教育委員の反省決議可決 文教委による政治的圧力は許されない 

文教委員の金子県議

埼玉県議会文教常任委員会は5月24日、2月定例会で継続審査となった新教育長の人事議案について閉会中審査を行い、全会一致で同意しました。同議案は、文科省の元職員の小松弥生氏を教育長に任命するものです。

県教育委員への反省決議を自民が単独可決 教育行政への政治的圧力は許されない!!

文教委員会の冒頭、越谷市選出の浅井明県議が「埼玉県教育委員会委員に自戒反省を求める決議(案)」を緊急動議。同決議は、4月に県教育委員が連名で「教育長の早期就任について」との文書を提出したことについて、「特段の配慮を求めることは、議会による公平中立な審査に影響を与えかねないものであり、極めて遺憾であることから、強く自戒反省をもとめる」としています。

決議案について、民進、県民、共産の各委員から「公平中立な審査にどのような影響を与えると考えているのか」「早期就任に特段の配慮を求めたことの何を問題にしているのか」「長期の教育長不在に不安をもつのは当然だが、どうか」など批判的な発言が相次ぎました。

委員の金子県議は「2月定例会では、委員会での継続審査そのものに反対した。それは教育長不在が教育行政に影響をあたえるものだから。2月定例会から1か月以上も経っている以上、特段の配慮を求めることが公平中立な審査に影響を与えるものとは考えられない」と反対討論しました。

採決では、民進、公明、県民会議、共産、改革の会が反対し、自民のみの賛成多数で可決しました。

教育長の長期不在による教育行政への支障を危惧した教育委員会への自民党による政治的圧力ともいうべきものです。

教育長人事案を全会一致で同意  新教育長に小松弥生氏

採決前に、参考人として招致された小松弥生氏は、県学力・学習調査やアクティブラーニング、学校外の地域資源の積極的活用などを重視し、県民の声や教育現場の声をつかみながら教育行政を進めると所信を表明しました。

質疑では、党県議団の金子正江委員が県教育長就任にあたっての抱負を質すと、小松氏は「いじめ、不登校、貧困問題など子どもたちへの支援はまったなしの課題。できるかぎりのことをやっていきたい」と語りました。

自民の委員からは、「天下りではないか」「知事から就任要請がいつあったのか」など就任要請の経緯、日の丸・君が代の教育現場への徹底、子どもの貧困やいじめへの対応などの質問が繰り返されました。

その後、提案者の藤崎育子教育長職務代理者、高柳三郎総務部長への質疑が行われ、討論・採決。全会派が同意しました。

柳下礼子団長の声明は以下の通りです。
文教委員会抗議声明