あなたの願いを県政にとどけます 日本共産党埼玉県議会議員団

県政トピックス

村岡正嗣県議の一般質問(2013年9月30日)全文
 村岡正嗣県議の一般質問(概要)を紹介します。

 答弁については掲載準備中です。詳しく知りたい方は県議団事務局までご連絡下さい。

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1、竜巻被災者および東日本大震災の被災者支援と防災のまちづくりについて
(1)竜巻被災者への支援と今後の対応について
 はじめに、竜巻被災者および東日本大震災の被災者支援と防災のまちづくりについて伺います。

 まず、竜巻被災者への支援と今後の対応についてです

 9月2日には越谷市と松伏町、16日未明には熊谷市、行田市、滑川町で竜巻が発生し、甚大な被害を生じました。まず初めに、被災された皆さまに心からお見舞い申し上げます。知事は発災の翌朝に越谷市を視察し、「できることは何でもやる」と発言されました。私も翌朝の3日、さらに17日と現地に行きましたが、被災された皆さんは、恐怖と信じ難い現実に茫然となりながらも、懸命に片づけと応急修理をされておりました。「夕べはろうそくで過ごした」「ブルーシートが配られたが張ることができない」「ガレキはどこに出したらよいのか」「ガレキで稲刈りができない」「工事業者を紹介して欲しい」など、様々な要望をお聞きました。一日も早い復旧に関係機関の総力を挙げた支援が求められています。中でも、家屋を損傷、破壊された方々への住居支援は緊急を要する課題の一つです。そこで伺います。

 県は県営住宅の提供を決めましたが、被災者からは「県営では遠すぎる」「通院している病院へ通えなくなる」「仮住まいは自宅に近いところにしたい」の声です。知事も当初、民間賃貸住宅への独自支援策の検討を表明されました。越谷市と熊谷市は、独自に民間賃貸住宅に入った被災者に家賃を支給する方針を打ち出しましたが、県としても民間賃貸住宅への支援を是非おこなっていただきたい。知事、いかがでしょうか。

 次に、見舞金や復旧支援金、農業被害支援など、幅広い県独自の支援制度について伺います。全国では30都道府県がすでに独自の支援制度や見舞金支給制度を持っています。知事は市町村と共同で独自の被災者生活再建支援制度を創設する考えを示されました。そこで早急に具体化し、全ての被災者を支援するものとした上で、今回の竜巻被災者にも適用していただきたい。知事の積極的な答弁を求めます。

 続いて、被災者生活再建支援制度について伺います。2日の竜巻では越谷市が被災者生活再建支援制度の適用となった一方、松伏町では全壊家屋が1棟なため適用外とされました。同一の災害による被害でありながら不公平との声は当然と言えます。国に対して柔軟な対応を強く求めていただきたい。同時に、適用の基準を市町村単位に限定している被災者生活再建支援法の改正についても国に強く働きかけていただきたい、知事より答弁願います。

 さらに、教訓を生かすことについてです。越谷市ではガレキを入れるための土のう袋が被災者に配布されました。熊谷市の担当者に越谷の話をしたところ、即座に土のう袋が配布されました。本県ではこれまで大きな竜巻被害は無く、どの市町村も経験がほとんどありません。今回の竜巻被害で得られた教訓、特に発災直後にどのような応急物資や支援が必要か、どんな制度が利用できるのか、それらをまとめた資料、マニュアルを作成して県内市町村に配布することを提案いたします。危機管理防災部長よりお答えください。

再質問  竜巻被災者の方への民間賃貸のことです。知事も一度は県の独自支援も決めたのですが、先ほどの答弁では特別交付税の道があるのではないかとのことで、今模索をしているような答弁でした。その結果どうなるかはまだ分かりませんけれども、ご確認したいのは、どういう結果になろうと知事としては、県としても民間賃貸住宅の必要性は声を聞いているので分かるので、何らかの形でやっていくというお気持ちはある、ということを確認させて下さい。


