。
A普通交付税不交付団体に対する補助率の引き下げをやめ、元の補助率に戻すとともに、財政状況が苦しい町村に対する補助率を3分の2に引き上げる。
B現物給付を実施している市町村に対する国民健康保険国庫負担金のペナルティ(減額)を廃止するよう国に求める。
12.市町村が実施するガン検診に対する国庫補助の復活を国に求める。(保健医療部)
13.細菌性髄膜炎予防のヒブワクチン、子宮頚がん予防ワクチン、肺炎球菌ワクチン、水痘ワクチンの予防接種の定期接種化を国に求める(保健医療部)
14.「肝炎対策基本法」にもとづき、薬害肝炎患者の早期救済を国に求める。(保健医療部)
15.高齢者の医療や介護の現場を支援する地域の中核的な医療機関の整備を進める。(保健医療部)
16. 花粉症やアトピー性皮膚炎などアレルギー疾患や喘息など化学物質による環境汚染が引き起こすとみられる疾病の実態把握を県として実施し、予防・治療に対する研究を促進するよう国に求める。(保健医療部)
17.大気汚染による気管支喘息患者の医療費に対する助成制度を創設する。(環境部、保健医療部)
18.特定疾患(難病)対策の対象疾患の拡大と超過負担の解消を国に求めるとともに、患者の自己負担に対する県の助成制度を設ける。難病・慢性疾患をもつ人たちの実態調査を国として早急に実施し、各関係法律を連携させて憲法、障害者権利条約とICFなどの理念の実現と難病患者の人権を守るために「難病対策基本法(仮称)」を制定するよう国に求める。(保健医療部)
19.生活保護行政及び低所得者対策について(福祉部)
@生活保護基準額の引き下げは行わないよう国に求めること。行き過ぎた扶養義務の強化は行わないこと。
A窓口での保護申請の不受理を根絶するよう各市に対する指導を強める。
B孤立死を防ぐために、生活保護制度についての広報啓発を強化する。制度の詳細や困ったときの相談窓口案内を全戸に配布する。公的な機関でも広く配布する。申請用紙は生活保護担当カウンターに設置すること。
C憲法が定める「生存権」に基づいて現行の国庫負担率を維持するとともに、級地指定についても生活実態に即したものに改善するよう国に求める。
D住居や食事を実態とかけはなれた高額料金で提供し、さまざまな名目をつけて保護費をほとんど“ピンハネ”する悪質業者や団体の野放しを許さない、実効ある対策を講じる。また国に対して悪質な「貧困ビジネス」を規制するための法整備を求める。国の法制定を待たずに条例整備を行う。
E福祉事務所に警察官OBを配置するのではなく、ケースワーカーの体制を強化し、専門職の採用を増やす。
20.石綿(アスベスト)曝露から県民の健康を守る
@石綿関連製造施設の従業員や元従業員とその家族、周辺住民を対象にした健康調査を実施するとともに、県立医療機関や保健所での健康相談や健診の体制を整える。(保健医療部、産業労働部、病院局)
A石綿の労災認定を抜本的に見直すとともに、被災者の見つけ出しをすすめ、建設労働者や「一人親方」も含めすべての健康被害者を救済する。周辺住民の被害認定でも、石綿肺や良性石綿胸水などを労災同様、対象に含めるよう国に求める。(産業労働部部)
B「アスベスト健康被害救済法」を改正し、認定枠の拡大と救済補償額の引き上げを図るよう国に求める。(保健医療部)
21.救急指定病院を増やす。救急隊が搬送先の病院を迅速に選定できるように、症状に応じて適切な処置ができる医療機関のリストが毎日定時に更新される「救急医療情報システム」の改善をはかる。(危機管理防災部、保健医療部)
22.小児・周産期母子医療・救急医療体制の整備について(保健医療部)
@各二次救急医療圏の輪番制を整備し小児救急医療体制の充実を図るとともに、初期患者が二次救急医療機関に集中しないよう初期救急への県の支援を強化する。
Aハイリスク出産の増加に対応できる総合周産期母子医療センターや地域周産期母子医療センターのさらなる増設や医師確保、NICUの増床をはかる。西埼玉中央病院や熊谷総合病院の周産期医療復活のため支援する。
B国に対し小児救急医療体制の整備に対する財政支援を強く求める。
C救急医療に係る診療報酬を見直すとともに、救急用病床を許可病床に加えないよう国に医療法上の運用改善を求める。
23.県立小児医療センターについて(病院局 企画財政部)
@移転計画について患者家族、関係自治体、地元自治会、地域の医療関係者などから丁寧に意見を聞きそれらを尊重すること。
A現在の県立小児医療センターは病棟など施設の耐震性を確保し、現在地に存続させること。
Bさいたま新都心8−1A街区の整備計画については、県の全力の支援で、さいたま赤十字病院に総合周産期母子医療センターを整備する。
24.医師不足解消と医療従事者の確保について(保健医療部)
@不足している小児科医・産科医などの医師確保を図るため、医学部の新設や定員増と、小児科・産科の診療報酬の見直しを国に働きかける。
A埼玉県立大学に医学部を設置する。
B院内保育所、産休育休復帰後の研修機関の体制を充実し、労働条件の改善などを進めて女性医師や看護師の復職を支援する。
C臨床研修医や医学生の奨学金を拡充する。県内の病院に臨床研修医が集まるよう、中小病院での受け入れが可能となる措置を実施する。県立病院での臨床研修医受け入れを促進する。
D医師確保対策の一環として県ドクターバンク「地域医療支援センター」を創設する。
E過失の有無にかかわらず医療事故被害者を救済する無過失補償制度を早期に創設するよう国に求める。
F助産院を地域の周産期医療ネットワークに位置づけ、「院内助産所」の設置を進めるなど、助産師と産科医の連携をはかるよう国に求める。
25.県立病院の独立行政法人化は行わず、直営を維持する。(病院局)
26.県内公立病院に対して「公立病院改革ガイドライン」を押し付けないよう国に求める。(企画財政部、保健医療部)
27.秩父地域など過疎地で地域医療の中核を担う公立の医療機関に対する助成措置を講じる。(保健医療部)
28. 妊婦健康診査にかかる地方財政措置については新たな財政負担が生じないよう国に対して働きかける。受診の利便性のために引き続き県において医師会や助産師会及び隣接県医療機関との一括契約を行うこと。(保健医療部)
29.新型インフルエンザやエイズなどの感染症対策や食品衛生監視など、保健所機能と職員体制を強化する。(保健医療部)
30.新型インフルエンザ対策の強化について(保健医療部)
@H5N1型ウィルスによるヒト・ヒト感染の強毒性インフルエンザなどの流行に備え、抗インフルエンザ薬とプレパンデミック・ワクチンの備蓄量を大幅に増やすなど、万全の体制を整える。
A感染症専門の医師・看護師の養成に努めるとともに、感染症医療機関を復活させるよう国に求める。


