村岡県議が一般質問④-すべての県民に芸術文化を

「蜷川レガシー(遺産)を継承する。創造する劇場=さいたま芸術劇場を今後も支えていく」

彩の国さいたま芸術劇場を視察小ホールにて

彩の国さいたま芸術劇場を視察小ホールにて

 

3日、村岡県議は一般質問で「すべての県民に文化芸術活動が保障される県政」について質問しました。

 

 

 

 

 

 

客席数が少なく、経営的につらくとも「創造する劇場」支えるべき

彩の国さいたま芸術劇場は「創造する劇場」として「さいたまゴールドシアター」などを創設し、海外公演も成功させてきました。また若手育成にも力を注いできました。村岡県議は、劇場の芸術監督蜷川幸雄氏亡きあとも、そのレガシー(遺産)が継承されるべきとして知事を質しました。これに対して知事はその「既成概念超えた創造力」「妥協ない人材育成」を「未来に継承していただきたい」と答えました。芸術劇場は、客席と舞台の一体化をはかり演出効果を優先しているため、大ホール約776席、小ホール約346席と客席数が確保できません。村岡県議は再質問で「芸術劇場は客席数が少なく経営的にみると辛いところがあるが、今後も創造する劇場として県は支えていくのか」と、確認。これに対して知事は「普段重要な点が異なることが多いんですが、ここは全く一致した」と応じました。

 

前川國男建築の魅力伝える企画を

国立西洋美術館の世界文化遺産登録がほぼ確実となり、その設計者の弟子であった前川國男氏(埼玉会館・埼玉県立歴史と民俗の博物館、埼玉県立自然の博物館設計者)の再評価も叫ばれています。村岡県議は同氏の建築作品の再評価と、埼玉会館のリニューアルオープンの際には前川作品の魅力と価値を伝える企画の実施を求めました。教育長は再評価については検討するとしつつ、「前川氏の設計思想や特徴をテーマにした建築セミナーや建物見学ツアーを実施」し「一般の方に加え建築を志す若い方々にもお越しいただく」と答弁しました。

 

全国トップクラスの埼玉県立美術館、学芸員の増員を

県立近代美術館は近現代美術を中心に自主企画に積極的で埼玉県の作家を大事にし、「県展」は全国トップクラスと評価されています。村岡県議はこの3月大成功した「原田直次郎展」を評価し、埼玉・神奈川・岡山・島根4県の公立美術館のネットワークがこれを可能とさせたと指摘しました。また、そのネットワーク形成に不可欠の学芸員は、埼玉県は10人、同規模の神奈川や愛知県は15人であり、その増員を求めました。教育長は「教育局の定数削減を進めている中であり困難だが、さらに近代美術館の価値を高められるよう努める」と答弁しました。