(2)東日本大震災の被災者支援について
 次に、東日本大震災の被災者支援について

 わが党県議団は今月4日と5日、福島県を視察して参りました。南相馬市小高区や浪江町の中心部には全く人影はなく、原発事故によって日常のくらしが一瞬にして断ち切られてしまった、その酷さを目の当たりにし怒りを禁じ得ませんでした。しかも今、福島第一原発では放射能汚染水漏れという重大事故が発生、その解決の見通しは立っていません。東北を忘れてはなりません。そこで、伺います。

 最初に住宅問題です。県外へ避難した方にとって、より深刻なのが住まいです。本県への避難者の内、現在2,022人が県の民間賃貸住宅借上げ制度を利用しています。しかし、家庭の実情に合わない状況が生まれてきています。突然の事故により車いす生活になった、子どもの高校が決まったが通学に遠過ぎる、借り換えを認めて欲しいなど、切実な声が寄せられています。しかし、埼玉県内での借り換えは原則認められていません。住まいは人権です。埼玉県として、避難者一人一人の状況に即して、借り換えの要望に柔軟に対応すべきです。被災3県および国に、強く求めていくべきだと考えますが、知事の答弁を求めます。

 次に、生活実態の把握について伺います。被災県から埼玉県内に避難している方は8月時点で合計3,342人です。その中には、父親だけは福島に残り、母親と子どもだけで埼玉に来た方、避難所を転々とする中で家族がバラバラになってしまった方、病気を抱えた方など、知らない土地で不安と困難を抱えています。避難生活が長期化するだけに、個々の状況に応じた支援が求められます。そこで、県としても市町村と連携して、避難者の皆さんの生活実態をきめ細かく掴むことが必要と考えますが、危機管理防災部長の答弁を求めます。


(3)地域防災計画の見直しは減災を基軸に
 次に、地域防災計画の見直しは減災を基軸について

 現在見直し中の地域防災計画は減災を基軸とし、被害を最小に抑えるための耐震化や防火対策など、災害の起こり難いまちづくりとすること。高齢者や障害者、子どもなど災害弱者の安全の確保、医療や介護、保育など、普段からの環境整備に努め、災害関連死を起こさない社会構造とすべきです。そこで伺います。

 第1に、耐震化は勿論、低湿地や傾斜地の宅地化など、無秩序な開発の抑制や住宅密集市街地の改善など、土地利用を災害の起こり難いまちづくりの観点から、適正に規制・誘導する都市計画が必要と考えますが、都市整備部長よりお答えください。

 第2に、住民の防災意識の向上についてです。各自治体で防災訓練が毎年行われていますが、住民の参加率はどうでしょうか。住民の参加なき地域防災対策ではいざという時、役に立ちません。住民の防災意識を高める観点から、防災訓練の内容や参加率の向上について、県としての取り組みを伺います。また、住民に具体的な被害の可能性を知ってもらうことも有効です。そこで、地震による建物倒壊や火災の発生などについて、危険度を分かりやすく示したパンフレットを作成し、県民に周知していただきたい。

 第3に、職員の育成について伺います。本県でもいつ大震災が起こるか分かりません。東日本大震災では公務労働者の役割の大きさが鮮明になりました。広域災害での県の役割は非常に重要となり、極めて専門性の高いエキスパート職員が必要とされます。しかし、これまでの人事ではゼネラリスト指向から数年で異動となるのが一般的です。そこで、本県でも防災の専門職を育てる必要があるのではないでしょうか。

 第4に、災害弱者への支援についてです。視覚障害と聴覚障害では必要な支援が異なります。障害ごとにきめ細かく話を聞き、地域防災計画に生かすことについて、また、県内市町村の要支援者名簿の整備が急がれますが、整備状況はどうか、未整備自治体へ県としてどのように支援していくのか、以上、危機管理防災部長より、答弁を求めます。


2、県は地域産業全体を視野に、その振興に全力を
(1)地域社会を破壊する消費税増税、TPPに反対を
 次に、県は地域産業全体を視野に、その振興に全力を、についてです。

 最初に、地域社会を破壊する消費税増税、TPPに反対を求め伺います。

 安倍首相は来年4月からの消費税率引き上げを強行しようとしていますが、賃金は減り続け、物価は上がり、今、国民の暮らしは深刻です。到底、増税できる環境ではありません。8%となれば国民は8兆円の負担増となり、国民のくらしは破壊されます。日本の経済も本県の経済も壊され、結局、日本の企業も本県の企業も立ち行かなくなることは必至です。だからこそ、政府はあれこれの経済対策を持ち出そうとしているのです。知事は、消費税率の引き上げで県民生活と県内産業への影響をどう考えておられるのでしょうか、知事には、来年4月からの消費税増税は中止すべき、と、しっかり声をあげていただきたい。いかがでしょうか、お答えください。