W.安定した雇用の確保と女性の地位向上を(13項目)

1.ハローワーク特区推進事業については、職業紹介事業は国が行うべき事業であり、その立場で慎重に検討する。安易に民間委託を行わないこと。(産業労働部)
2.県や市町村など地方公共団体におけるパート、臨時、嘱託、派遣などの雇用形態による差別的な賃金を改善する。均等待遇の原則に基づく賃金・一時金・諸手当・退職金の支給、経験年齢などを考慮した昇給制度を実施する。(企画財政部、総務部)
3.県内企業における不安定雇用の実態を調査し、企業に対して高校・大学卒業生を含む青年の採用拡大や正規雇用化を積極的に働きかける。また、埼玉労働局と連携しながら違法派遣や偽装請負が行われていないか調査し、結果を公表する。(産業労働部)
4.労働者派遣法を1999年の改悪前にもどし、派遣労働は一時的臨時的業種に限るとともに、登録型派遣は専門的業務のみにきびしく制限し、日雇派遣は全面禁止するよう国に早期の法改正を求める。(産業労働部)
5.大企業と中小企業との間にある福利厚生面での格差解消等を目的とした、中小企業勤労者福祉サービスセンターの設立を促進する。(産業労働部)
6.県立高等技術専門校については訓練指導員の増員や施設の整備、訓練科目の拡充、夜間コースの拡大など機能の充実を図る。(産業労働部)
7.現在1カ所設置されているヤングキャリアセンターを、県内に複数開設する。また、女性キャリアセンターを拡充する。(産業労働部)
8.障害者の雇用を促進するため、全ての市町村に障害者就労支援センターを設置できるよう支援を強める。(産業労働部)
9.県民間企業の障害者雇用率を引き上げるために働きかけを強化すること。特に定着率の高い特例子会社を誘致すること。(産業労働部)
10.障害者の法定雇用率を早期に達成できるよう計画的な取り組みをおこなう。法定雇用率を達成できていない教育局について特別の対策を講じる。(産業労働部、教育局)
11.急増するDV(ドメスティック・バイオレンス)対策について(県民生活部)
@DV相談に対応するため、県婦人相談センターのいっそうの充実を図る。
A市町村における配偶者暴力相談センターの設置を促進する。
BDV被害者及びその同伴者を安全に保護するための公的シェルターの整備を図るとともに、民間シェルターに対する支援を強める。また、加害者更生の取り組みを強化する。
12.県男女共同参画センターの拡充を図る。相談員の常勤化や設備の充実など機能を強化する。県内女性団体の連携強化を図るため、意見交換の場を設けるなど県としての積極的に役割を果たすこと(県民生活部)
13.県審議会委員等への女性の参画、県職員、教職員、警察職員等の管理職への登用を積極的に図るとともに、市町村での取り組みを支援する。(総務部、県民生活部、教育局、警察本部)


