あなたの願いを県政にとどけます 日本共産党埼玉県議会議員団

県政トピックス

柳下県議の知事提出議案に対する反対討論
 日本共産党の柳下礼子県議は10月11日の県議会本会議で、知事提出議案に対する反対討論を行いました。反対討論の要旨を紹介します。



 日本共産党の柳下礼子です。日本共産党県議団を代表して、第97号議案、第98号議案、第102号議案および第112号議案に対する反対討論をいたします。

 第97号議案「平成25年度埼玉県一般会計補正予算(第2号)」と第98号議案「平成25年度埼玉県病院事業会計補正予算(第1号)」は関連しておりますので、一括して討論いたします。

 これらの議案には小児医療センター新病院建設費のうち、さいたま新都心医療拠点に付加機能として総合医局機構や発達障害児の支援施設、特別支援学校などを設置するための建設費について、一般会計から病院事業会計への負担金が計上されています。総合医局は私も一般質問等で提案してきたように、医師の確保について県の責任を明確にする施策であり、それ自体は大変重要であると考えています。発達障害支援施設や救命救急士養成所についても同様です。しかしいずれの負担金も県立小児医療センターの移転を前提にしている予算であり、賛成できません。

 小児医療センターの移転は現在のセンター周辺地域の周産期医療体制と小児医療体制に重大な影響を及ぼすものであり、周辺地域と患者家族から根強い存続の要望があります。また、村岡県議の一般質問でも明らかになりましたが、移転後の県央や東部北地域のNICUの空白は「全県で対応する」と、これまで小児医療センターが地域医療に貢献してきた役割を無視した乱暴な対応であり、ほぼ無策としか言えません。さらに県央の小児2次救急の輪番体制も依然未整備であることから、患者家族、地域住民の不安は広がっております。現在地に残す機能すらいまだ明らかにされておりません。この点で知事は「私は専門家でないから分からない」と無責任なことを言っていますが、現場の意見を聞かずにトップダウンで移転を決めたのは知事ではありませんか。

 この10月8日にはセンター周辺の住民のみなさんが、残す機能の検討にNICUなどを加えてほしいという署名を3万8千筆知事に提出しました。蓮田市では世帯数を大きく上回る3万人が署名に応じました。提出の際に地元のみなさんは「親族の双子が生まれたときセンターの救急車が産院の前で待っていてくれた。一刻を争う新生児にとって近くのNICUは不可欠です」「東部、北部の子どもたちにとって小児医療センターはいのちを守る砦です」、そう語ってくれました。

 このような患者と地域住民の命にかかわる問題を置き去りにしたままで「新都心への移転先にありき」の計画を前に進めるべきではありません。


 第102号議案「児童福祉法施行条例の一部を改正する条例」は、指定小規模多機能型居宅介護事業所で児童発達支援・放課後等デイサービスを提供することができるように児童福祉法施行条例を一部改正するものです。

 要介護高齢者の日中一時支援やショートステイなどを行う施設で、障害児の学童保育や発達支援事業を行うことは、高齢者の安全や安心の側面からも、児童の健全な発達を保障する側面からも不可能だと考えます。介護を必要とする高齢者は、認知症の方、脳卒中などの後遺症で身体が不自由な方、食事をのどに詰まらせて死亡するような事例などもあり、その介助にはきわめて高い専門性が求められます。障害児の支援も身体障害、自閉症、発達障害などへの対応についても専門性が必要です。一人ひとりの人間としての尊厳が守られる、しっかりとした体制と施設でなければ危険です。このような事業を行う場合、特別な体制を義務づけるべきですが、条例改正で指定する新施設は人員も非常勤を認める、保育室も児童一人当たりの面積基準がないなどむしろ後退しており、到底認めることはできません。


 第112号議案「八ッ場ダムの建設に関する基本計画の変更に係る意見について」は、工期延長を含む国土交通大臣から基本計画の変更に対して同意するものです。

 わが党は八ッ場ダムについて、第1に人口減少・節水運動の進捗による水需要のいっそうの減少、第2に国の利根川水系河川整備基本方針はそもそも八ッ場ダムを含む多数のダム群の建設によって治水を行うという荒唐無稽な計画であること、キャサリン台風のような災害の際に八ッ場ダムは役立たないなど、その治水効果は限定的であること、第3に、地盤が脆弱で急峻な吾妻渓谷へのダム建設は、地滑りなど懸念されることなどから、一刻も早くダム計画を中止すべきだと一貫して考えております。

 八ッ場ダムの調査が始まってから47年間。約半世紀が経過しております。当初1990年度完成とされたダム完成年度は今回も含め4回の計画変更によって約30年延期され、事業費も大幅に増額されてきました。その間、地域住民は、国の施策に振り回され、ふるさとを離れざるを得なかった住民も多数おられます。ここでさらに工期を延長することは、とうてい認められません。今やるべきことは計画そのものを直ちに中止し、地元住民の生活再建にこそ全力をあげるべきです。

 よって第112号議案に反対いたします。


 以上で討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。

▲ページトップへ戻る