 続いて、環太平洋経済連携協定(TPP)についてです。日本政府はこの7月、TPPの締結交渉参加を強行しました。安倍首相は「交渉力を駆使する」「守るべきものは守る」と力説しましたが現状はほど遠く、米、乳製品、砂糖など、重要農産物の関税撤廃の「聖域」確保は、可能性はほとんどないと言えます。期待されたアメリカが日本製自動車にかける関税の撤廃も見送られました。県内の農業関係者からは「TPPは米だけではない、野菜農家もやっていけなくなる」との声です。知事、本県の食と農業、地域経済、そして、医療を守るためにも、TPP交渉からの撤退を、国に強く求めていただきたい。お答えください。


(2)中小企業全体を視野に振興策の拡充を
 次に、中小企業全体を視野に振興策の拡充について伺います。

 地域を歩くと町場の小規模事業者から、「我々にも、もっと光を当てて欲しい」との声が寄せられます。県内の中小企業全体を視野に入れた振興策が求められています。

 そこで最初に、事業所の実態把握について伺います。県は県内事業者を対象に4半期経営動向調査を行っていますが、それで十分と考えているのでしょうか。県内の全事業者を対象とした調査を、市町村と連携して行うべきと考えますが、どうか。

 次に、情報提供についてです。県内には様々な分野で企業集積の力、町工場の技術力があります。そこで、県内中小企業の高い技術力を活かす上で、企業の得意分野、技術を、簡単に検索できる情報検索システムが必要と考えますが、いかがでしょうか。

 続いて、地域商業活性化のための「食の商業活性化イベント」について伺います。埼玉県は今年2月に川口市など3か所で開催しました。この事業はいわゆる飲み歩きイベントで、私も期待するところです。成功のカギは地元の自発的なイベントとすることですが、今回は新都心にある旅行会社に委託して実施したと聞きました。是非、地元主体の事業運営へと改善を図って、商店街の活性化を支えていただきたい。 以上3点、産業労働部長よりお答え下さい。


(3)自然エネルギー推進で地域循環型経済を
 次に、自然エネルギー推進で地域循環型経済をについて

 本年2月の予算特別委員会で、自然エネルギー推進政策の基本原則は、地産地消による地域雇用や地域産業の振興にあるとの私の提案を、知事にもご確認いただきました。今回も、自然エネルギー推進による地域循環型経済を求め、提案させていただきます。

 長野県飯田市では今年3月、「飯田市再生可能エネルギーの導入による持続可能な地域づくりに関する条例」が制定されました。全国でも同様の条例制定の検討が始まりつつあります。

 本県でも自然エネルギーの導入による地域再生と産業振興を目指す「自然エネルギー推進基本条例」(仮称)制定に向け、検討を始めるべきと考えますが、知事いかがでしょうか。お答えください。

 続いて、住民主体の自然エネルギー推進について、3点伺います。

 メガソーラー事業では地域循環型経済は望めません。住民参加によってこそ可能です。県がイニシアティブを発揮し各自治体とも連携して、住民による自発的な発電事業モデルを大きく推進することは非常に重要と考えます。

 そこで第1に、太陽光発電設備を設置する市民共同発電事業への助成を、大幅に拡大していただきたい。

 第2に、市民による太陽光発電の事業化では初期投資が大きな課題となります。その解決策としての成功モデルに、飯田市での地域の太陽光発電事業に市民が出資する「おひさまファンド」があります。本県でも各市町村と連携し、太陽光発電における市民ファンドを後押しできるよう支援策を検討していただきたい。

 第3に、太陽光発電はじめ、木質バイオ、小水力などの自然エネルギーの普及を進めようとする意欲あるNPOや各種団体に対して、学習会、情報提供、研究支援など、幅広い支援に思い切って力を入れていただきたい。以上、環境部長よりお答え下さい。