X.中小企業・地場産業の振興で地域経済の活性化を(16項目)

1. 中小企業振興基本条例に基づき、中小企業振興のための予算を増額する。海外展開への支援については世界との共生や国際交流の視点を重視すること。「大企業による代金の支払い遅延・減額を防止するとともに中小企業に不合理な負担を招く過剰な品質の要求などの行為を駆逐する」という中小企業憲章を尊重して、振興策を推進すること(産業労働部)
2.納税者の前年度の売上げが悪化している場合、地方税法第15条第1項第4号及び第5号を適用して地方税の徴収を猶予し、事業の再生を支援する。(総務部)
3.県制度融資並びに中小企業金融について(産業労働部)
@中小企業金融円滑化法の恒久化をはかるとともに、貸付条件変更等の相談や申込に対して利用者本位の立場できめ細やかに対応するよう金融機関に対する指導・監督を国に求める。
A日銀のゼロ金利政策に合わせて、制度融資の金利引き下げをおこなう。
B零細業者が県制度融資を利用するに際しては利子や信用保証料の補てんを行う。
C部分保証など中小企業信用保証制度の改悪を元に戻すよう国に求める。また、貸し渋りなど中小企業の資金調達が阻害されることがないよう万全の措置を講ずる。
4.中小企業への官公需発注の拡大
@県発注の公共工事については、下請業者も県内業者の活用を徹底する。また、下請工事代金が適正に保証されるよう元請業者への指導を徹底する。(県土整備部)
A県発注公共工事の中小企業への発注率を高めるため、分離・分割発注を進めるとともに、県の発注標準を遵守する。また、「適正な施工体制確保のための要領等の制定について」(県土整備部長通知)に基づいて「施工体制台帳」の整備徹底を図るとともに、元請に重層下請を含め下請金額の報告を明確に義務づけチェック体制の強化を図る。(総務部、県土整備部)
5.第2期「埼玉県公共調達改革推進工程表」の検証を行い、低価格による工事品質の低下や下請け業者への金銭的しわ寄せ防止に反映させること。(産業労働部)
6.秋田県などが行っている住宅リフォーム助成制度を県として実施すること。(産業労働部)
7.入札制度の改善について
@予定価格を設定する際は正確な設計・積算に努める。(総務部、県土整備部)
A総合評価型入札については、地元労働者の雇用率や労務費水準などの評価項目を加え、地元中小業者が優先して仕事を確保できる制度に改善を図る。(県土整備部)
8.県の委託業務や発注工事で業務委託契約を結ぶ際に、適正な労働条件や賃金が確保されるよう県独自の客観的な経費の基準を定め請負業者や下請業者に守らせる「公契約法」の制定を国に求めるとともに、県も「公契約条例」の制定について検討する。(総務部、産業労働部、県土整備部、出納局)
9.公共事業現場の労務費と単価について調査する。その際に下請け業者が実態を正直に申告しても不利を被らない仕組みを構築すること 
10.市町村の実施する小規模工事業者登録制度に対し、県として支援する。また、市町村の業者登録名簿を活用した県有施設の小規模工事発注をさらに推進する。(総務部、教育局、警察本部)
11.産業団地等への企業誘致にあたっては、県民の優先雇用と正規雇用創出を働きかけるとともに雇用実績について検証し、その結果を公表する。(産業労働部、企業局)
12.産業団地の造成にあたっては農振農用地の開発を極力抑制し、優良農地の保全につとめる。(都市整備部、企業局)
13.県内の貸金業者にたいし、威嚇的な取り立てや過剰貸し付けなどをしないよう適正な業務運営を指導する。また、ヤミ金融業者に対する取締りの徹底、ヤミ金融被害者相談への対応を図る。(県民生活部、産業労働部、警察本部)
14.所得税法第56条を廃止し、事業主、家族従業者の働き分(自家労働)を経費として認めるとともに、事業用資産については、一定期間の事業継承を条件に相続税の減免を認めるよう国に求める。(産業労働部)
15.大型店立地規制と商店街の振興対策について
@大型店や大規模集客施設を広域的に調整できる県独自の条例やガイドラインを制定する。(産業労働部、都市整備部)
A大規模集客施設の誘致を中核とした土地区画整理事業については地域商業に及ぼす影響などを考慮し、見直しを図る。(都市整備部)
B商店街の活性化をはかるため、空き店舗の借り上げや改装費などへの補助を拡充するとともに、公営住宅や福祉施設などの公共・公益施設とを組み合わせた商店街づくりを推進する。(産業労働部、都市整備部)
C商店街の活性化をはかるため、地元農産物の直売所の開設や朝市など農商工連携の取り組みを支援する。(産業労働部、農林部)
16.消費税増税を撤回することと、中小企業の消費税の延納措置を認めるとともに、免税点を引き上げるよう国に求める。(産業労働部)
 

