国保税引き上げは、命にかかわるー国保学習会

7月21日、埼玉県社会保障協議会(社保協)のみなさん50名ほどが、県議会内で、来年度から実施される国民健康保険の県市町村共同運営について、県国保医療課から説明をうけました。

柳下県議、村岡県議、秋山県議、金子県議が同席し、保健医療福祉常任委員の秋山県議が団を代表してあいさつしました。

 

制度改革で、保険税かわるのはよくない

はじめに社保協が事前に提出した要望書について、県国保医療課長が回答しました。特に「当面保険税は引き上げないでください」という項目に対して、課長は「国保に入っていない人との均衡がある」と、公的支援も限界があるとしつつ、

「保険税は市町村が決めるもの」「制度改革で保険税変わるのはよくない」と答えました。

 

その後参加者から質問を受けました。(以下は、そのメモ書きです)

今から保険税引き上げが実施されている

さいたま市からの参加者は、「来年度から国保税が1.4倍になるという試算がある。さいたま市では市から県へ納付する金額が92億足りず、そのために保険税引き上げが必要だと言われている。今年度均等割りの引き上げも行われたが、来年の保険税引き上げを今のうちから、という説明だった」と市民の不安の声が紹介されました。そのうえで、

Q1 なぜ、毎年度の国保会計が黒字なのに、一人ひとりの国保税のシミュレーションは大幅に引きあがるのか?

A シミュレーションは国からの交付金1700億円(全国・年)を考慮に入れない数字 法定外繰り入れなど考慮せず、収入は税だけという前提で算定。 8月中に公表する第3回シミュレーションはもっと精度をあげる

 

国保の赤字は、医療分ではなく、介護と後期高齢者への支払い分

Q2 国保の赤字要因は、医療費分にあるのではなく、介護保険や後期高齢者への支払い分から起因している。国保財政安定化のために、医療費適正化などというが、本当は医療費部分の問題ではない。国保の赤字要因について、きちんと説明してほしい。

A そういう面はあるかもしれないが、国の全体の問題として改革が必要。

Q3 法定外繰り入れの中に、漫然とした決算補てんもあるとは思うが、特定健診など推進のための目的意識的なものもある。法定外繰り入れを赤字と表現するのはおかしい

A 保健事業にあてるものは、解消すべき赤字とは考えていない

仲間の年所得300万円以下が6割、200万円が4割

また、埼玉県商工団体連合会(埼商連)の方は、「自営業者のうち、年所得300万円以下が6割、200万円以下が4割を占める。所得税など支払うと月13万円ぐらいで暮らさなければならない。そのうえ国保税を支払うのはとても苦しい。」と、その実情をリアルに語りました。そして、「仲間の中には、この暑さで熱中症になっても、医療費が払えず医者に掛からないものもいる。炬燵の中に入ったまま死んでいた仲間もいる」として、市町村を回って、国保の問題で本庄や深谷など北部の市町村と懇談してきたと話しました(自治体キャラバンのとりくみ)

法定外繰り入れ、禁止する強制力も、ペナルティもない

Q1 どの自治体も「法定外くりいれを続行するしかない」と判断している。県がこのような市町村の判断を「とめないよ」と言う必要があるが

A 国保運営方針案は、市町村の担当者とともに作ったもの。一緒に運営するという立場。もちろん県としては「(法定外繰り入れをやめさせる)という強制力も、ペナルティもないと思っている。また、国保法にも(運営方針を守るということは)「努力義務」となっている。

Q2 介護保険料の時、最初のうちはなんとか保険税をおさえていたが、2回目3回目と、どんどんひきあがっていった。国保税もこのようになるのではないのか?

A そうならないように、医療費適正化にとりくむ

そのほか

Q1 子供が二人いる4人世帯の場合、国保税なら年27万円、社会保険なら17万円となる。国保税均等割のうち子どもの分は、県として減免すべきではないか

Q2神奈川県では生活保護水準の1.3倍までの所得の世帯は国保税を減免している。埼玉県としても、このような制度を実施すべきでは?

 

など、提案があいつぎました。