3、安心して働ける雇用の確保と賃上げについて
(1)労働法制の規制緩和は許されない
 次に、安心して働ける雇用の確保と賃上げについて伺います

 まず、労働法制の規制緩和は許されないことについて

 安倍政権は、派遣労働を臨時的・一時的な業務に限定するという原則をなくし、派遣労働者をいつまでも使い続けられるようにする労働者派遣法の改悪を進めています。日本社会を総ブラック企業化する労働法制の規制緩和は断じて許されません。知事は今年2月の本会議において、「問題は、正規労働者として働きたいと思っている人が非正規として働いていることであります」と述べています。知事、県民の安定した雇用を守るためにも、安倍政権の労働法制の規制緩和に、しっかりと反対を表明していただきたいが、いかがでしょうか。お答え下さい。


(2)実態把握と事業者及び労働者への指導・周知にかかわって
 次に、実態把握と事業者及び労働者への指導・周知にかかわってです

 工場に派遣された青年は、まともな講習も無いまま4日目にケガを負ったが、当初、労災でないと言われた。仕事中にケガをした女性は、請負契約を理由に労災も認められず、給料が翌々月払いのため辞めるにも辞められず、結局身体を壊してしまった。営業職の男性は、社長から「人間性が悪い」「能なし」などの罵声を連日浴びせられ、重度のうつ病を発症してしまった。これらは、先日、労働相談を受けている方から聞いた話です。昨年から相談は増加傾向、内容は、解雇、退職勧奨、賃金や残業代の未払い、パワハラなどが上位を占め、その方は「人間を人間として扱わない職場が増えている」と、非常に危惧されておりました。産業労働部長に伺いますが、

 本県の行っている労働相談ですが、相談者の年齢や労働形態、事業所の規模など、働く実態について具体的に把握しているのでしょうか。相談者一人ひとりのリアルな実態を掴んでこそ、深刻な労働環境の改善につながると考えますが、どうでしょうか。

 また、県として解雇規制や労災申請など、雇用主としての責任をしっかりと啓発・指導するとともに、働く者の権利を県民に分かり易く周知徹底させるべきと考えますが、お答え下さい。


(3)技能労働者の適切な賃金水準の確保について
 次に、技能労働者の適切な賃金水準の確保について

 国土交通省は先般、設計労務単価を全国で平均約15%の引き上げを発表し、「技能労働者への適切な賃金水準の確保について」を関係機関へ要請しました。しかし、建設産業においては重層下請構造のもと、実際に現場で働く末端の技能労働者の労務単価に、これらがきちんと反映され、賃金引上げが行われるのかが問題です。新座市では1億円以上の建設工事を発注する際に、第3次下請けまでの労務単価の調査を始めました。そこで伺いますが、

 ダンピング受注の排除へ本県はどう対応しているのか、総務部長よりお答え下さい。

 併せて、平成25年度公共工事設計労務単価の早期適用、末端の技能労働者の賃金・単価の引き上げへどう対処していくのか、県土整備部長よりお答え下さい。

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4、県民の命と生活を守る社会保障の充実を
(1)安心して子どもを産み育てたいという県民の願いに応え、県立小児医療センターの存続を
 次に、県民の命と生活を守る社会保障の充実について、伺います

 安倍政権は8月に、社会保障改革プログラム法案骨子を閣議決定しました。これは社会保障制度改革国民会議の報告を受け、消費税増税と一体で医療、介護、年金、保育などの改悪・負担増を国民に押しつけるものです。わが党はその改悪を絶対に認めるわけには参りません。こうした国の悪政から県民を守る防波堤となるのが県政ですが、特に今回は、県民の命とくらしに問題を絞って伺います。最初に、安心して子どもを産み育てたいという県民の願いに応え、県立小児医療センターの存続について

 県立小児医療センターの存続を求める署名は、患者家族を中心にこれまで10万筆提出されており、周辺7市町・議会からも関連意見書があがっております。その上現在は、地域の新生児集中治療床=NICUや小児救急医療体制を守るため、小児医療センターの存続を求める新しい署名が広がり、蓮田市では、2万5千の世帯数を超える署名がすでに集まっています。蓮田市の方は「孫はセンターのすぐ前の産院で普通分娩で生まれました。生まれてすぐに心肺停止となり、センターに緊急搬送されて命が助かりました」そう言ってセンター移転後、NICUが地域からなくなってしまうことを心配しています。東部北地区や中央地区にはNICUが1床もなく、センターの15床に頼ってきました。移転となれば空白になります。そこで伺いますが、