Y.農林業の再生で安全で安定した食料の供給を(16項目)

1.100万トン水準に見合う備蓄米の買い入れや、ミニマムアクセス米の義務的輸入の中止を国に求める。(農林部)
2.日本農業に打撃となるTPP(環太平洋連携協定)への参加に反対するよう国に求める。(農林部)
3.県産ブランド米「彩のかがやき」の高温障害について 被害実態を調査し、被害の深刻な農家には販路獲得や保障など、個別に相談にのる。高温障害を防ぐための指導援助を強化する。一昨年同様、知事を先頭に販売促進に全力をあげる。(農林部)
4.一昨年のコメの高温被害、昨年の放射能被害の教訓から、高温に強い県産ブランド米の品種改良などの研究体制を強化する。農林振興センターの体制とくに専門職員や農業普及員を増員する。(農林部)
5.ホールクロップサイレージ(稲発酵飼料)の拡大に努める。(農林部)
6.中山間地域等直接支払い制度を恒久制度として立法化し、高齢化が進む実態を踏まえて、集落協定の要件の緩和、対象地域の拡大、協定期間の弾力化、事務手続きの簡素化など制度の改善を国に求める。(農林部)
7.有機農業や低農薬など、環境にやさしい農業に取り組む農家やグループを支援し、安全な農産物の生産を広げる。(農林部)
8.県産農産物の消費拡大を図るため、学校、病院、福祉施設等の給食や県内食品産業の加工品等への県産農産物の使用促進や直売所、加工場、体験交流型施設の設置や整備等を支援するなどの総合的な地産地消対策を講じる。(農林部)
9.増え続ける鳥獣被害を防止するため、鳥獣の生態や繁殖条件の調査を実施するとともに、増えすぎる鳥獣を適正な密度に減らす地域や市町村、猟友会の取り組みを支援する。また、国に対し鳥獣被害対策交付金を大幅に増やし、防護柵・わなの設置、捕獲物の利用など農家や自治体の取り組みへの支援を強めるよう求める。(農林部、環境部)
10.県産木材の利用を促進するために
@県有施設の木質化をいっそう促進する。本庁舎低層階の腰壁など本庁舎の木質化を推進する。(農林部)
A災害時に備え、安価で快適な木造仮設住宅の準備をすすめる。木造仮設住宅の良さを、イベントなどであらゆる機会を通じて積極的に普及する。(農林部)
B住宅建設における県産木材の利用促進のため助成制度を設ける。また、木質バイオマスによる間伐材や木くずの燃料化、バイオマス発電の推進など山村地域での新たな事業を促進する。ペレットストーブやボイラーの開発、普及を促進する(農林部、都市整備部)
11.荒廃する森林地域の環境維持のために林業予算を大幅に増額し、「緑の雇用事業」を推進する。林業後継者育成のための取り組みを強化する。(農林部)
12.山林の生態系に配慮し広葉樹の植林など推進する。(農林部)
13.都市農業の振興をはかる。
@生産緑地の指定条件を500平方メートルから300平方メートルに緩和し、追加指定を促進できるよう国に求める。(環境部)
A農業生産を行っている市街化区域内農地の相続税評価額は時価評価ではなく、農業投資価格の評価に改めるよう国に求める。(都市整備部、農林部)
B体験農園を都市農業における大事な施策として位置づけ、農業ボランティア、市民農園、都市住民による農業生産への参加など、地域の条件にあった農業生産への参加、農家と住民との交流が広げられるよう支援を強める。(農林部)
C農業協同組合が農業生産の技術指導や直売所の設置、生産・出荷の計画的実施など、生産と流通、加工など地域農業の振興に積極的な役割をはたせるよう支援・協力を強める。(農林部)
D農業用施設用地、屋敷林等を、都市計画等において、農業振興を図り緑地を保全すべき土地として明確に位置付ける「緑農地制度」を創設し、農地課税のあり方をふくめ規制と振興策の両面からその保全を図るよう国に申し入れる。(農林部 都市整備部)
14.農業後継者の育成確保のため、後継者に対する無利子・長期の経営資金の提供、経営と生産技術の習得機会の提供、青年男女の交流機会の拡大などに県と市町村、農業協同組合が一体となって取り組む。非農家や他産業からの農業への新規参入者の定着に力をいれ、一定期間の生活支援や資金、技術、農地の面での総合的な拡充する(農林部)
15.食の安全を守るために
@不良な食品や農産物等から食の安全を守るため検査・監視体制強化、情報共有化や危機管理体制を確立する。保健所の食品衛生の監視・検査部門を抜本的に強化する。(保健医療部)
ABSE(牛海綿状脳症)の全頭検査を継続すること(農林部)
16.消費者行政推進費や消費生活相談等運営費など消費者保護のための予算を大幅に増額し、相談員の増員や消費生活支援センターの機能の充実を図るとともに、全ての市町村に消費者センターを設置できるよう未設置8町村への指導・援助を強める。(県民生活部)
 