 第1に、移転となれば、たとえ春日部市立病院に3床NICUを設置されたとしても、到底、足りません。NICUの確保について、どうするつもりなのか、お示し下さい。

 第2に、依然、未整備の中央地区の小児2次救急医療体制について、その対策をお示し下さい。

 第3に、移転後、残すべき機能としてNICUや小児2次救急についても検討すべきではないか、以上、保健医療部長並びに病院事業管理者よりお答え下さい。

 次に、知事に伺います。知事が「残すべき機能についての検討」を表明してから1年半以上が経過しました。新都心の整備は進む一方で、未だに、残される機能については何も明らかにされていません。3次にわたるアンケートが終了してから10ヶ月も経過し、患者家族に不安の声が広がっています。知事はわが党の、昨年の2月予算特別委員会の質疑を傍聴に来られた患者家族の方々に、「機能は残します。ご安心ください」と、直接話されたはずです。こうしたみなさんに早急に方針を示すべきではありませんか。知事、地域と患者家族の不安は少しも解消されておりません。そもそも、このような地域置き去り、患者置き去りの移転計画は見直して、県立小児医療センターは、現在地に存続させるべきです。お答えください。

再質問  県立小児の一部機能の存続で、慎重に検討している、検討委員会で今やっているということで、方向性を出してくるのでしょうけども、知事が表明してから1年半近く経っております。いろいろ検討してきているはずですし、アンケートもやっておりますので、いつまでにその検討をまとめる、というふうに、指示をされた知事の側からすると「いつまでにまとめなさいよ」ということで期限を切っているのかどうなのか。その辺をお答えいただきたいと思います。


(2)すべての県民が生き生きと暮らせるように、障害者施策の充実を
 続いて、すべての県民が生き生きと暮らせるように、障害者施策の充実について伺います。

 数ある障害者の切実な願いの中で、とりわけ遅れている精神障害者問題に絞り伺います。厳しい職場、学校環境の中で、心を病む方々が後をたちません。現在、県内精神障害者手帳所持者の数は3万6千人ですが、この5年間で1万人も増加しており胸が痛みます。しかも、他の障害に適用されながら、精神障害を適用外とする施策はいまだ官民にみられます。その中で、これまで知的・身体に適用されてきたバス運賃の障害者減免が、ようやくこの4月からほぼ全面的に精神障害にも適用となり、大変喜ばれています。しかし、鉄道には知的と身体の減免制度しかありません。重度心身障害者医療費助成制度も知的と身体のみであり、精神障害は適用外です。

 知事に伺いますが、

 鉄道事業者へ精神障害への減免制度拡大を要請するとともに、ニューシャトル、埼玉高速鉄道など、県の出資会社では早急に実施すべきと考えます。また、重度心身障害者医療費助成制度も、一刻も早く精神障害に拡大すべきと考えますが、いかがでしょうか。


5、すべての子どもが生き生きと成長できる教育環境の整備を
(1)猛暑から子どもを守る教室のエアコン整備について
 次に、すべての子どもが生き生きと成長できる教育環境の整備についてです

 まず、猛暑から子どもを守る教室のエアコン整備について伺います

 いじめ,不登校、学力問題と、今、教育を巡る課題は山積しており、一刻も早い解決が求められています。こうした課題の解決の糸口は、子どもと直接顔を合わせる学校現場にこそあり、議会と行政の役割は、現場が全力で子どもたちと向き合えるよう、教育環境を整備することにあります。今回は特に問題となっている教室へのエアコン設置について伺います。

 県内市町村立学校の普通教室のエアコン設置率は平均で38%。ほぼ全学級に設置された自治体が現在14と増えたものの、全く設置されていない0%の自治体は18市町村もあります。特に今年の猛暑は深刻で、私の地元川口では、教室内が38度に達した日もあって、子どもたちから「気持ちが悪くなる」「暑くて頭がくらくらする」といった悲鳴が上がりました。教室の望ましい室温について国は、学校環境衛生基準で30度以下としています。教育長に伺います。