Z.緑と環境を守り、人にやさしい持続可能な社会の実現を(17項目)

1.産業廃棄物処理の事業者責任を明確にし、不法投棄の防止など産業廃棄物処理対策を強化する。県内外を問わず産廃などの不法投棄を行った産廃業者等に対しては許可を取り消すなど厳罰で臨む。(環境部)
2.産業廃棄物不法投棄の原状回復をはかるため、廃棄物処理業者に対する強制加入保険制度や供託金制度の導入を国に働きかける。(環境部)
3.生ゴミのたい肥化事業を実施している市町村に対する財政支援を図り、一般廃棄物の減量化を推進する。(環境部)
4.ゴミの発生を設計・生産段階から削減するために、自治体と住民に負担を押しつける現行のリサイクルシステムを「拡大生産者責任制度」に立って抜本的に見直すよう国に求める。(環境部)
5.不正軽油の生成から大量に発生する硫酸ピッチや、地下水から法定基準値を超えて検出されるヒ素やセレンなどの有害物質による環境汚染を防止するとともに、事業者への立ち入り検査を実施し、違反者への厳格な指導と監督をおこなう。また、不法投棄のルートと関与者の解明、違反者など排出者の責任による撤去を実施させる。(環境部)
6.自動車排ガス対策の強化について(環境部)
@大気汚染の原因となる微小粒子状物質PM2・5の測定体制を強化し、一刻も早く環境基準を達成できるよう国に対策を求める。
A次世代自動車など低公害車の普及を図るためにグリーン税制の一層の拡充を国に求める。
7.二酸化炭素(CO2)削減に取り組む中小企業に対して資金面や技術開発面で支援措置を講ずるよう国に求める。(環境部)
8.アスベストによる大気汚染防止対策について(環境部)
@石綿使用施設の解体、解体作業等の立入調査や石綿濃度調査を徹底し、飛散防止に万全を尽くす。また、大気中の環境基準を定めるよう国に引き続き求める。
A再生砕石へのアスベスト混入問題の実態解明を進めるとともに、解体作業現場や再生砕石工場への立入調査を強化する。また、住宅等の解体時にアスベスト除去が適正に行われるよう解体工事について適正な請負価格で契約が行われるよう元請業者を指導する。(環境部)
9.温室効果ガス大口排出事業者に対しては削減計画の提出にとどまらず、県との協定を締結し、計画の達成を義務づける。(環境部)
10.比企丘陵、狭山丘陵、三富新田、見沼田んぼ、平林寺周辺など都市近郊緑地を開発から守るとともに、都市部に残されている貴重な山林や屋敷林についても積極的な保全対策を講ずる。相続税の納税猶予制度の創設など緑地保全にかかる税制上の優遇措置の拡大を国に求める。この地内の農業振興に特別の支援を行う(環境部、企画財政部、農林部)
11.狭山丘陵「緑の森博物館事業」の所沢市域分と「生きものふれあいの里」スポットの公有地化を促進する。(環境部)
12.川越、所沢、狭山、三芳の3市1町にまたがる通称「くぬぎ山」周辺の自然再生を図るため土地緑地法特別保全地区指定を推進する。(環境部)
13.水質汚濁が著しい河川、池・沼の総合的な浄化対策を関係自治体とともに推進する。(県土整備部)
14.貴重な緑地空間として住民にとって憩いの場ともなっている調整池の多様な利用・調整を推進するために、関係自治体や利用者などによる協議会など設置に県がリーダーシップをとること。(環境部)
15.公共下水道の整備を促進するとともに、合流式下水道の改善対策を促進する。(都市整備部、下水道局)
16.農業集落排水事業に係る交付金の補助対象枠を拡大し、同事業の促進を図る。(農林部)
17.家電リサイクル法の対象品目を拡大するとともに、回収からリサイクルに至るまで家電メーカーが責任を負うよう法改正を求める。また、容器包装リサイクル法についても、飲料等のメーカーにリターナブル容器の使用と空き容器のデポジット制度による回収を義務づけるよう法改正を国に求める。(環境部)
 

[.不要不急の公共事業を見直し、地域密着型の公共事業の推進を
(7項目)

1.八ッ場ダム建設中止と水源対策について(企画財政部)
@水道水の需要が減少しつつある現状などを踏まえ、八ツ場ダム(群馬県)建設については事業を中止する。
Aダム建設中止後も暫定水利権を継続できるよう国に求める。
B「公共事業の中止に伴う住民の生活再建・地域振興を促進する法律」(仮称)を制定し、計画地の地区住民への補償と生活再建、地域振興をはかるための施策の具体化を国に求める。
2.さいたま新産業拠点(SKIPシティ)B街区の整備については、商工業者や地域住民の意見・要望を取り入れながら、抜本的に見直す。(産業労働部)
3.県営住宅について(都市整備部)
@県営住宅建設5か年計画を策定し、公営住宅への需要の多い県南地域や県西部地域など都市部での公営住宅の建設や建て替えを重点的に進める。借り上げ方式による公的賃貸住宅の供給についても積極的に推進する。公営住宅建設用地取得に係る国の補助金を復活するよう国に求める。
A現に同居している配偶者や高齢者、障害者等に限定した、入居承継基準を元に戻す。
B家賃減免については旧基準に戻し、入居者の生活を守る。
4.都市再生機構の団地建て替えにあたって、高齢者等が住み慣れた場所で安心して暮らせるよう借り上げ県営住宅等の併設を図る。(都市整備部)
5.雇用促進住宅の廃止に反対し、低賃金や不安定雇用などで住居を確保できない人たちの住宅対策の一環として新たな活用ができるよう引き続き存続を国に働きかける。(産業労働部、都市整備部)
6.高齢者世帯の住宅確保を図るため、家賃軽減補助にとどまらず、共用部分、共同施設整備に係る費用を助成する国の制度を活用して、優良賃貸住宅の整備を大いに促進する。(都市整備部)
7.県施行事業に要する経費の関係市町村の負担金を廃止する。(県土整備部)
 

\.確かな学力と豊かな人間性を育む教育・文化・スポーツの振興を(29項目)