 第1に、今後も猛暑は避けられません。この問題は子どもの命と健康が危険にさらされる問題です。県内全学校の普通教室のエアコン設置に向けて、県として全力を挙げていただきたい。いかがでしょうか。

 第2に、現行のエアコン設置のための補助制度は、国が3分の1、市町村3分の2であり、地元負担が重過ぎます。国に特別対策を要望し、市町村の負担を軽減すべきと考えますが、いかがですか。

 第3に、国が実施に踏み切らない場合、県としてエアコン設置に独自補助を実施すべきではありませんか。以上3点お答えください。


(2)特別支援学校の教育環境の整備を急げ
 次に、特別支援学校の教育環境の整備を急ぐことについて伺います。

 特別支援学校の過密化解消として、草加かがやき特別支援学校が新たに開校しました。その結果、川口特別支援学校の児童生徒数は、昨年度の309人から今年度は255人となり、県教委は過密化は解消されたとしています。しかし、来年度には270人前後へと再び増加する見込みです。今でも32ある普通教室のうち16の教室を複数の学級が使用し、3つの学級で使用する教室まであります。川口特支の過密化は解消されたとは到底言えません。プールが浅くて小さいために、高等部の生徒はバス6台で市内のプールに通っています。そこで教育長に伺います。

 県当局は川口特別支援学校の過密化について、具体的にどのような基準に基づいて解消・非解消と判断したのでしょうか。私は高等部の過密化解消には、川口市内に新たな高等部をつくる以外にないと考えます。その検討を求めるものです。合わせてお答えください。

 次に、通学バスについて伺います。県内の特別支援学校では、毎日、4400人余りの生徒がスクールバスで通っています。通学時間が1時間を超える便のある学校は29校、春日部、熊谷、和光の各校では1時間30分を超える便があり、和光では1時間45分の便もあります。渋滞ともなれば2時間を超え、障害をもつ子どもたちには負担が重すぎます。通学バスを増発して、大幅な通学時間の短縮を図るべきではありませんか。

 また、通学バスの委託会社ですが、学校によっては年度途中でバス会社が変更となります。上尾かしの木特別支援学校もその一つです。保護者からは「子どもは環境の変化に敏感。車体の外観が変わっただけでもバスに乗れなくなる」など不安の声が寄せられています。1人ひとりへの継続した丁寧な対応が求められるバス通学は、まさに教育の一環であり、コスト重視の民間委託には馴染みません。一般競争入札による通学バスの民間委託をやめ、以前のように県が直接責任をもってバスの運行を実施すべきと考えます。以上、答弁を求めます。


6、県民に開かれた埼玉県平和資料館へ
 最後に、県民に開かれた埼玉県平和資料館について、伺います。

 埼玉県平和資料館は1993年8月1日に開館し、今年は開館20周年の節目の年です。館内には「第二次世界大戦では、全世界で数千万人にもおよぶ犠牲者を出し、アジア・太平洋地域でもたくさんの尊い生命が失われました。」「私たちは、このことを決して忘れることなく、戦争の悲惨さと平和の尊さを後の世まで伝え続けてまいります。」との知事のことばが掲げられています。この言葉に、平和資料館のそもそもの意義が示されていると私は考えます。20周年の節目の年に、この意義を胸に刻むことはきわめて大事と考えるものです。そこで、平和資料館の意義について、あらためて知事の見解をお伺いします。

 さて、平和資料館には現在3万点を超える貴重な資料が収蔵され、戦争体験者の証言を収めた映像資料も豊富です。現在、リニューアルの工事中ですが、展示内容も経緯も全く県民には知らされないままに進められています。広島平和記念資料館も現在リニューアル中ですが、その基本計画をつくるために専門家など23人による検討委員会を設置して議論を重ね、途中2回の市民の意見募集も行っています。20周年を機に、県民により開かれた平和資料館となるよう願い、伺いますが、今後、展示内容を含む運営については、県民の声を広く取り入れる仕組みを導入すべきだと考えます。県民生活部長の答弁を求めます。

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