1.義務教育費国庫負担制度の廃止に反対する。(教育局)
2.国の責任で「30人学級」に踏み出すよう国に求める。2002年度から実施している学級編制の弾力化方針を、学年進行で全ての学年に拡大する。(教育局)
3.賃金や研修、人事などの処遇にリンクする、一般教職員に対する人事評価制度はやめる。教育活動に対する教職員の自主性や共同性、専門性を尊重した学校づくりを進める。(教育局)
4.「教育に関する3つの達成目標」については、数値目標を学校に機械的に押し付けることなく、学校や家庭の自主的な取組を尊重する。(教育局)
5.県教育委員会の実施する学力状況調査を中止するとともに、全国いっせい学力テストの中止を国に求める。(教育局)
6.県内の公立小・中学校が学校教育の一環として実施している体験学習においては、自衛隊を対象にしないよう市町村教育委員会に助言する。(教育局)
7.臨時的任用教職員の処遇改善をはかるとともに、正規採用枠を大幅に拡大して定数内臨時的任用教職員を計画的に縮小する。市町村費で採用した学校教職員の勤務条件等について実態調査を行い、賃金や労働条件の改善について助言・指導する。(教育局)
8.市町村教育行政に携わる指導主事の人件費に対する県費助成を創設する。(教育局)
9.教員採用試験について(教育局)
@臨時的任用教員特別選考、障害者特別選考枠を拡大する。
A教員採用試験に係る選考基準、システム、選考方法を原則としてすべて公開する。
B教員採用試験の受験者本人に対しては二次試験を含めて全ての試験結果が詳細に分かるよう公開するとともに、採用試験の答案や採点結果等は少なくとも3年間は保管し、本人の開示にも応じる。
C正規採用について年齢制限を撤廃する。
10.地域に根ざした魅力ある県立高校づくりを地域や関係市町と一体で推進する。県立高校の統廃合は行わない。(教育局)
11.県立高校授業料の無料化と併せて、団体費や冷房費等の保護者負担の軽減対策を講じる。(教育局)
12.騒音や大気汚染、悪臭など環境の劣悪な県立学校については、防音対策や空調設備を整えるなど生徒が学習に集中できる環境を早急に整備する。(教育局)
13.特別支援学校の過密や教室不足を解消するため、引き続き学校を新設する。川口特別支援学校の超過密問題の早急な解決はじめ、特に教室不足が深刻な県南東部については早期に増設する。特別支援学校の高層化は行わないこと(教育局)
14. 県立盲学校、ろう学校をはじめ、特別支援学校の送迎バスを増車し、通学時間を短縮する。(教育局)
15.全ての小・中学校に特別支援教室を設置できるよう市町村に対する支援策を講じる。(教育局)
16.軽度発達障害児のため支援担当教員の加配など体制を保障する。通級指導教室を、当面全市町村に複数の教室を設置できるよう早急に対策を講じる。(教育局)
17.さわやか相談員の身分を保障するためにも全額県費負担制度を復活する。(教育局)
18.不登校の児童・生徒のための通級指導教室に対する支援や、不登校者を支援するフリースクールなどNPOに対する財政支援を行う。様々な理由よる義務教育未修了者のための夜間中学の設置に県がイニシアティブを発揮すること。(教育局)
19.学校における子どもの安全を確保するために、「学校安全条例」(仮称)を定め、不審者対応を含めた安全対策のための専門職員の配置や施設改善を市町村と一体で取り組む。(教育局)
20.青少年の非行や犯罪を防止し、健全な育成を支援する青少年相談員制度の充実と財政支援を図る。(県民生活部)
21.県立高校普通教室へのクーラーの設置を計画的に推進する。また、小・中学校の普通教室へのクーラー設置を促進するため支援策を講じる。(教育局)
22.学校施設や社会教育施設における石綿(アスベスト)の使用実態調査に基づいて石綿の除去など飛散防止対策の促進を図る。また、これらの対策に必要な財政措置を国に求める。退職者も含めて教職員の肺がん・中皮腫発症状況調査を行う。(教育局)
23.私立高校運営費補助を大幅に引き上げる。私立学校父母負担軽減事業補助については、県外高校や特別支援学校に通学する世帯についても県内高校への通学者同様の補助金を支給する。奨学金返還免除規定を改定し、成績だけでなく失業や病気・障害などについても免除の対象にする。(総務部、教育局)
24.私立幼稚園の全世帯に対する負担軽減のための補助を復活させる。(総務部)
25.生活保護受給世帯の子どもを対象にした学習教室を充実するとともに、教育支援員の処遇改善・研修を支援する。(福祉部)
26.地元の意向を無視した県立中央図書館の統廃合計画を中止するとともに、図書館の予算を大幅に増額する。(教育局)
27.県立博物館施設については、文化遺産の保全・公開・展示にとどまらず、子どもの教育や生涯学習の拠点施設としての機能を十分果たせるよう、予算の増額や学芸員などのスタッフの充実に努める。(教育局)
28.県文化振興基金を充実し、県民の自主的・創造的な文化芸術活動に対する助成を強める。(県民生活部)
29.国民体育大会などの大型イベント中心のスポーツ施策ではなく、青年やスポーツ愛好者の自主的な文化・スポーツ活動を保障する施設の整備や活動に対する公的支援を強める。(県民生活部・教育局)
 

].安全で快適なまちづくりを(16項目)

1.交番の増設をはかるとともに、警察内部の人員配置を見直し、交番に配置する警察官を増員する。(警察本部)
2.国道並びに県道の交差点改良(右折レーン等の設置等)を計画的に進める。(県土整備部)
3.県道の歩道整備、バリアフリー化を促進するために予算を拡大する。危険箇所には計画的に歩道を整備するとともに、暫定的にガードレールなどを整備する。(県土整備部)
4.一般国道や県道などの老朽化した橋梁の点検・補修を促進する。(県土整備部)
5.市街地における自転車専用レーンやコミュニティ道路の整備を促進する。(県土整備部)
6.交通信号機の予算を大幅に増額し、増設と改良を積極的に推進する。お年寄りや障害者が安心して交差点を渡れるように交差点のスクランブル化など歩車分離式信号機への改良を積極的に進める。老朽化した信号機や交通標識の総点検を実施し、更新を図る。エコ型信号機を増設する。(警察本部)
7.鉄道やバスなど公共交通網の整備を積極的に推進するとともに、第三セクターによる鉄道建設や鉄道事業者の経営に対する財政支援の強化を国に求める。(企画財政部)
8.高崎線、埼京線、武蔵野線などJR、私鉄各線の混雑緩和を図るとともに、埼玉高速鉄道(浦和美園〜岩槻)、JR東北線・高崎線・常磐線(上野〜東京)、8号線(豊洲〜住吉・押上〜亀有〜野田市)、12号線(大泉学園町→武蔵野線方面)各線の延伸を推進する。(企画財政部)
9.鉄道駅のバリアフリー化の促進について(企画財政部)
@JR、私鉄各線の駅舎・ホームにエレベーターやエスカレーターの未設置駅対策を急ぐ。
A鉄道駅の安全確保のためのホームドア、可動式ホーム柵の普及をはかる。
B階段の緩勾配化、24時間利用可能な自由通路の設置など駅の利便性向上を支援する。
10. JR武蔵野線などのホームに待合室(冷暖房完備)を設置する。
11.埼玉新都市交通(ニューシャトル)について、運賃引き下げ、割引乗車券の拡大、朝夕の通勤通学時間帯の増便、駅トイレ・エレベーターの設置など利用者の利便向上をはかる。(企画財政部)
12.総合治水対策特定河川事業(新河岸川流域、中川・綾瀬川流域)の促進を図る。また、鴻沼川や芝川などの広域河川の改修を促進する。(県土整備部)
13.ゲリラ豪雨などから市民生活を守るため、都市部における調節池や下水道(雨水管、ポンプ場、貯留施設、道路側溝など)の整備促進へ、市町村を総合的に支援する。(県土整備部、都市、下水道局)
14.土砂災害危険箇所の整備を急ぐこと。特に土砂災害警戒区域に近接する地域では市町村を支援して避難訓練を行うこと。土砂災害対策においては、緑化、間伐材利用、生態系の保護など環境への配慮を行うこと。(県土整備部)
15.土地利用に防災の観点を徹底するために、都市計画を見直すこと。(都市計画部)
16.基地被害、安全対策について(企画財政部) 
@入間基地周辺住民の騒音被害を低減するため、少なくとも早朝、夜間、日曜日、祝祭日及び年末年始の飛行を中止するよう国に求める。大型のC2輸送機配備計画に反対する。また、米軍の航空自衛隊入間基地の限定使用に反対する。
A住宅防音事業の対象区域については、第一種区域の指定基準の航空機騒音環境基準値である70WECPNLへ引き下げるよう国に求める。
B自衛隊朝霞駐屯地の演習に伴う周辺公共施設(学校等)の騒音被害を防止するため、屋内射撃訓練場の整備をはじめ、周辺公共施設の空調設備の整備に対する助成を国に強く働きかける。
C米軍大和田・所沢通信基地など、県内の米軍基地の全面返還や縮小を国に求めるとともに、関係市と連携して県民的な運動を展開する。
D米軍横田基地はもちろん沖縄や各地への垂直離着陸機オスプレイ配備に反対すること。国に迅速な情報公開を求めること。
E関東一円で行われている米軍C130の有視界低空飛行訓練の情報を収集し、関係自治体に提供すること。米軍・自衛隊、民間機が錯綜する空域での低空編隊飛行訓練の抑制を要望すること。




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